動物との共存

ここ3年間、豚のストレスを軽減出来る方法を模索し、地元企業・地元大学と肥育試験に取り組んでいる。
1年目はたまたま良い傾向があるとの結果が出ただけだと半信半疑だったが、3年間で感覚が掴めてきた。
毎日の放牧を繰り返すだけでも、半月も経つと豚の性格が落ち着いてくるのが分かる。
ましてや、食べ物に工夫を加えたら、しばらく経つと少々の物音ではビビらない。おっとり豚ちゃん達だ。
豚に限らず、家畜全般、いやペットに至るまで、ヒトと飼われている動物は、全てに自由な環境を与えられている訳ではない。
飼育環境を変えていくことは、家畜にとってもかなりのストレス軽減になるだろう。多額の費用がかかるので、簡単にみんなが取り組めるものでもない。
それなら、我々の意識が少しずつでも変わればいい。
今の環境下でも動物に対する気持ちが変われば、次第に伝わる。ヒトも動物も一緒。
美味しい肉を作る、確かにモノづくりは良いものを作ることが評価を受け、努力次第で対価を享受出来る。
これからは、美味しさを求めるがゆえにヒトの一方通行の飼育方法ではなく、動物たちへの愛情や健康に過ごすためのケアをしっかりと施してあげる、その延長上に良い肉作りがあるのだと思う。
飼育者の考え方は様々。
だからこそ、これからは動物たちの役割りをちゃんと認識した上で、飼われる動物たちへの理解もして関わっていくこと、消費者の新しい評価基準となるだろう。