瞬きの度初恋をして抱き合う度に初夜を迎える
深夜より早朝、この時間の着信に碌なことはない。
況してや、末尾が110。
終わってる。
昔の知り合いホスで発狂、担当と自らの顔面を割った黒のアルマンドで、とか、ガチ異世界転生かよ卍乙、俺は今から最低時給で働かなあかんのです、もやしすら値上げッスよ、ぢっと手を見る、また赤い、ウゼェな。
赤さ阿賀座石田彰最強、紅尊い、おまぃら選べたらしいなランドセル、赤い赤い赤い、イラつく、パトランプかよ、黒い塊ごと流す真紅の液体、座った時はパワーちゃんの真似をした、大で流す、ガチダリィな。
鬼にも悪魔にも天使にもなれねぇな、なさすぎるからチタンのサイを今日も振っては探す最高評価の俺、うっせぇわ、生きろ生きろって、生きてんだろが、見えねぇんか、こんなにも生きてんだろが。
唯一割れず残った脱衣所の鏡の前で伺い、なんなら写真を撮る。体脂肪率が異常。育たない筋肉。努力不足と過食過飲。誘われて入ったスクールもサークルも一回飲み会に行ってそれから行かなくなった。業?ただ、逃げた。
14ん時初めて唯一褒められたことに固執してる。
初めてセンターだったことを忘れられないでいる。
いちばん醜くかった私が吐き寝ることを捨て得られるはずの金を失ってもただ14歳の女の子のまま、全力を尽くしただ一回評価されてしまったことに。
それから30年、それを超えるものを得られなかったことに。
毎回風呂に入ろうと脱衣所に向かう度に思い知らされて、全裸になり冷水と熱湯を交互うなじに当てては思う。どないしたったらえぇねんな、助けてぇな。
もう顔も鮮明に思い出せないたぶん実の両親のことを自慰みたいに思い返す。
年齢を重ねる度に私の外見はやたらたぶん実の父に似てきた、特に曲線、彼は低身長高音事業が失敗するまでは長髪でよく女性に間違われていた。そして、やたら歌い文章を書く人で今読めない彼のブログは執拗で軽く拘っては見放して無意味で淡白で、逢えなくなってから知った彼の文章が素晴らしく歌う以外に語らなかったことが更に憎しみを増した。
声、趣味嗜好、生活習慣、態度、体形はたぶん実の母そのものに近くなりつつある。高身長髪色素、何より美貌、しかし母は100㌔を優に超え、常に酔い最後に交わした言葉は赤らんだ目で繰る聖書の引用に過ぎなかった。
これからだ、こっからだ、と泡立てる。
大丈夫、まだまだだって、シャワーを浴びる。
自分を可哀想に脚色して、動かないことできないことを正当化して、それでもパルムを頬張る。
そんな私と、私は死ぬまで
愛し愛されて生きるのさ。
他人に漬け入るスキさえないのさ。
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