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埋立地ツアーに行ってきた。東京湾に埋立地がもう作れないのはガチだった…。😅

どうも、のぐはるです。

上勝から帰還して1週間くらい経ちましたが、実は上勝に行く前から計画していた東京湾の埋立地見学ツアーの予定がありまして、今回はそれに参加してきました。
卒制で「ゴミやるぜ」っつって上勝にまで行ってきたのに
「東京のゴミが捨てた後どこに行ってるかは…。
ちょっと知らないっすね…。」というわけにもいかんだろうと思っていたので、どうしても埋立地は見に行ってみたかったんですね。


今回参加してきたのは、公益財団法人 東京都環境公社が主催する、
『海と陸からの見学会』です。

東京湾を視察船「東京みなと丸」に乗船し、海上から埠頭と埋立処分場を見学、その後、大型バスに乗車し、陸上から東京港内最後の埋立処分場や中央防波堤内側埋立地の中間処理施設を見学する、というツアーです。

抽選制なのですが、参加費はまさかの無銭!

東京都の埋立地はあと50年しか使えないと言われていますが、
その実態は…!?


集合場所は竹芝にある竹芝小型船船着場でした。
朝9時集合でちょっと早くて眠かったですね。

生憎天気はよくなくて、雨が降ったり止んだりでした。

この船が今日乗る視察船、東京みなと丸ですね。
船で東京に帰ってきてから1週間経たずにまた船に乗るとは…。
こいついっつも船乗ってんな

受付では今回のツアーの、東京のゴミ処理についての、埋立地についての、など、何種類かパンフレットが貰えました。

参加者は30人弱くらいだったのですが、自分くらいの年齢の人は少なく、おじいちゃんおばあちゃんグループや、仕事の一環なのか、サラリーマンっぽい人、カメラマンっぽいおじさん、みたいな感じでした。

それではいざ出発!


ルートはこんな感じでした。最初のほうは埋立地云々というよりは東京湾、東京港を知るという感じで、港の横を中心に回りました。

船の中はこんな感じでした。
てっきりデッキのようなところから見るのかな?と思っていたのですが完全に室内でしたね。
前方には窓がなく見えないので、ディズプレイにカメラで写したものが投影されています。

案内係のおじさんが「右に見えますのは〜」というような感じで細かくそれぞれの場所の内容を説明してくれました。

東京港と聞いてもあんまり東京湾で貿易しているイメージって無かったのですが、竹芝〜大井町〜羽田空港の沿岸部は何キロも全部港やコンテナの倉庫が続いていて、東京でもムッチャ貿易していたのを実感させられました。
コンテナの中身は、衣類が一番多くて、その次が食料品だそうです。
白いコンテナは冷蔵コンテナでで、果物だったり、肉だったが入っているようです。

僕はこの前のフェリーも含めもう何度か東京湾を船から観測したことはあったのですが、わざわざこんなところ通らないからか、ここまで貿易船がたくさん行き来しているイメージはなかったですね。

このキリンみたいなクレーンでコンテナを持ち上げらしい。数えきれないくらいいっぱいいた。

僕から見えにくい反対側の窓が埋立地側で、そちらも近くを通りはしたのですが、なかなか見えにくかったので写真はないです。
まあこの後実際そこに上陸するわけだから問題はないでしょう。

ディズニーのプロメテウス火山も見えました。
千葉の方を見ると、房総半島の影もみえます。

そういえば、お台場の台場とは元々「砲台場」という意味の台場らしいです。
ペリーが来航した際に外国船に脅威を感じた江戸幕府が江戸城を守るために作った砲台、これがお台場の由来らしいです。
フジテレビやアクアシティの近くを通った時にその第六台場がまだ残っていました。
今は立ち入り禁止の陸地になっていて、野鳥の天国になっているそう。


さて、船の視察は1時間半くらいで終わり、元の港から大型バスに乗り込みます。夜行バスとかのサイズ感のものですね。
バスまで用意してくれてるって、太っ腹すぎる…。

バスで20分くらい移動して船の科学館とかの近くのテレコムセンターで各自昼食を取った後、東京都環境局で埋立地の歴史や、各ゴミがどう処理されているのかなどの環境学習の時間がありました。

1970年ごろは江東区や夢の島あたりの埋立地は臭いもヤバく、虫も大量発生していたようです。

これは浸出水といって、埋立地から滲み出る水です。
雨が降るとこの明らかにヤバい色をしている水が海にそのまま流れ出てしまうので、埋立地の外堀には集水池があって、施設内の排水処理を経て写真の隣にある黄色っぽい水に、その後江東区の下水処理場でその隣にある透明な水にまで浄化され、海に放流されるそうです。

粗大ゴミや不燃物はハンマーで粉砕してなるべく細かくします。

これは缶を圧縮したものですね。
上勝で見慣れたものですが、気のせいかもしれませんが上勝のものの方が綺麗な感じしますね。

環境局の10階からの景色です。
奥の方に見える緑のところは、埋め立てが完了した、かつての埋立地ですね。

ここから、バスに乗って中間処理施設、埋立地に向かいます。


ここが東京都中間処理施設の入口です。

埋立て前に、ここでゴミを焼却・破砕します。
焼却・破砕(中間処理)することで埋め立てるゴミの量を少なくし、最終処分場(埋立処分場)の使用可能年数を伸ばしているのだそう。

中間処理施設自体は様々な場所にあり、ここ中央防波堤埋立処分場では、粗大ゴミ、不燃ゴミを取り扱っているようでした。
(もしかしたら他にもやっているのかもしれませんが、見えた範囲では)

ここには1日に
280トンの粗大ゴミ、
3000枚の布団
(粗大ゴミは布団が一番多いらしい)
650台のチャリ
が運ばれてくるそう。

不燃ゴミ
粗大ゴミ

トイストーリー3のラストで見たビジュアルに近いですね。

にしても不燃ゴミとか粗大ゴミって本当にずっとこのままで、ここで細かくして金属だけ回収して埋めるんですね。
もうここは埋める直前の施設なのに、ゴミ捨てに出した直後と同じ見た目のままです。



そんでは、ここから移動して実際に埋め立てている場所に上陸するそうです。
場所としてはここで、島の中に四角く水になっている部分がまだ埋め立てられていない部分であり、そこが東京都最後の埋立地です。
実際に船に乗ってみてわかったのですが、ここの左右は船の通り道になっていてこれ以上陸地を作ることはできないそう。
だからこれ以上海に埋立地を増やせないんですね。

入口はこうです。ここから先は一般の車両は入れません。
ビックサイトやお台場とはそんなに離れていない、
というかまんま隣なんですけど、こんな場所がすぐ隣にあったとは。
さっきの中間処理施設もそうですが、あるというのをなんとなく知っているのと実際に見るのとではやっぱ違いますね。
都会感は一切なくて、地方の工場地帯のようです。

走って進んでいると、至るとこのような穴の空いたポールが立っています。
ゴミを埋め立てると地中にガスが溜まっていくので、これでそれを抜いているようです。

つか、とまってる鳥も都市部にいる鳥じゃないっぽいですよね。

さっきの黒い水を溜めている集水池がこれです。
ほぼ真っ黒ですね。反射とかじゃなくて普通に黒い池でした。
写真には写ってないけど、若干湯気が出ていて、ゴミが出すガスの影響か、温度が高いみたいです。

バスの見学客向けに一部断面を見えるようにしている部分がありました。
(他のところは土で埋まっていて埋め立て中のところ以外はこんなゴミマル見えではないです)

見えているのは30年前くらいのゴミで、当時はプラスチックは燃えないゴミだったのでこのようにブルーシートみたいなのがそのまま埋められています。

今はプラスチックは燃やしてサーマルリサイクル(燃やすことで燃料としてリサイクルする)に回しているのと他の中間処理技術も上がっているのでここまでの見た目にはならないそうですが、
埋立地って結構ガッツリそのまんま埋め立てなんですね。

土と混ざっているように見えますが、これはサンドイッチ工法という埋め立て方法によるもので、ゴミ土砂ゴミ土砂ゴミ土砂という感じでゴミを土砂で挟むことで中身が見えてこないようにする方法らしいです。

一番高い位置にある見晴らし広場に到着しました。
ここは唯一人が降りていい場所らしく、バスから降りることができました。

外にでましたが、臭いは特にないですね。
海の上の高いところにあるので、天気がよければ東京の方がよく見えるらしいのですが、まあ写真の通りお察しです。
海の彼方に見える四角い部分が残っている(建設中)の埋立地です。

むっちゃ広いやん〜とか思いましたが、1日に出るゴミの量を考えるとここしか残ってないの普通にクソヤバいですよね。

クソヤバいはずなのにあんま世の中全体がヤバいっていう雰囲気になっていないのは不思議だなと感じます。(自分自身も含めて)

案内人の環境局のおじさんも
「ここが埋まったら、もうみなさんが出したゴミ、行き場所は、無い!」
と、宣言していたので、脅しじゃなくて、本当にそうなんでしょう。

埋まったらどうなるんですか?
というのをいろんなところで聞いているのですが、やはりここにも答えはありませんでした。
埋め立て地の専門家ですらもお手上げ状態ということでしょう。
僕たちは50年後どうしてるんでしょうか。
宇宙にでも捨ててるんでしょうかね?????

この「ゴミを埋め立てる場所がない」問題は何十年も前からずっと言われてるそうですが、埋め立てるゴミを少なくする技術の進歩などで何とか延命できているそうです。

でも、延命することしかできないんですよね。

環境局の人たちは、こういった現状を一人でも多くの人に伝え、埋め立てるゴミをなるべく出さない循環型社会の実現を目指しています。


そんなこんなでもう15時で、ツアーは東京テレポート駅にて解散しました。

自分が捨てたものや、朝あちこちに山積みになっている大量のゴミが、その後どこに向かうのかを考えたこともないし、知らない。
(知らんことはないけど、まあ知らんのと同じような低い解像度)というような状態でしたが、このツアーでまた一つ現実を知ることとなりました。

これをみたから、僕自身が
「明日からゴミを絶対に出さないように生活するンダッ!!!!」
というように意気込み、覚醒…。

ということは正直無いです。

僕一人が頑張って一生ゴミ出さなかったとしても、この50年間しか使えない埋立地の未来は0.000001%も変えることはできないだろうし、何より僕一人だけそんなこと頑張っても辛くなるだけだと思います。
申し訳ないのですが僕はそこまで強くありません。

上勝に行ったり、今回みたいに埋立地に行ってみちゃったりして、僕のことをさぞ環境に対して意識が高い人のように思っている方もいるかもしれないのですが、そもそも僕は環境に対して特別強い思い入れがあったりするようなタイプでも無いです。メッチャ普通です。

でも、「なんかヤバそう」「本当にこれでいいんだろうか」というようなちょっとした違和感はいろんな物事に触れていくうちに感じるようにはなっていました。

そんなメッチャ普通な自分が、そのちょっとした違和感を頼りにゴミに真剣に向き合ってみて、自分や、同じように普通なみんなでもできるようなことを探してみようと始めたのが今回の卒制です。
一人が100頑張るより、1000人が1だけ頑張れるようなことを見つけていきたいんですよね。
僕自身もこんな現実を知った上でも100なんか頑張れないので、人を巻き込んで一緒にちょっと頑張ってもらうしかないですし、自己満足じゃなくて実際にこの現状をどうにかするならそれしか無いと思うんですよね。

そんな「赤信号、みんなで渡れば怖くない」のスタンスで向き合っていく先に、答えがあるのかもしれないなー、なんて考えている今日この頃でした。

最後に、東京湾と、徳島に行く途中の船から見た和歌山らへんの海との比較を。

😅😅😅😅😅


ということで、今回はここまで。
のぐはるでした。

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