Lemonをふつうに聞けなくなった――「アンナチュラル」おもしれーでごわすの巻②

最終話まで全部見た。
見始めはこちら

物語の核心にふれるようなネタバレはないと思うけど怖いので一応やんわりとネタバレ注意。というか観ないとなんだかよくわからないと思うので観てから読んでほしい。

私は非常に涙もろい。ニュースで難病と闘う女の子の特集を見ただけで涙を流すし、ペットや親子ネタのドラマや映画や本でもほとんど泣く。泣くトリガーは「うわ、愛じゃん……」と思う瞬間である。「誰かが誰かを心から想っている」ということが分かるようなシーンが来ると喉がギュッと締まって鼻がツンとして視界がにじむ。

そんなわけで『アンナチュラル』を見た私はほぼ毎回泣いていた。法医学というテーマだから、毎回かならず誰かの死が絡んでくる。そこには必ず残された人がおり、その人たちの感情はさまざまだけど、「大切な人がいなくなってしまった」という感情が多かった。
だからもう毎回のように泣いた。普通のドラマの泣きポイントが最終話付近だとして、このドラマは毎回のようにいちばん適したシーンでLemonを流して泣かせてくる。

いちばん泣いたのはバイク事故の話と男子高校生のライブ配信の話。

泣けるだけじゃなくてほんとにキャラが良くて驚く。前回も言ったけどUDIラボのみんな個性があって、それぞれ良いところがあってあったかくて……そりゃ好きになるわ~~~登場人物つくるのうますぎる~~~日常をもっと見せてくれ~~ってなる。

もうLemonを外で聞けないのではないかという一抹の不安

Lemonをふつうに聞けなくなった。
聞くたびに、「あぁ、中堂系は恋をしていたんだな……。そうだね……」と思うようになった。
とくにCメロの部分を聞くと、「こんな気持ちをいつも抱えているのか、中堂はよ……」となって胸がいっぱいになって泣いてしまう。

中堂さんはずっと口が悪いし態度が悪いけど、最初から不思議と怖さを感じなかった。なんだか、どんなに怖く凄んでもずっと優しい顔をしているように見えたんだよね。
ずっと寂しそうな目付きをしている。それが優しそうに見えるのかも。「この人は何かを背負っていて、思慮が深くて、話せばわかるな」とわかる顔。根底に愛がある人だとわかる顔をしてる。

いまも書きながらLemonを流しているけど、頬が塩田になりそう。

その関係に「同僚」と名付けた

三澄と東海林の関係がめちゃめちゃ好き。こういうやりとりをする女たちが好き。(本能)

彼女たちは彼女たち曰く「友達じゃなくて同僚」、でもはたから見ると仲良しの友達。彼女たちが自分たちの関係を「同僚」と名付けたがる意味はなんなんだろうなと考えたりした。

二人はとくに仕事の上でお互いを信頼しているから、自分たちの関係を「同僚」と呼ぶのかなと思ったりした。熱量は友達と言っても差し支えないくらいだし、お互いのことを大切に思っている。たしかに友達ではあると思う。でもただの友達じゃなくて仕事の仲間。一緒に仕事をするパートナー。信頼している戦友。だから「同僚」という言葉がいちばん先に来る。

そもそも同僚という言葉が「ビジネスライクで軽い」とはひとことも誰も定義していないもんね。辞書にも「職場で役職や地位が同じ人」という外観の情報だけが書いてある。つまり中身の重さは人それぞれ。

まぁ、もしかして、ただ単に照れからくる遊び的なものなのかもしれないけど……。

こういうひとことで言い表しにくい関係、それでも強く想いを向け合う関係がボカァすきなんだな……。


ずーっとめちゃくちゃ面白かったし感情がジェットコースターで楽しかった。
世界観がつながっている『MIU404』も勧められているので、のちのちそちらも見ます。

この記事が参加している募集

#ドラマ感想文

1,497件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?