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いきなり無職になったのに、スカウトされて超待遇を受けた話

上司「お前はもうクビだ!」

上司「お前のせいでとんでもない額の赤字になったんだぞ!」


美月「すいませんでした。」

上司「謝って済むことじゃない!」

上司「さっさとこの会社から出てけ!」

美月「ずい゛まぜんでしだ〜」

上司「泣いたからって変わらんぞ!」

美月「はい゛」 グスグスッ

上司「分かったなら、さっさと出てけ!」

上司「明日から来なくていいからな!」

美月「わ“がり”まじだ」

上司「以上だ!さっさと荷物片付けて出てけ!」 

美月「はい゛」

美月は、自分のデスクに戻り、荷物を片付ける。



美月「今までお世話になりました。」



上司「…」

部下「…mi…s…ン」




美月「ふぅ〜これからどーしよっかな」

美月「とりあえず、家に帰るかぁ」

美月は、自分のリュックサックを背負い直す。

美月「お、重い。」



美月はとりあえず最寄り駅まで歩く。

美月「ふぅー」

構内アナウンス「只今、丸乃線の人身事故の影響で60分の遅れが発生しております。お急ぎ…」

美月「ついてないな」

美月「ここから歩いて帰るかー」

美月は家の方向へ歩き出す。



美月「何これ坂道きっつ」


美月「はぁはぁ」

美月「とりあえず、あそこの公園で休憩しよ」

美月「コンビニあるし、何か買うか」

美月は近くにあったコンビニに入り、缶を買う。

美月「この公園大きいな」

やっとの思いで空いているベンチを見つける。



美月「ふぅー」

美月「疲れた」

美月はさっそくレジ袋の中からビール缶を取り出す。

プシュ

美月「いい音…」

ゴクゴク
美月「ぷぱぁっっ」

美月「あれ?もう全部飲んじゃった」 




美月「もう1本開けるか」

こんなことの繰り返しでコンビニで買っていたビール缶5本飲み干す。

美月「みょうむりぃー」

美月「スピー💤」


For a While


トントン
??「す、すいませーん。大丈夫ですか〜?」

美月「はっ!」

美月「あ、はい」

??「大丈夫です?」

美月「大丈夫です、」

??「本当ですか?」

美月「あっはい。」

美月「お手数おかけしました。失礼します。」

??「ちなみにもう終電ありませんよ?」

美月「えっウソぉ!」

??「もう1時(25時)ですからね」

美月「最悪ぅ、またやった」

??「家まで送りましょうか?」

美月「た、大丈夫です。すぐそこですから」

??「ケガしてるのに?」

美月「あははは、これは今日の昼に転んだやつです」

??「そんなはずないでしょ」

美月「と、とりあえず大丈夫ですから〜」

??「そこまで言うなら…」

美月「それじゃ、失礼します。」

美月はベンチに手をかけて立ちあがろうとする。

美月「いたっ」

??「言わんこっちゃない」

美月「…」

??「ほら」

??は手を美月に差し出す。

美月「す、すいません。」

美月「おっこらっしょ」

美月「痛てて」

??「家近いんですよね?送りますよ」

美月「お願いしていいですか?」

??「分かりました。」

美月「ありがとうございます」

??「お家どこですか?」

美月「えっとぉー水崎駅の近くにあるマンションです」

??「なるほどな」

??「分かった!」

??はしゃがむ。

??「ほら乗った乗った」

美月「へっ?」

??「どうせ歩けんやろ?」

美月「そ、そこまでしなくても。」

??「早く乗りなって」

美月「お言葉に甘えて」

??「おこっらしょ」

??「おまえ軽いな、ご飯食ってねぇだろ」

美月「最近は忙しくて…」

??「あそこで酔っ払って倒れてたということは嫌なことでもあったか?」

美月「たまたまですよー」

??「最近忙しい人が駅からも遠い公園でこんなことになるとは思えないんだけど?」

美月「そうですね。」

??「話さなくていいけど、話したら楽にはなるぞ」

美月「えっとぉ、私のミスで会社が大損害を受けてクビになりました。」

??「そっかー」

美月「私ってドシだからぁ グスッ」

??「そんなことないと思うぞ」

美月「へっ?」

??「芯がしっかりしてる感じがする。」

美月「そんなことないですって」

??「そうか?俺はそう感じるけどなあ」

美月「ありがとうございます。」

Few a moment

??「一旦降ろすな」

美月「はい」

??「よいしょっと」

??「ちょっと待っとけ」

美月「分かりました。」


Few a moment

ブォンブンブン

??「お待たせ〜」

美月「かっこよ」

??「乗れる?」

美月「あっ、はい」

??「あっ、その前にヘルメットかぶって」

??はヘルメットを美月に渡す。

美月「ありがとうございます」



??「後、荷物ちょうだい」

美月「はいどうぞ」

??は荷物を足元に置く。

??「よし!行くかぁ!」

美月「はい」

??「とりあえず、水崎駅まで行くからそこから道案内してくれる?」

美月「分かりました」




美月「ここ曲がってもらつていいですか?」

??「オッケー」

美月「この前で止まってください。」

??「はいよ」

美月「ここです。」

??「オッケー」

美月「それじゃ、ありがとうございます。」

??「もう足大丈夫?」

美月「あっはい」

??「そっか」

美月「お世話になりました。」

??「いいよ、そんなの」

美月「こんな遅くに」

??「だからいいって」

美月「あの〜スマホ貸してもらっていいですか?」

??「?いいぞ?」

美月「失礼します。」


美月「これで私の連絡先入れときました。」

??「はあ」

美月「後日お礼したいので」

??「そこまでしなくても…」

美月「私がやりたいからいいんです」

??「そうか」

美月「今日はありがとうございました。」

??「それじゃな」

ブォンブンブンブーーーン


後日

美月L「先日はありがとうございました。」

??L「いえいえどうも」

美月L「お礼したいので、空いているタイミングでカフェでも行きますか?」

??L「分かった。明日の15時とかどう?」

美月L「大丈夫です。」

??L「神尾駅に来てもらっていい?」

美月L「分かりました。」


next DAY

??「おう、待たせたな」

美月「いえいえ」

??「それじゃ〜俺の好きなカフェ行ってもいいか?」

美月「どこでもお供します」

??「あはは、そっか」



カフェにて 

2人は、コーヒーを注文する。

??曰くここのコーヒーはピカイチうまいそうだ。

美月「先日はありがとうございました。」



??「あの後無事か?」

美月「大丈夫です。」

??「そういや名前聞いてなかったな」

美月「山下美月です。乃木商社に勤めてました。」

??「いい所に勤めてたんだね」

??「俺の名前は〇〇、種花商社で社長をしてる。」

美月「うわっ!ライバル会社の!?」

〇〇「そういうことになるな」

美月「お世話になっています。」

〇〇「ありがとう」

美月「まさかだった…」

〇〇「そこまで謙遜しなくても」

美月「ライバル会社に楯突くことをしてしまってすいませんでした。」

〇〇「いいよいいよ、その代わりお願いがあるんだけどいいかな?」

美月「はい、何なりと」

〇〇「うちの会社をこれから大きくしていきたいんだ。手伝ってくれるかな?」

美月「えっ、私?私ですか?」

〇〇「そうだ、名前を聞いて思い出したよ。乃木商社で大活躍していることを」

美月「そ、そんなことないです。」

〇〇「君を追い出したことを後悔してもらわなきゃね」

美月「へっ?」

〇〇「復讐したいだろ?」

美月「し、したいですけど」

〇〇「手伝ってくれるかな?」

美月「分かりました!やります!」

〇〇「君の都合がつけばいつでもいい、会社に来てくれるかね?」

美月「今からでも大丈夫なら…」

〇〇「やる気あるね〜よっしゃ行こう」


種花商社にて

〇〇「ここにサインしてくれるかな?」

美月「分かりました。」

〇〇「おっしゃ!」

美月「これからよろしくお願いします!」

〇〇「よろしくな」


次の日種花商社に行くと…

〇〇「おう、来たか!」

美月「本日から、お世話になります。」

〇〇「お前の席はここだ!」

そこには、『部長』と書かれている札がある机の席だった。

〇〇「乃木商社で学んだことをここに落とし込んでくれよな!」

美月「はい!」

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