進化する時代に取り残される若い世代
投資信託を始めて10年以上になるけど、同じ職場で働く若い子(20代後半)が、今だに「投資ってやったほうが良いんですか?」みたいなことを言っていて、かなり驚いた。
インスタグラムでも結構流れているし、若い子は現実的で堅実な子が多いって聞いたから、投資は必修なのかと思っていた。
その子だけなのかと思っていたら、「私の周りにいる人で投資やってる人いないです。」と返されてさらに⁈である。
なんでだろう。
色々考えた。
だって、自分の子供でもおかしくない子がそんなこと言ってたら「将来大丈夫かな?」って心配になる。
コロナ禍で就職した世代、現在の30手前くらいの子達は、卒業式や研修も中止され本当に狭いコミュニティしか形成することができていない。
極小の「ウチら」の世界で情報が完結してしまう。
自分の周りの人たちがやってないからやらない。やらなくても大丈夫だし、別に情報を知らなくても生活に困らない。コミュニティ内の周囲の人も誰も困ってないから、新しい情報を探そうともしない。
そうして、ごく限られた小さな世界だけで生活が完結してしまう。
それで言うと、エックスやインスタグラム、ティックトックも「狭い世界」だよな、と思う。
自分と異なる意見を弾き出せる=“ブロック”することができるから、タイムラインやホームには自分が賛成し、賛同し、称賛する意見しか残らない。
そこは心地よいだろうけど、「自分とは違う意見がある、自分に反対する意見がある」っていう事実を認識しないままの生活に浸るのは危ないよな、と思う。
否定されないから自己肯定感は満たされて、満足できる。
そりゃあ、心地いいからSNS依存なんてものもできるんだろう。
こうして現実でもネットでも、限られた「ウチら」の世界で、限られた情報しか摂取できず、若いのに情報に弱いとか世間知らずとか言われる人間ができるのかな、と思う。
じゃあどうすればいいんだろう。
考えてみたけど、結局「自分でしっかり考える」以外のことは思いつかなかった。
現代では情報は、向こうからやってくる。
かつては新聞をとったり、ニュースを見なければ得られなかった情報が、自然と目に入る形になっている。
情報過多で、玉石混交だから、今度は自分たちで「考えて見分ける」作業が必要かな、と思う。
わかりやすい誇大表示とかならまだいいけど、最近のフィッシングメールとか本当に精巧に作られてるから、いまだに一瞬騙されそうになるし。
思考力を奪う情報の波に奔流されながら、事実と虚実を見分けるために常に考えて生活しなきゃいけない現代は大変だな、と改めて感じた。