サンプ

のぎちゃんの先輩の話を始めたいと思います。
よろしくお願いします!

のぎちゃんは高校三年生まで野球をしていたんだよね。大学生になって野球は辞めてしまうんだけど、福岡マラソンに出たり、バドミントンやフットサルを趣味でやってるくらいスポーツが好きなんだよね!

4人の核家族で、父さん、母さん、6つ離れた兄がいて、家族のことを一言で表すと
「落ち着けない」
なんでかって言うと、父さんは、自分自身の常識から外れると、すぐカッとなって怒鳴る人。だからビクビクしながら一緒にいないといけない。
母さんは、怒鳴るお父さんの影響もあって、何か事あるごとに「ごめんね、私が悪いんよ」っていつも謝ってばかり。母さんが悪くないことも謝るし、逆に心配しないといけない気がしてた。兄は歳の差が開いてるからか、いつも喧嘩ばかり。だから家族は落ち着けない。

父さんは自分が勉強しないで、遊んでばかりいると、「遊んでばかりして勉強しないからお前はダメなんよ」みたいにいつも「お前はダメだ」ばかり言われて生きてきた。小学生ののぎちゃんは、ダメって言われてることを母さんに愚痴をこぼした。そしたら母さんは
「侑希(兄)と違ってあんたには父さん甘いんよ、いいよねあんたは」
のぎちゃんよりも兄の方が母さんは大切なんだ。って思った。悲しかった、辛かった、寂しかった。

それでものぎちゃんはダメな自分も含めて見てほしかった。認めてもらいたかった。だからのぎちゃんは泣いた。小学生ののぎちゃんは自分の気持ちを言葉にすることはできなくて、泣いた。しんどかったら泣いたし怒鳴られても泣いた。とにかく見てほしかった。でもやっぱりわかってもらえない。

泣くことしかのぎちゃんを見てもらえないって思ってた。
中学校の期末試験のテスト返却されて、合計点数と順位表が一つになってるプリントが配られた。順位は下から数えた方が早かったし点数もめちゃくちゃ悪かった。お父さんに見せたら絶対怒鳴ると確信してた、見せたくないけど見せないとまた怒鳴られるので、見せたらめっちゃ怒鳴られた。そして泣いた。そのプリントには、テストの全教科ごとに問題点と改善点を書かないといけなくて、父さんの前で書いてたんだけど、自分の涙でプリントが濡れて、消しゴムで誤字を消そうとするとプリントが破れた。

「お前の汚ねぇ涙のせいでプリントが汚れるやろうが、そんな汚い涙出すな」

あ、自分の気持ちも泣くことさえできないんだ、もう何やっても伝わんないじゃん。そんな気持ちになった。そしたら悔しくて、悲しくてでもやっぱり自分を見てほしくて、その時はまた泣いてしまった。泣きながらもう人前で泣くもんかそう誓った。

泣かなくなった、のぎちゃん。泣かなくなった代わりに、別の方法で気持ちを伝えようとした。物にあたって俺は怒っているんだぞ、と表現してみたり、顔をわざと無表情にして、いつもと違う雰囲気を察してほしかったり。とにかくくどいって思うけど、見てもらいたかった。でもやっぱりわかってもらえない。

それでも唯一父さんが見てくれてるものがあった。それは小学校4年生から続けている野球。
野球をやってない父親だからこそなのかわからないけど、ヒットやいいプレーをすると
「拓希ようやったな」褒めてくれた。
だから高校三年生まで続けれてた気がするし、大学でも野球をやりたい、高校野球を引退してもそう思っていた。実家から近くて、のぎちゃんの力でもレギュラーが取れそうな大学があったので、目指した。

コミニケーションを評価される試験内容で、勉強をしないし学力もないのぎちゃんからすれば都合よかった。志望大学の学部の先輩から「知らない大学生や社会人と話せるイベントがあるんだけど、そこで試験の練習と思って参加してみない?」と教えていただいたので志望大学に合格するために、そのイベント「マイプロジェクト」に参加したんだよね。

そこにいる社会人、大学生は、一言で
キラキラしてかっこいい
自分の話を真剣に聞いてくれて、自分の事を一緒に考えてくれるその姿がカッコ良かった。
のぎちゃん自身、自分の事を話せる場所が、なかった。だからすごく自分の事を話せることが嬉しいし楽しかった。同じ参加者の話もよく聞いた。参加者のみんなも自分の事、やりたいことを言葉、行動にしていたその姿も憧れた。

だから、「マイプロジェクト」に関わっている、大学生中心のポランティアの活動によく参加した。参加していく中で、だいちゃんという大学4年生の人と話すことがあった。
だいちゃんのいつも自分の話を真剣に聞く姿勢が好きだったし、こんな大学生になりたいなって思いながらだいちゃんと関わっていた。
志望大学には落ちてしまったけど、別の大学に入学した。大学に入ったらすぐにボランティア(福岡カタリバ)参加した。参加者側から、ボランティアをする側に変わったのと、だいちゃんが所属していた団体に入って活動していることがなによりも嬉しかった。

後半はまた明日



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?