性癖は覚醒し止まらない「過去の遍歴 5」

アルバイト先でナンパされる

大学3年の春、Sと別れ
希望していた企業の内定がとれ、後は卒論だけをどうやって楽をしていこうかと、変わらずに火曜日から日曜日、深夜までアルバイトで稼ぎながら考えていた。

大学4年になり、必要な単位はあったので、
大学には用がなければ行く事がなかった。ある夜のバイトの日、私は玄関入り口でお客を席へ案内する係をしていた。美人で品のある雰囲気の女性が入店してきた、後ろには連れの落ち着いた雰囲気の男性。後に、この男性が女性の旦那さんだと分かる。

私は2人を席へ案内だけをする係なので、席でのアテンドはしない。その日は、確か平日だったように記憶をしていて、客席は満席ではなかった。

一階と地下にフロアーがあり、私は男性客が地下がいいと言われて案内をした。

40分程して、品のある女性が地下からの階段を上がってくる様子が見えたので、恐らくトイレだろうと、女性トイレの扉に手をかけて待っていた。わたしが化粧室ですか？と尋ねると、女性はお酒に弱いのか足元がフラつき、私は咄嗟に手を差し伸べた。大丈夫ですか？と尋ねると

今日、おろしたばかりのヒールで、いい年してこんな高いヒール履いていちゃダメねと言って、私を見て微笑んだ。

そして、化粧室の扉をあけて、どうぞと手招いた。いい歳？いくつなんだろう？ニットのワンピースに黒のヒール、シンプルで素敵だけどなって考えていると、化粧室の扉が開く音がしたので、扉に手をかけようとした時に、その女性が、私を手招きした。トイレで何かあったのかと思い、いかがなさいましたか？と尋ねた。

女性は私に、今日は何時に終わるの？と聞いてきたので
トイレで何かあったのではと思っていたので、は？
と思ったが、当店は平日は朝2:00の閉店ですと答えると

女性は、笑いながら
違うわよ、、、閉店時間じゃなくて、貴方の終わる時間

私ですか？
私はアルバイトですが、閉店時間までのシフトです。

女性は、あら、、、
頑張ってよく働くのね
学生さん？

はい、私は大学4年生で、あと少ししたら
ここを辞めて就職なんです。

こんな会話をトイレの手を洗うスペースで話しながら
結局、どうしたんだ？と
なんだかわからない表情をしていたのか
女性は、また、ニコニコと笑いながら
閉店する頃に迎えに来るから、どこかで軽く
食事しない？

わたしは、トイレでナンパされた…
え、、、でも、あの、お連れの男性が、、、と言うと
女性は、少しかん高い声で笑いながら、あれは
わたしのダンナ。ダンナと飲んでてもね、全然楽しくないから、貴方のようなカッコいい若い子と飲みたいのよ。

私は生まれて初めて、かっこいいと言われた
それまでの、全くいけていないモテない思春期からは
想像もつかない言葉だった。

私は迷わず、いいですよと答えた

じゃあ、もうお会計をして、旦那を連れて帰るから
2時頃に、車で貴方を待ってるわ。
この店の前の道路にいるから、車種はベンツね、色は黒だから。じゃあねとニッコリ笑いながら、女性は階段を降りていった。