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揺れる電車、酔わない人々

今は仕事帰りの電車の中である。

オイオイオイ、もうあと二時間で日が変わるってか。(またそんな時間に書き始めてますが)

昔、若いころに車の後部座席に座りながら小説を読んだことがあった。(目的地までよろしく〜♪) という今思うとなんとも傍若無人なスタンスだ。

みるみるうちに胸が苦しくなってきてクラクラクラ。これが「恋……じゃなくって、酔う」ということかとはじめて認識したとき。

その後は本を閉じて、目を閉じてジッとしているとなんとか落ち着きを取り戻した。

普通に乗っていたら車の座席で酔うことなどないのに。揺られながら読むことが原因だと思って、それ以降はやめた。

乗るなら読むな 読むなら乗るな

だ。

それからン十年経つが、今はどうだ?

揺れる電車で、当たり前のようにスマホを開いて読んだり書いたり。胸が苦しくなることもなければ、クラリーノすることもない。

もう恋なんてしないなんてことも言わない。(あ!既婚者だからそれはマズい! マッキー、んゴメンんゴメン)

身体の衰えでセンサーが劣化してるのだろうか……

電車を乗り換えて立っていると運良く一席空いたので、焦らずゆったり「大人の貫禄」を醸し出しながら椅子取りゲームに勝った。ヨシ(←大人の貫禄いずこへ〜)

電車の窓際に進行方向に伸びるシートがふたつ向かい合っている。ひとつのシートで6人だ。

ふたつのシートに座る人々を観察すると、私も含めて全員がスマホを手に何かしている。SNSか、YouTubeか、電子書籍だろうか。全員、だ。

そのまま視線を横にスライドして隣の長いシートへ。

あ、持ってない人がいた!

ヨドバシカメラの大きな袋を抱えて寝てる女性。買い物に疲れたんですな。

その横に、膝の上に置いたノートパソコンのキーボードをひたすら入力する若きサラリーマン……お仕事ですな。ガンバレ!

向かいのシートも全スマホ。その横にはひとりだけスーツ姿で寝てるオジサン。お疲れ!

だいたい27/30人。誰もがスマホを見てるけれど、酔う人はひとりもいない。不思議。

ふと。

手にするスマホは世界に繋がっているんだと気付いたら、見え方が一変した。

そうか、みんな世界旅行してるのか。

その世界に酔ってるから、電車なんぞに酔わないのかも、とポエミーに思って地元の最寄駅のホームに降り立った。


おわり。


66日ライティングランニング

を始めて6日目です。

ようやく1/10、1割地点だ!🙌

※ご興味ある方は下記の記事冒頭箇所をお読みいただけるとスピーディです☆

#66日ライラン
#6日目
#2日前から数え間違えしてた

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