あれ?すっごくいいんじゃない?午前十時の映画祭『ベルリン・天使の詩』
※本投稿はネタバレなし
『ベルリン・天使の詩』って映画を知ってますか?
前回、映画館でオードリー・ヘプバーン主演の『ティファニーで朝食を』を鑑賞して妻との感想の差に愕然とした話を書いた。
「午前十時の映画祭」は簡単にいうと珠玉の名作をデジタルリマスターしたものを映画館でお得に観よう!という映画好きによる企画。
地域によってグループA/Bに分かれており同じ時期でも上映作品が違う。私が今回観てきた作品はヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』だ。
無知無知野郎の私は、ヴィム・ヴェンダース監督が、第96回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされて話題になった「PERFECT DAYS(役所広司主演)」の監督であることを知らなかった。観終わってから調べて気付く……ムッチー怖いね、ぎゃふん。
その監督が今から37年前の"1987年"につくった映画なのだというから驚きの連続だった。本当に信じられない。
あらすじの通り、天使の話。
ふたりの天使が人間界を見つめている。
しかも長く長く永遠の時の中で……
まず映画の冒頭から、ベルリンの壁で分断されているドイツに生活しているさまざまな人たちが映し出される。
それぞれの頭の中で考えていることが、自分がまるで読心術を体得したかのように聴こえてくる。
これが人間の欲求を満たすような感覚で斬新なのだ。誰も喋っていないのに聴こえる不思議な映像がたまらない。
また、特筆したいのはカメラアングルだ。
天使の世界からゆえに、カメラアングルは上空から見下ろすような映像が多数ある。
空からクローズアップされるアパートの窓、部屋の外側から内側へ、部屋から部屋へ……まるで天使になりきったような視点の移動(シーンの切り替え)も絶妙な演出となっている。
CGもない37年前にいったいどうやって撮影しているのか。意識してみるとなおのこと驚くと思う。
再上映されるにあたってデジタルリマスターで4K化された映像は、映画館の大スクリーンに映っても美しく見応えがある。
また、天使の世界は白黒映像、人間世界はカラー映像であり、この演出がニクい。
とにかくこの映画の面白さはアイデアの宝庫さ。誰も観たことのないような話が展開する。
映画の中には日本人も出てくる(セリフが日本語のままでビックリした!)し、エンドロールの最後の方には「YASUJIRO」の名前が出てきて「敬愛なる小津安二郎氏へ捧ぐ」のような英語が書かれていた。ヴィム・ベンダース監督がこの頃から既に日本の小津安二郎監督を敬愛していたことをこの映画で知る……
「午前十時の映画祭」では、このあと連続で小津作品が控えている。これも企画側の粋な計らいだろう。
「宗方姉妹」、「小早川家の秋」だ。
あれだけすごいドイツの映画監督が尊敬するという小津安二郎監督の作品。海外の人が日本の良さを認識して、そのあと日本人自身が海外の人たちから日本の魅力を再発見する流れには普遍的なものがあると思う。
【あとがき】
小津作品はさすがに観ておいた方がいい気がしてした。ってか、観てみよう。
今回のご紹介で面白そうだと感じた人は是非『ベルリン・天使の詩』を観て欲しい。
そもそも『午前十時の映画祭』も良き。
映画鑑賞料金が2,000円になってから足が遠のいていた人、お手頃に手堅く「名作」を観れますよ……マジでイイ企画なのでオススメします。まずは公式ページをのぞいてみてください。
あ〜〜〜また映画を観る楽しみが増えた☆ ルンルン♪
追伸 本作の続編が『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!』6年後の1993年に制作されている。TSUTAYA DISCUSかゲオでレンタルDVDも可能!!
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