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ノカノ歌 葉月の俳句・後半

野分立つ蛾も軒先で雨宿り
 台風がくるという朝に、屋根のあるとこに避難してた蛾を見て。

台風過濁ったままの河流る
 台風が去って空は晴れているけど河はまだ濁ってますねえというそのまんまの内容ながら、深読みしようと思えばできそうな句。

トンネルに我の足音秋の夜
 誰もいなーい。

秋時雨ばらりばらりと坂を打つ
 粒の大きい雨の様子。

秋曇鴉が六羽帰る山
 西の山のほうへ鴉が飛んでいく。三つ四つ、二つ三つなど飛びいそぐさへあはれなりと言いますが、もうちょい飛んでました。あはれなり。

早すぎた芙蓉は蕾落としけり
 厳しすぎる残暑のせいか、芙蓉が咲く前に蕾を落としておりました。

風抜ける残暑の丘はまだ温し
 暑いが!?

足先の靴擦れ残る初秋よ
 サンダルの靴擦れがまだ残っているなあ。

コスモスのこぼれて生えるしなやかさ
 金網の外側にひょこっと咲いた、こぼれ種のコスモスたち。たおやかな見た目と裏腹に、たくましいもので。

秋暑し野球少年再試合
 バットを背負った少年がね、意気揚々と歩いていたよ。

水筒の氷カラカラ秋の朝
 水筒に入れた氷は、出かける頃にはもう溶けていたりしたけれど、この日は通勤中にまだ鳴っていた。少しは涼しくなったらしい。

チョココロネ逆さまに浮く秋の空
 もこもこした雲がチョココロネみたいだなって……。

台風やピョンと飛び越す水たまり
 大雨で通路に水たまりができており、避けて歩くこともできなかったのでぴょんっとね。なかなかこの年でぴょんっと跳ぶことないよね。

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