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神戸ロー、ステメン

神戸大学ロースクール
配点比率(既習)
書類審査:筆記試験

ステメン課題「法曽としての適性」
(優秀な法曽に必要となる適性や能力をどのようなものと考えるか述べた上で、それを備えているかを客観的、具体的かつ説得的に記入せよ。標準1000字程度、上限1200字)

難しいです。
法曽という職業がまず弁護士・検察官・裁判官と3者に分類される上、それぞれの職業像などは無限に考えられます。しかもそれに対する自分の現在地を示さなければいけない。おまけに1200字以内という制約付き。
手書きでマス目に記入です。改行するとその行の文字数も記入したものと扱われます。ある程度の読みにくさは覚悟して、改行は最小限にしましょう。
マトモなことは書けないと思います。法曽は3業種を一括りにして、優秀の基準は抽象的に示すのがよいでしょう。それを自分が備えているか(到達度)は具体的に記載する。客観的な資料があればなおいいと思います。
実際に自分が思い描いている優秀な法曽像を書いても、それに自分が全く対応していないという状態になりかねません。自分の経験や経歴から演繹して優秀な法曽像を作り上げるのが書きやすいです。

↓提出したもの。個人識別情報は略。

 私は法曹に求められる適正・能力として、問題発見能力・対話能力・公共の利益への奉仕能力の三点を挙げる。複雑化・高度化する現代社会では様々な問題に対処しなければならない。法曹は依頼者の具体的な状況を踏まえて適切なニーズを特定しなければ満足のいく解決は不可能である。法的知識を駆使して現代社会で生じる未知の事案に対処しなければならない。そのため問題発見能力が必要である。また、紛争解決や紛争のためには依頼者との対話を通じて問題点や知識の共有をする必要がある。依頼者は充分な法的知識を持っていないため法曹の言われるままとなり、望むような解決へと結びつかないおそれがある。よって対話能力が必要である。そして、弁護士法1条1項が「社会正義を実現」と定めていることから法曹には公共への責任がある。実質的にも法曹への信頼があって市民はトラブルに怯えることなく安心して生活を送ることができる。法曹は常に所業倫理を保持しつつ市民の権利利益の実現を追求しなければならない。それが公共の利益への奉仕能力である。
 三点の適性・能力を私が備えているか述べる。問題発見能力であるが、前提として専門的な法的知識が必要となる。私は就職後に入札業務や契約書の作成等で民法・行政法を扱うようになった。そこで私は職員向けの民法・行政法の講座を受講し知識を深めた。その後も勉強を継続し令和2年度行政書士試験に合格した。法曹に必要な法的知識には未だ到底及んでいないが法的知識を追求する姿勢という点で私は法曹への適性がある。また、私は大学時代に社会保障論のゼミで公的サービスの政策について研究した。社会保障の実現・徹底のためには当事者が司法を通じて求める機会を確保することも重要であると考え、卒業論文では『司法サービスの経済特性と制度設計―情報の経済学が示唆するもの』を執筆した。他分野から問題を見出し、解決の姿勢を示すことができた点に問題発見能力の適性・能力がある。対話能力について、私は就職二年目に(略)で環境調査結果報告を担当した。環境問題は人々の生活と結びつくため、重要な関心事である。環境法令や具体的数値を示し、読みやすい書類を準備した。論理的に矛盾のないよう報告し、区民に納得をして頂いた。この経験から対話能力において相当程度の適性・能力がある。公共の利益への奉仕能力については、私は地方公務員法30条「全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念し」た。日々の業務だけでなく、イベントにも積極的に参加し、最大限公共サービスの提供に努めた。社会正義という公共の利益の実現に資するための適性と能力は充分にある。私は貴学のカリキュラムを最大限に利用し理想の法曹像を叶え、複雑化・高度化する社会で活躍できる法曹となることを希望する。

以上(1175字)

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