見出し画像

サーモンパーティが楽しすぎた

7/2-7/31までの30日間、勝手に「エブリデイサーモンチャレンジ」と銘打って毎日サーモンを食べていた。
ちなみにこの間、「なんで毎日サーモン食べてるの?」と何度か聞かれ、その度にそれっぽく答えていたが、本当は自分でもよく分からない。
仕事上、サーモンという魚やマーケットについて知りたかったというのはあるが、それは後付けの理由。
登る理由は「そこに山があるからだ」というアルピニストの気持ちがよく分かった。

なぜかネイルも今、サーモンだ。何が私を駆り立てるのかは分からない。

さて、そのエブリデイサーモンチャレンジのスピンオフ企画として、先日知人とサーモンパーティを開催した。

魚屋さんで買った銀鮭(チリ産)とコンビニで買ったサラダサーモンが主役だ。
参加者それぞれサーモンに合いそうなレシピを考える。

どれも想像するだけで美味しそうだ。
ここにそれぞれの感想をまとめる。

まずは前菜。


エントリーナンバー1!!! 鮭ブルスケッタ ~気まぐれデラウェアを添えて~ !!!

これは普段サラダサーモンを食べていて「固いパンと合うだろう」と踏んでいた私の渾身の作品。満を辞して固いパンと合わせてみた。
生にんにくをバケットに擦りつけるという工程がプロっぽくてドヤ顔チャンスだ。

<作り方>
1. ミニトマトの水をよく切って4つくらいに切る
2. バジルも水をよく切って細かく刻む
3. 1と2、オリーブオイルと塩、胡椒をあえる(気まぐれで剥いたデラウェアも)
4. スライスしたバケットをトーストする
5. 4にオリーブオイルを薄く塗る
6. 5に生のにんにくを切って断面を作り、バケットに擦り付けて香りづけする
7. 6にちぎったサラダサーモンを載せ、その上から3をたっぷり載せる

お土産に持ってきたデラウェアをぽいぽい食べながら作っていたのだが、ふと「これも一緒にあわせたらおしゃれデリっぽくね…?」という下心が湧いたので混ぜてみた。
混ぜた結果、思わぬ検証結果が得られた。

最終成果物、決しておしゃれデリっぽくはならなかったが、それはとても美味しかった。ニンニクの香りとトマトの酸味、そこにサーモンの旨味がマッチした。
会場の反応も良かった。「やっぱ固いパン合うわ」と確証も得られ、検証は大成功だ。

しかし私はこの検証を通して別の衝撃の事実にたどり着いてしまったのだった…それは、、、

「デラウェア、剥いてから食べると旨くない」。

一度、騙されたと思ってやってみてほしい。きっと「騙された〜」と思うだろう。
普通小粒なぶどうを口に含む時、皮と一緒に口に入れてぴゅっと中身を口内に絞り出すだろう。
今回デラウェアをレシピに使うため、面倒だったがまず皮を剥いた。
そしてレシピで使わなかった分をそのまま食べたのだ。
するとどうだろう、デラウェア特有の甘い香りが抜けた、酸味と水分があるだけの何かに変わり果てたのだ。
あんなに美味しいデラウェアが。
世の中の、爺やにデラウェアの皮を剥いてもらっているお嬢様は、デラウェアの本当の美味しさを知らないのだ…!!爺やのいない家庭で育って本当に良かった。

可哀想なお嬢様・・・


そんな感慨もつかの間、会場には早くも今回一番の期待を背負ったスターの登場だ。

エントリーナンバー2!!!!! サーモンチーズフライ!!!!

お料理上手の知人のオリジナル作品だ。
切り身を開いてとろけるチーズを大葉と共にサンドして、衣をつけて揚げた。


そして極め付けはみんな大好き、タルタルソースだ。彼がゆで卵を刻み始め、それが後に成すものを悟った時。会場からは悲鳴にも似た歓喜の声があがった。
タルタル・ソース!タルタル・ソース!
作ってる途中から、絶対美味いと分かるやつだ。ずるい。

ビールと箸を握り、憧憬の眼差しで今か今かと揚がるのを待つ。
黄金色の揚がったそれに包丁を入れる。さくっ、さくっ。


ビールを一口飲んでから、一切れのフライにタルタルをたっぷりのせて、一口でほうばる。
うま〜〜〜〜〜〜い!!!!
チーズのクリーミーさと大葉の香り、鮭の絶妙なホクホク感と旨味をサクサクが包み込む… 
そしてタルタルソースの酸味と食感…!
幸せが身体中を駆け巡り、身悶えする。
これは世界を平和にするやつや。ジョンレノンもびっくりのピースフル・サーモン。
揚げ物ができるお宅では、ぜひやってみてほしい。

ビールが進んだのでこの勢いを、さらに加速したい。
お酒のお供だ、

エントリーナンバー3!!!! サーモンとゆで卵の燻製!!!!

事あるごとにすぐに何かを燻したがる、燻しフェチの知人の作品。
鮭をグリルで焼いて、ゆで卵と一緒に燻製器を使って桜チップで燻した。

これも食べる前から絶対にうまいと決まってるやつだ。

そして、案の定うまい。
余談だが、案の定うまい時ほど「案の定」が幸せなことは無いのではないだろうか。
食べたい味があるときに、それとマッチする期待の味のものが食べられた時。こんな幸せがあるか?という気持ちになる。
燻製鮭とゆで卵はそんな味だ。
鮭とゆで卵を燻した味。絶対に美味しいでしょう。
口の中がホクホクするので、マヨネーズをちょっとつけて食べると、油分が足されてちょうど良い。
これもビールが進むのである。ぐびり。

まったりしてきたところで、今回のダークホースの登場である。

エントリーナンバー4!!!! 鯖ナムル!!!!

読者の皆様は、なぜここにきて鯖、サーモンじゃないの?と思ったかもしれない。私も今書いていて思った。
ただ、鯖は鯖でも、この鯖はサラダサーモンと一緒にコンビニに並んでいる、「サラダフィッシュ さば」なのだ。
普段気になってたので、この機会に紛れ込ませてみたのだ。

これで小粋な小鉢をこしらえたい。
その相方に名乗りをあげたのは、これだ。

これは八百屋さんで見つけた、キムチ味のもやし(90円)だ。
スーパーで似たようなのが売ってるのを見たことがある気がするが、食べたことはない。
旨いのか分からないが、この際、新モノついでにチャレンジだ。
鯖を細かく裂いたものをキムチとあえて、彩にかいわれ大根を乗せた。

これは味の想像が全くできず、一口目を恐る恐る、食べてみる。

うん、悪くない。
2口、3口と食べているとだんだん慣れてきて、あと引く美味さがある。
キムチもやしは、酸味がある。その酸味と鯖の香りが合うのだ。
あがった感想は、「なんか給食みたいな味」。
分かる。なんだろう、この給食感。
32人分が入る銀色の食管から、でかいおたまでマスクの同級生が不器用に取り分けたような味。
この鯖ナムルのどの要素がそう感じさせるのか私には説明できない。
だが会場は不思議とノスタルジックな一体感に包まれていた…。

ちなみに、このキムチもやしがどんな手順で梱包されているのかという熱い議論も生まれた。左右を金具で止めてあって、中には少量の液体とともにもやしがぎゅうぎゅうに入っている。梱包から出すともやしの体積は倍くらいにはなった。
ソーセージのように、あらかじめ長い棒状に中身が詰まってる状態で、金具を閉じていくのでは?
いや、それだと金具にもやしが挟まるだろう、
それでは、片方を金具で閉じて、袋のようにした上で具材を入れて、もう片方を閉じている?
しかし、果たしてその方法でこのようにみちみちに中身を詰める事ができるのだろうか?…
調べてみると、この形の梱包のことを「ロケット」と言うようだ。
なんとなく最後の案に近い方法で梱包されていそうだと言うことが分かったが、その具体的な方法はまだベールに包まれている。
工場見学したいものだ。

熱い議論と多くの感動を呼んだこの会もフィナーレに近づいている。

エントリーナンバー5!!!! サーモンとレモンのモンモン冷製パスタ!!!!

暑い夏にぴったりの一品だ。
薄切りにした玉ねぎ、レモンとほぐしたサーモン、かいわれ大根を、茹でて冷ましたパスタと和え、塩胡椒とオリーブオイルでシンプルに味付けした。
レモンの酸味とかいわれの辛みの中にサーモンの旨味が見え隠れする大人の味。
さわやかで、するする箸が進む。
ここまでですでに結構な量食べたけど、進んじゃうのだ。

また余談だが、今回ちょくちょく登場するかいわれ、

ご近所の八百屋さんで、この量(スーパーで売ってる普通のパック16個分)で、200円くらいだった。信じられない。
どんな仕組みなのだろう。


さて、一旦おなかもいっぱいになり、ゆっくりお酒を交わしながら、談笑タイム。
本日の感想や「ロケットもやし」についての議論に花が咲く。
お酒も進み、またちょっと小腹が空いてきたな…という頃。
トントントントン… ん?なにやら、またお料理上手の彼が台所でごそごそやってるではないか。
そして出ました。

本日のグランドフィナーレを飾るのは、

エントリーナンバー6!!!! さけたらこご飯 ~血は繋がっていなくても心は家族~ と赤出汁!!!!

くぅう〜〜、甘辛く煮た椎茸と錦糸卵が塩気のある鮭と明太子をそっと優しく包み込み、海苔・ネギ・ごまの薬味陣が味をうまい具合にまとめる〜〜

なんてハートフルなのだろう。
鮭と明太子。彼らはそう、本当の親子じゃない。
反抗期の明太子は少しピリッとしている。父なる鮭はそんな血の繋がらない息子にどう接していいか分からずにいる。
そんな2人を、暖かく見守り絶妙なタイミングで助け舟を出す母、椎茸。そして持ち前の天真爛漫さで空気を明るくする妹、錦糸卵。
家族を取り囲むのは、ご近所の個性あふれる海苔さん、ネギさん、そして愉快なごま叔母さん。
彼らが織りなす日常は、ありふれているけれども、愛に溢れていて、現代社会に生きる私たちが忘れていたことを思い出させてくれる…。

そんなハートフルご飯。最高のバランス、ワンダフル。
お腹いっぱいだろう、と気を利かせて小盛りにしてくれた慎ましい佇まいもいじらしい。
しかし実際はもっと食べれた。美味すぎた。

そこに来て赤出汁だ。
最高、最&高。パーフェクト。キマった・・・・。

まとめ

サーモンパーティ、楽しすぎた。
サーモンの無限の可能性の一部を今回垣間見ることができた。
ぜひまたやりたい。

そして今度は別の魚でもやってみたい。
鯛?ブリ?シマアジ?マグロ?… 夢は広がる。

魚は、豊かだ。
サーモンだけでも種類が色々あるし、特に日本では本当にいろんな種類の魚が食卓に並ぶ。
それぞれの美味しい食べ方で、味わい尽くしたいものだ。

ちなみにTOP画像はお料理上手の彼の家にたまたまあった箸置き。
今回の会の趣旨がストレートに表現されている。ワンダフル。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?