訳あり少女たちの恋愛奮闘記?
大学三年のある日
今の俺は、21年の人生の中で最低の気分になっていた
理由はひとつ
彼女の浮気を、この目で見てしまったから
昨日は彼女の誕生日だった。
俺は大学の講義が一日中あったため、夜に一緒にお祝いする予定だった。
だが、偶然にも教授の都合によって、その日の講義がなくなった。だから、俺はサプライズで彼女の家に行ったんだ。
そこで、俺は見てしまった。
彼女が、知らない男と交わっているところを。
そこからの記憶は、あまりない。
気づいたら、彼女の家を飛び出していた。
○○:はぁ.....
そんな日から、一夜開けた今日。
いつも通りに講義を受けるため、俺は大学に来ていた。
ひかる:○○っ、おはよーーって、どうしたの?
夏鈴:顔死んでる
麗奈:元気ないじゃん。何かあったの?
大学の同期三人が声をかけてきた。
ひかると夏鈴は中学の時から知り合いで、麗奈は高校のクラスメイト。偶然にも、同じ大学に進学していて、よく一緒にいる。
自分の中では、けっこう仲が良いと思っている。だから、おれは正直に答えた。
○○:...........彼女に浮気された
ひかる:えっ、それほんと!?
夏鈴:うわぁ.....
ひかるは驚き、夏鈴は引いてるようだ。
麗奈:あんなに仲良かったのに、なんで?
麗奈の質問に、俺は昨日あったことを覚えてる範囲で伝えた。
ひかる:それは.....災難だったね
麗奈:○○くんが可哀想だよっ!
ひかるは同情してる感じで、麗奈は励ましてくれた。夏鈴は何も言わずに、ペットボトルのコーヒーを差し出してきた。
飲みかけなんだけど......
天:○○〜っ!!
小田倉:あれ、みなさんお揃いですか?
瞳月:なにかありました?
同期の天と、後輩の小田倉と山下が遅れてやってきた。
状況がわかってない三人のために、麗奈と夏鈴が掻い摘んで説明していた。
それを聞いて、
天:えっ、それマジ!?
瞳月:その女、許せないです
小田倉:しづ、それは私も同感だけど、手にカッター持つのやめなさい
最初の三人と似たような言葉をかけてくれた。
○○:おれ、今日は帰るわ........
俺はそう言って、講堂をあとにした。
○○が帰り、講義も終わった時間に大学近くのカフェに6人の少女がいた。
瞳月:○○先輩、大丈夫でしょうか.....?
ひかる:相当ダメージくらってる感じだったよね
夏鈴:○○の彼女って、たしか天ちゃんの事務所に入った子だよね?
天:うん、そうだよ
麗奈:この件、どうしよっか....?
夏鈴:決まってるでしょ。徹底的に相手を葬る
ひかる:えっ、物理的に? それとも社会的?
そこに、一人の少女が口を挟む。
松田:ちょっと! いくら貸切にしてるからって、お店で物騒な話しないで!
松田里奈
○○達の同じ大学で、同期。一年の時から、このカフェでアルバイトしている。
麗奈:ごめんね、まつりちゃん。でも、これはとっても大事なお話なの!
山下:麗奈さんの言う通りです! ○○先輩を傷つけるのは万死に値します!
天:そうだよ松田っ! あっ、あとジュースおかわり!
ひかる:天ちゃんは少し、空気読んで
松田:はぁ....れいな、この子達どうにかして
小田倉:そうですね。とりあえず、この件は社会的に攻める方向で進めましょう
夏鈴:具体的には?
小田倉:まずは、相手方の将来を潰すとかはどうですか?
麗奈:おっ、いいねそれ!
ひかる:じゃあ、明日までにこっちで調べるよ
小田倉:あっ、もう私の方で調べさせてます
天:さっすが〜、仕事早いね!
小田倉:ちなみに、○○先輩の彼女の浮気相手についてですけど、しづのとこに就職が決まってるみたいです
瞳月:はぁ!? 嘘やん!?
ひかる:ドンマイ、瞳月ちゃん...笑
夏鈴:へぇ、けっこう優秀なんだ。可哀想に
小田倉:彼女さんの方は、天さんの方でお願いします
天:OK、任せて!
小田倉:あとは、臨機応変にいきましょう
松田:(いつも思うけど、○○のことになるとこの子達やばいわ...笑)
あれから一週間が経った。
いつも通りバイトが終わって家に帰ると、家の前に、
「ま、○○っ!!!」
彼女がいた。
○○:な、何しに来たんだよ......保乃
田村保乃
俺のバイト先の常連で、何度も店に来て話しているうちに意気投合。保乃の方から告白してきて、付き合うことになった。
保乃:ごめんっ、○○! ほのが全部悪かった! 謝るから許してっ!!
突然やってきたと思ったら、いきなり縋りついてきて、謝罪の言葉を叫び出した。
その顔はひどい有り様だった。
ずっと眠ってないのか、目の下に濃いクマができていた。肌はボロボロで、髪もボサボサ。
付き合って時の面影は、そこにはなかった。
保乃:あ、あれはほんの遊びやったんや! ○○を裏切ったわけやない! ほのは、今でも○○のことが好きやで!
あの時のことを必死に弁明してきた。この一週間、何も連絡してこなかったのに、今になって急にやってきた。
理由は分からないが、なんか焦っている様子。
○○:お、おいっ、何なんだよ急に! いまさら、そんなこと言われたって....っ!
その時、
"田村保乃さんですね? 通報があったため、署までご同行お願いします"
制服の警察官が二人現れた。
保乃:なんや急に! 邪魔せんといてやっ! ちょっ、離してや....っ! ○○っ! ○○っ!!!
必死に抵抗する保乃だったが、制服警官二人によってパトカーに強引に押し込まれた。
保乃:いやや! 出してっ! ほのはまだ死にたくないっ! 死にたくないっ!!! ○○っ! 助けてっ!!!
保乃の叫びは無視され、無情にもパトカーは走り去っていった。
○○:な、何だったんだ....?
ひかる:ま、○○っ! 大丈夫だった!?
○○:えっ、ひかる? なんでここに?
パトカーの姿が見えなくなった時、ひかるが現れた。
麗奈:ひかるちゃんだけじゃないよ〜
夏鈴:たまたま近くで買い物してたら、サイレンの音したから来たの
山下:○○先輩っ、しーが来たからもう大丈夫ですよ!
天:しづき! 抜けがけはダメっ!
小田倉:○○さん、無事でよかったです
○○:.....? よくわからんが、ありがと....な?
それから、また時は流れ、
ひかる:○○、元気になったみたいだね
瞳月:はい。お昼にカツ丼の大盛り食べてましたよ
夏鈴:てか、守屋ちゃん。あの後、ちゃんと処理したんだよね?
麗奈:もちろん! 茜ちゃんが手伝ってくれたから、大丈夫だよ。あっ、ひかるちゃん。いろいろ協力してくれてありがとね!
守屋麗奈
関東最大のヤクザーー『守屋組』組長の一人娘
ひかる:○○のために仕方なくだから。あと、あんまり過激なことはしないで、ってお父さんが言ってた
森田ひかる
全警察官のトップーー警視総監の娘
夏鈴:ひかるは気にしすぎでしょ。今までバレてないんだし。そういえば、山下ちゃんの方は大丈夫だった?
藤吉夏鈴
日本有数の弁護士事務所ーー『藤吉法律事務所』所長の娘
瞳月:はい。パパに頼んでみたら、あっさりOKしてくれました。そもそも、○○先輩を傷つけた人なんて、いりませんから!
山下瞳月
世界有数の自動車企業ーー『山下モータース』社長の一人娘
天:あ〜あ、「うちの事務所にも有望株が来る」って、お父さんも喜んでたのに。まあ、○○を裏切ったんだから自業自得だけどね
山﨑天
日本トップの芸能事務所ーー『Y.S.エンターテインメント』社長の娘
小田倉:ふふっ、○○さんが元気になってよかったです。みなさん、ありがとうございました
小田倉麗奈
日本最大の財閥企業ーー『小田倉グループ』会長の孫
それぞれの想いを胸に秘め、
ひとりの男に惚れた6人の少女
この先、彼女たちの壮絶な恋愛バトルが繰り広げられることになるのだが......
そんなこと、
○○:ぶえっくしょい....っ!!
松田:ちょっと大丈夫? 風邪ひいた?
○○:いや、わからん。誰かに噂されてんのかな?
本人はまったく知らないのであった
To be continued........?
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