こんにちは。野河紫です。 炎のゆらめきに同じ形はなく、いつまでも見ていられます。今日は野河本邸の庭にいつメンでテントを張ってお泊りしています。焚火をしてコーヒーと焼きマシュマロという定番スイーツをおともに止まらないおしゃべりです。 今日の話題の中心は千歳の片思いの話でした。樹と朔弥は男子目線でそいつはやめとけと、千歳はその反論で大盛りあがりでした。 私は話半分に焚火を堪能しています。夜に見る炎の色は美しく、動きと相まって生きているかのようです。火の粉が闇に吸い込まれていくよう
こんにちは。野河紫です。 ひとくちに麺と言っても、太いもの細いもの、伸ばすもの切るもの削るもの、スープと食べるもの炒めるもの揚げるもの、小麦からできているもの米からできているもの芋からできているものなど多岐にわたります。 樹の親戚にこの様々な麺をほぼ全て食べられるお店？を経営している方がおり、いつ行っても人々の熱気と美味しい匂いに溢れています。 全体は空調のきいた巨大な倉庫のような建物ですが、壁や天井には外の景色がリアルタイムに映し出させているので、屋外にいる気分になります。
こんにちは。野河紫です。 私の国では罪に対する罰はとてもシンプルです。理由はどうであれ、結果に対する罰が決まっているので、それを執行するのみです。やられた側にとっては理由や加害者の事情などどうでもいいという考え方だからです。一番重い罪は殺人と強姦です。 あとは誰が何をしたか間違わなければいいだけなのですが、そこはその人の全ての行動を知るアイモと街中に張り巡らされた情報ネットワークですぐに確定できます。 それでも罪をあえて犯す人や、やっていないと嘘をつく人が絶えないのが不思議で
こんにちは。野河紫です。 学校の温水プールに泳ぎに行きました。休日でも、スポーツ施設や図書館などは15歳以下も卒業生も使用することができます。 学校のプールは体力向上などの使用に限定されているので、私達いつメン４人は25mを歩いたり泳いだりして、まあ真面目に使用していました。 しかしここでまさかのアキラとその友達と遭遇。２人共卒業生なので使う権利はあるのですが、ここで会うことはほとんどありません。はじめは軽くスピードを競ったりしていたのですが、だんだん追いかけっこのようになり
こんにちは。野河紫です。 予定通り帰ってきました。アイモのない生活はむしろ楽で良かったのですが、帰った途端アイモを触っている自分に失笑します。 施設内ではいつも通り過ごしました。するとSNSにどれだけ時間を取られているかを痛感しました。アイモがないと、暇な時間がたくさんできるのです。ピアノをいつもより何倍も弾いたり、作品（課題ですが）を丁寧に作ったり、クッキングをしたりと、とっても優雅でした。
こんにちは。野河紫です。 明日からアイモ断ちのプログラムに行かされます。常にアイモと共にある私達ですが、15歳以下は年に１回1週間アイモ断ちプログラムに参加しないといけません。プログラムは合宿所で行われ私達はアイモ無しの共同生活をします。そこでの行動は監視され、アイモ中毒者でないことを確認されます。 アイモが無いことに耐えられない姿を見せると別プログラムに強制参加させられ、社会復帰が遅れます。子供達に課されたものですが、私は大人の方にこそ必要に思えます。
こんにちは。野河紫です。 アイモが流暢に同時通訳をしてくれるので、いわゆる外国語の習得という授業はありませんが、異文化理解という授業はあります。知れば知るほど違いが見えてきて、新しい価値観に触れる楽しみがあります。そして深く微妙なニュアンスとなればなるほど、アイモの通訳ではもの足りなくなり、自分で外国語を習得しようとする人が増えます。必要に感じてから学ぶので、ここまで来たほとんどの人はものすごいスピードで習得していきます。‘’勉強‘’の理想かもしれません。
こんにちは。野河紫です。 父と若い女性と私で食事に行きました。彼女は父の新しい恋人の一人のようですが、食事に私も来るよう父に言ったそうです。父は恋人複数人と共に食事ができる信じられない神経の持ち主なので、彼女と私を同等に扱い普段通りに過ごしていましたが、私はやたら親切な彼女に今回も上手く笑顔が作れなかったような気がします。 私にどれだけ親切にしても父に何の影響を与えないことがわかるまで、きっと続くことでしょう。それまで贅沢な食事とたくさんのプレゼントをありがたく受け取ることと
こんにちは。野河紫です。 千歳とショッピングに行きました。オンラインでも買えますが、現物を見て歩く楽しみは行かないと味わえません。あきらに昨日の罰として車を出させ、私達のショッピングに付き合わせました。 金魚のフンのように私達のあとを付いて歩き、全身からまだ？！というオーラを出してきましたが、未成年者だけでは入れない店や場所に入るのにあきらが必要です。男はビジュ重視と公言する千歳は、背も高く見た目がいいあきらを連れて歩くのを喜ぶので私達のショッピングには欠かせません。 父はこ
こんにちは。野河紫です。 私は一人暮らしをしているのですが、今日帰ったら私のベッドで瞳（祖母の瞳さんとややこしいので、今後はあきらと表記します）が寝ていました。しかも、酔っぱらって。これが初めてで無いことがさらに腹立たしいです。 家のドアもアイモで認証して開閉します。しかし、未成年者の第一保護者は、登録した多数の保護者に本人と同じ権限を持たせることができます。私の場合は第一保護者の父によって、父、菅野さん、なぜかあきらが生活保護者として登録されています。（成績等の保護者にはあ
こんにちは。野河紫です。 清掃は基本的にロボットがしますが、人の手でやらなければならないところが存在します。うちの学校では、清掃に参加して報酬を貰うか、参加しないで清掃依頼金を払うか選択できます。私は依頼金を払うことが多いのですが、時々参加しています。 参加すると、意外な汚れやどこからやってきたかよくわからないゴミと遭遇して面白く、汚れが落ちてピカピカになると気分がいいです。 かつて清掃は自分達が使うところをきれいにすることで、ポイ捨て等が無くなり街全体が綺麗になるという考え
こんにちは。野河紫です。 今日は野河本邸から、筍を手に入れたので食べに帰ってこないかと連絡があったので行きました。父も呼ばれたようで一緒に味わいました。 ついでにお風呂にも入りました。普段は立っているだけで洗って乾かして保湿してくれるシャワールームを使用しています。とても便利です。 野河本邸のお風呂は便利な機能は何もついていませんが、大きな湯船があります。体を綺麗にする目的だけに存在してるとしたら疑問を感じます。ここでお風呂に入ると、お風呂に入るという行為が何なのか考えこんで
こんにちは。野河紫です。 私の国では国が設置した学校しかありません。グレードに必要な学習は無料の学校だけで十分学べますが、学校の授業内容をサポートしてくれる、企業経営の学習センター（有料）は存在します。短期間に多くのグレードを取得したい人やどうしても学校の学習だけでは難しい人が利用しています。 ただ、グレードとは関係ないものは多く存在します。例えばスポーツです。学校で行うスポーツは生命・健康維持やコミュニケーション能力の育成をメインとしていて、スポーツを仕事にしたいと思ってい
こんにちは。野河紫です。 用があって祖父の所へ行きました。70歳を過ぎて就労の義務が解かれたあと、野河家と野河邸を父に譲ってのんびりと過ごされています。 父の母は高藤瞳（ひとみ）といいます。父が幼い頃に病気で亡くなっています。ものすごい美女だったそうです。 菅野さん曰く、それでマザコンの父は名無しの孤児に高藤瞳（あきら）と亡くなった母の名前を菅野さんや周りの大反対を押し切りつけたそうです。 祖父に話を戻します。祖父は長年の恋人である方と住んでいます。ぽっちゃりとした暖かい人で
こんにちは。野河紫です。 美術館に行きました。いつもの所蔵作品を新しく見せますというキャッチフレーズの展示です。入口に書かれた『荷物を預けて、靴を脱いで、できるだけ薄着で進んで下さい』は注文の多い料理店を彷彿とさせ不気味でした。 展示は作品を五感で楽しむというものでした。山の絵の前では、気温が下がり木の匂いがしてどこからか吹く風を感じました。河原の絵の前では、床に小石が敷き詰められており水音がしました。食卓を囲む人の絵の前では、美味しい匂いやざわめきが聞こえ、眠る人の絵の前に
こんにちは。野河紫です。 そちらでは受講中に立ち歩いたり、私語をしたり、居眠りしたりする人がいると聞いてびっくりしました。 私達の学校では許されません。一度は警告されますが、二度するとすぐにセキュリティによって排除されます。学びたい人の権利を侵害する行為や、学ぶ意志のないものの受講は許されません。 そのような事をする人は学校に来ないので、ほとんど見ることはありませんが。
