見出し画像

いまだからこそ、あの日の「10月のプールに飛び込んだ」を振り返りませんか?

 櫻坂46として二度目の東京ドーム公演、「4th ARENA TOUR 2024 新・櫻前線 -Go on back?- IN 東京ドーム」が終わりました。それに関しては多くの方が語っていることだと思いますし、今週末にリピート配信も控えるという状況なのでいったん置いておいて(……というわけにもいかない気もしますが、でも置いておいて)。今回の記念すべき東京ドーム公演の開催から、前回の東京ドーム公演、「2nd TOUR 2022 “As you know?”」のことが思い出される向きもあったかと思います。
 メンバーも「満員にならなかった」という語りをしていたりとか、一方で「欅坂46の楽曲が披露されたアンコールでいちばん会場がどよめいた」とか、いまだにファンコミュニティのなかで、グループ史にどう位置づけていいか定まっていない部分もあるような気がします。

 あるいは一方で、その東京ドームで卒業していった、初代キャプテン・菅井友香さんは、現在もグループに対する愛着を表現し続けてくれている一方で、ドラマ「チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ」で新たなファンを多く獲得したり、「開運!なんでも鑑定団」で広くお茶の間にもリーチしたりと、1年半を経て新たな活躍をみせています。

 そうした状況もふまえつつ、菅井さんの櫻坂46での2年間を追う形で書いたのが、この記事でした。

 筆者は菅井さんの足跡を追う形で、欅坂46の5年間を綴る記事も改名前後の時期で書いており、その続編という位置づけでした。
 ただ、「菅井さんの足跡をしっかり書きたい」という気持ちが強く出すぎてしまって、いつも通りながら長くなりすぎてしまったり、あるいは欅坂46・櫻坂46のファンの方には自明のことも多く書きすぎてしまった気がしています。
 そうした方は10万字もの記事を読んでいる途中で寝てしまうと思うのですが、でもそんなみなさまとどうしても一緒に共有したかったのが、一昨年の東京ドーム公演の1日目アンコール1曲目の「10月のプールに飛び込んだ」です。

 思い過ごしだったら申し訳ないのですが、まだ心に引っかかってる方もいるんじゃないかな、と思っていました。筆者もこの記事を書くにあたり改めて情報をさらい直して、映像を見直して、向き合い直しました。自由研究みたいなものですが、その記録を残しておこう、というのがこの記事です。
 当然ながら、「新たなる真実を突き止めた!」みたいなことではなく、すでに世に出ているものを寄せ集めただけなので、驚くような情報はたぶんありません。でも、見えてきたものがありました。ブログでも書いたのですが、たぶんnoteのほうが検索とかでも引っかかりやすいので、そのために焼き直しておこう、と思ったという部分もあります。
 (ですので、上掲ブログ記事をすでに読んでいただいている奇特な方にとっては、このnoteを読んでいただく意味は特にありません。)


 「10月のプールに飛び込んだ」は、欅坂46・9thシングル表題曲として制作されながらも、結果的にシングルはリリースされず、ベストアルバム「永遠より長い一瞬〜あの頃、確かに存在した私たち〜」に収録される形で、1年近くの時間を経てようやく世に出た楽曲です。
 “選抜制導入”のシングルとされた9thシングルは、平手友梨奈さんをセンターとする17人のフォーメーションが発表されていましたが、その形でのパフォーマンスは一切世に出ることがなかったことになります。結局、「KEYAKIZAKA46 Live Online, AEON CARD with YOU!」(2020年9月27日)と、「欅坂46 THE LAST LIVE」DAY2(2020年10月13日)という、2回の無観客・配信ライブで披露されたのみ、という状況のまま、制作の時期からはすでに3年が経過しており、一昨年の東京ドーム公演のアンコール1曲目として、有観客での初パフォーマンスとなりました。

 菅井さんは、卒業後に刊行された書籍『Wアンコール』で、このように綴っています。

みんなで乗り越えたかった『10月のプールに飛び込んだ』
 1日目のアンコール1曲目に披露したのは『10月のプールに飛び込んだ』。欅坂46の幻の9thシングルの収録曲として制作されましたが、シングルとして世に出ることはありませんでした。私はこの楽曲が大好きで、ずっとみなさんの前でしっかり伝えたいと思っていたんです。当時。私たちはこの楽曲を一生懸命に届けたいと思い、ミュージックビデオまで制作しましたがみなさんに見ていただくことはかないませんでした。行き場のない悔しさをみんなが抱えているだろう楽曲だからこそ、ここでしっかり乗り越えたいという思いがありました。
 曲を聴くことで思い出す感情もあるでしょうし、二期生のみんなもあのころの感情は、心の奥底にあるんだなと思いました。(山﨑)天ちゃんは「この曲をやってみたかったからうれしい」と言ってくれたり、一期生にも「この曲が好きだったから、一緒に友香の思いをかなえよう」と言ってくれるメンバーもいて。新二期生は欅坂46の制服が着られることを喜んでくれたのでうれしかったです。

『Wアンコール』p.88-89

 彼女にとって、どうしてもこのタイミングで披露したかった楽曲だったということでしょう。ここで、フォーメーションの変遷を振り返ります。

【欅坂46 9thシングルフォーメーション(2019/9/8発表)】
土生 梨加 井上 原田  関  上村 藤吉
武元 菅井 森田  茜  佐藤
小林 松田 平手 田村 理佐

【「欅坂46 THE LAST LIVE」DAY2「10月のプールに飛び込んだ」(2020/10/13)】
藤吉 梨加 井上 原田 関 上村 土生
武元 菅井 茜  佐藤
小林 松田 森田 田村 理佐

【「2nd TOUR 2022 “As you know?”」東京ドーム公演DAY1
「10月のプールに飛び込んだ」(2022/11/8)】
増本 大園 井上 麗奈  関  上村 幸阪 大沼
藤吉 武元 菅井 齋藤 山﨑 土生
小林 松田    田村 小池

 「欅坂46 THE LAST LIVE」での披露時(「KEYAKIZAKA46 Live Online, AEON CARD with YOU!」もおそらく同じ)には、平手さんの脱退によって空いたセンターポジションに森田ひかるさんが入った形になっています(ほか藤吉夏鈴さん・土生瑞穂さんが上手・下手を入れかわった形)。
 このときのフォーメーションをもとにして、つまりはオリジナルのフォーメーションをベースに当時参加していなかった選抜外のメンバーや、いわゆる“新2期生”を含めた編成で披露されたのが、東京ドーム公演でした。

 しかし、上掲のフォーメーション表にあらわしているように、森田さんは東京ドーム公演において、「10月のプールに飛び込んだ」のパフォーマンスには参加していませんでした。理由はわかりませんし、未だにどこでも明確には説明されていなかったと思います。でも、筆者が確かに覚えているのは、アンコールの始まり、欅坂46のOvertureがかかったところで、すすり泣きが嗚咽に変わっていくような声が短くマイクに乗り、それがおそらく、森田さんの声だったということでした。明らかに、何らかの想定外の事態が起こっていたはずです。
 ただ、森田さんは大きなけがなどのトラブルに巻き込まれたということではなかったようで、このあとの「青空が違う」「世界には愛しかない」でも引き続き不在でしたが、それに続くMCのパートからはステージに戻り、この日最後の「その日まで」には参加しています。菅井さんがMCのなかでひとりひとりにメッセージを送っていくなかで、森田さんにはまず「るんちゃん〜、大丈夫?」と声をかけ、森田さんも「はい、すみません」と応じていました。しかしそれ以上のことは、ふたりとも何かを飲み込んだようにも見えました。


 筆者はこれに現地で立ち会っていましたが、熱狂半分、混乱半分というところで、正直状況を冷静に把握することはできませんでした。翌年、この公演DVD/Blu-rayとして発売されて、映像で何度も確認しましたが、オリジナルにはないのに菅井さんがセンターで踊っているパートがあるとか、センター横のポジションの田村保乃さんが泣いているシーンがあるとか、曖昧な記憶は再確認できたものの、やっぱりずっと、よくわからないままでした。

  しかし、約1年半の時間を経て、この点についてはは振付師の“先生”、TAKAHIROさんによって説明が加えられることになりました。「サントリーpresents 菅井友香の#今日も推しとがんばりき」の2024年4月25日放送回にゲスト出演したTAKAHIRO先生、リスナーからの「菅井さんのパフォーマンスにまつわる苦労話や裏話など教えていただけるとありがたいです」との質問に対して、「菅井は不器用です。究極的に不器用なんですよ」としつつ、「努力する力を持っていた」ことで、「感覚でみんながやれるところを努力でぜんぶ補おうとする」、そして「本当にその瞬間を任せたときに、ある程度までは要領のいい人が勝つんだけれども、そこから先の努力でもっと深めることができるから、ステージに立ったときに誰よりも輝く瞬間がある」と評しました。
 これを物語るエピソードとして、「不協和音」でセンターを務めた際のエピソードが紹介された上で、東京ドームでの「10月のプールに飛び込んだ」のときのことにも触れられました。聴いてびっくりしたのですが、あのとき菅井さんは、アクシデントで空いたセンターポジションに、予定も打ち合わせもなくその場で駆け込んで踊った、ということだったのです。

「あとは、不器用だし結構勇気がないから、普段前にあんまり出られないことも多い。
 だけれども、最後の卒業コンサートのときに、森田ひかるさんという、いま櫻坂46を引っ張ってくれてるメンバーのひとりなんだけれども、本番ちょっと出られない瞬間があって。『10月のプールに飛び込んだ』。
 で、どうなるかなって思ったら、菅井友香が真ん中にバーンって出てきて。打ち合わせもなかったけれども、そこでやり切って……見てる人は『こういうものなのかな』って思うぐらい。
 だから、すごく最終的には勇気もあったし、努力をしたから、そうやっていきなりのことでもできるようになったし、不器用なことが武器になった素敵な方だなと思っています。」

(2024年4月25日「サントリー生ビールpresents 菅井友香の #今日も推しとがんばりき」、TAKAHIRO)

 ここから、あの日の「10月のプールに飛び込んだ」について振り返りたいと思いますが、その振り付けについては、特に「欅坂46 THE LAST LIVE」のあとの時期において、その意味やメンバーによる解釈が幾度か語られてもいました。

「『10月のプールに飛び込んだ』は二期生がかなりフィーチャーされているんですけど、それを横で見守りながら静かに踊っているグループと、最初からヒップホップ系でがっつり踊っているグループと、同じ曲の中でふたつに分かれていて。でも、(森田)ひかるちゃんがセンターで1サビを踊っていると、そこに(藤吉)夏鈴ちゃんが加わって、どんどん激しく踊るチームが増えていく。で、保乃ちゃんがひとり残るんですけど、その保乃ちゃんも最後は一緒になるという、本当に欅坂46の5年間の集大成みたいな楽曲なのかなと個人的には思っています。
 結成当時はみんな子どもで、ひとつのことを全員で一生懸命取り組むということしか頭になかったと思うんですけど、それが徐々に歳を重ねるに連れて、今まであった概念を壊してやるぞっていうチームと、今まであったものを大事に継承していこうよというチームとそれぞれがいて、だけど結局最後はどっちも一緒でひとつなんだよというのが、『10月のプールに飛び込んだ』ではうまく体現できているのかなと思うんです。そういう意味では歌詞は勿論ですけど、振り付けにも注目して観ていただけたらうれしいです。」

(『別冊カドカワ 欅坂46/櫻坂46 1013/1209』p.101、渡邉理佐)

(前略)……ラストライブといえば、「10月のプールに飛び込んだ」も披露しましたが、回数の限られたレアな楽曲になりましたね……。
「そうですね、イオンカード会員の方限定の配信ライブを合わせて、パフォーマンスしたのは2回だけでした」。
 生き生きとセンターで躍動する森田ひかるを見られる曲でもあります。
「本当に楽しいんですよ、パフォーマンスしていて。メロディーも心地いいですし。最初は学校の授業を受けているようなイメージで、『みんなが出ているから、仕方ないか』っていうような感じで始まり、でも、やっぱり自分はプールに飛び込みたいっていう気持ちがサビで出てきて……そうすると、自分のことを分かってくれる人が増えてきて(※最初は森田が1人だけで踊っているところへ、藤吉夏鈴が合流してくる)。『こういう青春っていいなあ』って思わせてくれるような感じがあって、すごく楽しい楽曲です」。
 あの歌詞の中の“僕”は、「黒い羊」までの主人公だった“僕”とつながっていたりするんでしょうか。
「自分が答えていいか分からないんですけど、私はつながっていると思います。言ってしまえば三部作というか、『サイマジョ』〜『不協和音』〜そして『誰鐘』と『10月〜』につながっていくのかなと思っていて。で、『10月〜』はちょっと特別な2つのテーマが入った楽曲になっているのかなって。“僕”が2人いて、今までは、たとえば『不協和音』だったら“抵抗”とか“主張”を大事にしてきたんですけど、『10月〜』では、そのテーマに加えて、“尊重”を表現できると、この曲はより強いものになるっていう思いが、自分の中ではありました」。
 曲調やアレンジはポップな感じですけど、歌詞は結構主張的ですよね。主人公が中指を立てたりもしていますし。
「そうですね、ところどころに“欅らしさ”というのが残っています」。
 ただ、思春期の終わりが近いことを告げてもいるような気もします。パフォーマンスするにあたって、振付のTAKAHIROさんからは、どんな言葉が授けられたんでしょうか。
「楽曲は聴いてくださる方の解釈が加わることで成り立つところがあるので、詳しく言わない方がいいのかなと思っているんですけど、田村保乃ちゃんが演じている、途中から出てくるもう1人の“僕”の気持ちを、私の(演じている)“僕”が尊重するっていう表現の仕方ができると、より曲の良さが伝わるし、『やっぱり自分らしさを貫きたい』っていう気持ちを主張することで2つのテーマが同時に見える瞬間があるといいよねっていうことをTAKAHIRO先生からは言っていただきました。なんか、どう見せれば伝わるかを、結構自分なりに研究していたところがあります」。

(『blt graph. vol.62』[2020年12月9日発売]p.12-13、森田ひかる)

 冒頭の歌い出し、「チャイム 聴こえないふりをしていた」から「授業なんか出たくない」まで、映像では田村さんを中心とするカットと全体のカットが用いられています。会場でもおそらく、田村さんを中心とするカメラワークでモニターが映し出されていたきがします。「田村さんがセンターなの?」と一瞬思いましたが、センターポジションが空いていることは明らかで、そのことにすぐに気づきます。
 実際のところ、歌割りとしてはもともと、ここは森田さん・田村さんのふたりのパートだ。振り付けが表現しているものも、ここはまだ全員が「学校の授業を受けているようなイメージ」で、「静かに踊っている」様子で、森田さんがいた場合でも他のメンバーと大きく違う動きをするわけではありません。田村さんの表情は「欅坂46 THE LAST LIVE」の映像と見比べると少し緊張して見えますが、あえていえばその程度で、「本来のポジションで、予定通りパフォーマンスを続行していた」ということのようにも見えます。

 本来は1サビで、森田さん演じる“僕”に「やっぱり自分はプールに飛び込みたいっていう気持ち」がサビで出てきて、「ヒップホップ系でがっつり」踊り始めることになります。しかしこのときはセンターポジションが空いており、TAKAHIRO先生が説明したように、そこにその後ろの2列目のポジションから「菅井友香が真ん中にバーンって出てきて」、笑顔で踊り出すことになります。ここは「プールに飛び込んで」踊り始めた“僕”のもとへ、「自分のことを分かってくれる人」がどんどん合流していくさまを表現する部分です。1サビの後半で下手側の後列から藤吉夏鈴さんが合流してくる前に、誰かが先に踊っていないと意味が通らなくなります。
 それを菅井さんは、TAKAHIRO先生の説明によれば「打ち合わせもなかったけれども」やり切ったのでした。筆者も確かに、そのときは「こういうものなのかな」と感じたことは確かです。
 サビ冒頭(「10月のプールに飛び込んだ僕を笑うがいい」)の部分の菅井さんのダンスは明らかにヒップホップ系ではなく、バレエの動きをしています。幼少期に打ち込んだものが咄嗟にあふれ出たのでしょうか。これに続く部分(「制服のまま泳いで何を叱られるのか」)では、森田さんが披露した際の振りに近いものとなり、サビ後半では予定通り藤吉さんも合流してきます。森田さんとのペアダンスとはやや異なるものでしたが、どうにかトーンと息を合わせて演じ切っているようにも見え、藤吉さんの弾けんばかりの笑顔が印象的でした。「静かに踊っているグループ」は、そうした“僕”を静かに見守っていることになりますが、抜けに映った小林由依さんの表情は、どこか満足げな笑顔にも見えます。
 本来はこのサビの終わりで、藤吉さんに続くふたり目の理解者として菅井さんが合流し、3人で踊りながら上手側に移動していって2番につながっていく流れですが、このときはそのまま自然な流れで、菅井さんと藤吉さんのふたりが移動していきます。藤吉さんが手を引いて、菅井さんの立ち位置をどうにか調整しているようにも見えてきます。

 そこからは徐々に、メンバーが「激しく踊るチーム」に合流していき、チームが大きくなっていきます。そこに最後に合流する形となるのが田村さんです。彼女はそこまでパフォーマンスを続行してきましたが、森田さんとのふたりの歌割りであった「びしょびしょの足跡が廊下に残っている」までを歌いきり、「僕に興味がないんだろう」で小池美波さんが最後にグループを離れていったあたりから、涙がこらえられない様子になっていきます。自らもそのあとを追って合流していくタイミング、落ちサビの「季節なんか関係ないのが僕の生き方だ」は1列目の歌割りですが、泣いていて歌えていない様子です。
 ラストサビでは、最後に合流した田村さんが、センターポジションで踊ります。これはもともとの形で、森田さんがいたときとほぼ同じです。そしてその隣に並ぶ形で、最初に「10月のプールに飛び込んだ」森田さんが踊ります。この日はそのポジションは空けられており、田村さんはそこにいるはずの森田さんに目線を送るようなパフォーマンスをしています。森田さんのいう、「田村保乃ちゃんが演じている、途中から出てくるもう1人の“僕”の気持ちを、私の(演じている)“僕”が尊重する」シーンがここということだったのでしょうか。
 最後に田村さんは、縦2列になったフォーメーションの先頭で森田さんと拳を合わせ、パフォーマンスを終えます。当日に混乱のなか見届けた際には、そこで森田さんが“そこにいない”ことと、しかし同時に、あくまで“そこにいる”ことが強調されたように感じました。


 メンバーが公に説明しているわけではないですし、世に出ているもので確認できるのもこのくらいなので、ここまでにとどめておきたいと思いますが、「10月のプールに飛び込んだ」が「みんなで乗り越えたかった」、もっといえば「乗り越えなければならなかった」ものだったとするならば、空いたセンターポジションに菅井さんが走り込んでいったことには無限の意味があったことでしょう。
 東京ドーム公演の菅井さんについて、オテンキのりさんは2日目公演を終えたあとの「レコメン!」で、「最終的に、欅坂46というもののけじめを……最後につけて卒業していったような、そんな感じもしましたね」と述べていました。
 菅井さんがそのように意図していたのかは別として、最後に欅坂46の楽曲を櫻坂46のステージで演じると決めた菅井さんが、そのステージの上で、できるだけのことをやったというのは間違いないと思います。

 櫻坂46が欅坂46の楽曲を演じることも、それをファンが粒立てて語ることも、複雑な思いで受け取る方も多いと思います。一昨年、グループにとって「まだ早いのでは?」という語りも多く、ほかならぬメンバー自身があけすけにそう語っていたような状況で、苦しみながらもあの形で、次につながる形で東京ドーム公演を終えたことは、すごく意味があったのだと、今回の東京ドーム公演を見て感じました。
 その細かな部分はブログで長々と説明しましたので、まあそちらをお読みいただくとして。
 (しつこいですが、もう一度リンクを貼らせていただきます)

 特にここ1年、こんなにわかりやすくグループが勢いに乗っていく、それをこれだけ克明に見届けることができるって、なかなかないじゃないかなとも思っていて。そして次のブログでは、その時期を含む、菅井さんの卒業以降、つまり松田さんがキャプテンを引き継いだ時期から今回の東京ドーム公演までについて書こうと思っています。
 どのくらいのスピード感で書けるかはわかりませんが、でも絶対書きます。よろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?