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静かな秋

どうも、はじめましての方と再来の方へ、たつのこ龍次郎と申します。

突然「エッセイを書いてみよう」と思い立ち、書き始めてから4日目の人です。基本は毎日書いて、これから1年間で365個は書こうと決意しています。

たまに覗きに来てくれると嬉しがりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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部屋の掃き出し窓の外から吹き込む風が、涼しくなってきたことに驚く。少し前までは、あんなにも蒸し暑く、立ってるだけで勝手に汗が吹き出てくるぐらいだったのに。

週末、開け放った窓辺に立って外の景色を見ていると、ふと何かが足りないことに気付いた。

それは「ある音」だった。


私が住む地域は、都心から離れた場所で、住宅街と農村地が混じり合う場所だ。

家のすぐ近くには田んぼが並び、稲穂が青々と実っている。近くを歩くと、稲独特の香りがスンと鼻腔に飛び込んでくる時がある。
やがてこの稲穂は実りを大きくして頭を垂れ、田んぼの水が抜かれて、黄金の海原になる。

農家の方々の努力が形となる瞬間だ。


そして、ちょうどその頃には秋祭りが開催される。毎年10月の第一週目の土曜日と日曜日の2日間は、各地域自慢の地車が走り回り、大人も子どもも一緒になって地域の繋がりを共有する。


そうか。毎年今ごろは地車の中で鳴らす地車囃子(だんじりばやし)が、すぐ近くから聴こえてきていたのだった。


体力のある若い人たちは、朝から晩まで練習に明け暮れていて、

カンカンチキチキ♪ドンドコドン♪

と大きな音が家の中まで響いてくるのだった。


2020年2月にやってきた新型コロナウイルスの影響はどこの誰の予測をも上回るほど甚大で、人間が永らく続けてきた文化さえも途絶えさせてしまった。

今の時点で祭りの練習は無い。
つまり、祭りの本番も無いということだ。


自分は積極的に祭りに参加しない距離感でいるため、いつもなら「また始まった!」なんて思っていた。でも、それはそれ。

「その音」で季節感を満喫していたのも事実だったのだ。


今年は、とても静かな秋になりそうだ。
寂しいな。

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前置きは最小にしたかったので、最後に自分のことを少しだけ書いておきます。

人の心に触れる言葉を紡ぎたい、そんな男です。Twitterでは「書き出しだけ大賞」 「勝手に延長戦」で1年間で365のベリーショートな物語を呟いてきました。

→https://twitter.com/ttnkryujiro

ボケ通しが得意な、逆にいうと回収するのが下手くそな文章を書いてしまいがちですが、みなさんと文章力ってどうやったら上がるのか、実践踏まえてやっていきます!!

では、気にいっていただけたら、またどうぞお越しになってください。

2020.9.9(水)

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