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”情報モラル宣言”を読む

書籍:情報モラル宣言-インターネット時代の生きる力を育てる(久保田裕)

 本書は2006年出版である。現時点(2022年)から、16年前に出版されたものである。しかし、本書で述べられる情報社会が抱える課題は、今日と大差はない。現在、AIやIoT技術の進展でより課題は複雑化しているといってよい。本書は、情報社会を前向きに捉え、私たちの生活をより豊かにしようという視点で書かれている。つまり、情報社会に生きる指針が示しされている。

 本書では、「ACCS※1の情報モラル10カ条」を示しており、今も心に残る文を引用し考えていこう。

第1条 これからは情報が価値の中心。(略)

情報モラル宣言-インターネット時代の生きる力を育てる(久保田裕)

 モノや土地以上に情報が価値の中心であるということを深く理解しなければならない。情報が売買され、ビジネスになるという側面をもっている。発信する情報に価値があることを理解し、情報の価値を見極める資質が私たちに求められる。それが情報社会(Society4.0※2)である。

第2条(略)情報がその人の評価を決める(略)

情報モラル宣言-インターネット時代の生きる力を育てる(久保田裕)

 情報がなければ評価できないということでもある。自らの個性を社会に向けて発信、表現する術を磨く必要がある。同時に、他人の情報を大切にする心と行動も大切である。

第10条 たまには会って話そう。

情報モラル宣言-インターネット時代の生きる力を育てる(久保田裕)

 ICTとはInformation and Communication Technologyの略で、我々のコミュニケーションを豊かにする手段である。リアルな会話は五感を刺激する。それが、人としてのコミュニケーションの原点であることは忘れてはならない。そして、Society5.0※2の社会では一層、意識し行動を起こさなければ、サイバー空間(仮想空間)にフィジカル空間(現実空間)が飲み込まれてしまいかねない。

 皆さんも、是非、本書を手に取ってみてください。

※1 ACCS

※2 令和3年版科学技術・イノベーション白書(文部科学省)


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