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ノカノ歌・長月の俳句

秋曇鴉クールに滑空す
 なんか、鴉がさーっと滑空しててかっこよかったなって。

秋雨や我のためかと訊く娘
 前後は全然わからないんだけど、十代くらいの少女が同年代の少年に「それってあたしのため?」みたいなことを聞いてる瞬間にすれ違ってエモかった。

雨に濡れ若いもみじは紅を差す
 もみじが濡れて濃い色になっているなあというのを詠んだ。擬人化はあんまり好かれないらしいけどたまにはいいじゃん。 

白龍は秋夕焼に茜色
 長く白い雲が夕焼の色に染まっていたよ。

ギンヤンマ姿態見せつけUターン
 とんぼが一瞬滞空して方向転換するのが、何かアピールされているように感じたので。

コーナーを攻めて蔦の葉揺らす人
 電車に遅れそうだったのか、曲がり角をギリギリで曲がるサラリーマンがいたよ。

秋高し選んだシャツは母好み
 何度か似たようなのを詠んでる気はするんだけど、気がつけば母が好きそうな服を自分も好んでるんだよね。

風吹きて残る暑さも消える夕
 本当に消えますかね。

秋の朝くじらのぬいは迎え待ち
 落とし物であろうくじらのマスコットがぽんと置かれていた様子。「ぬい」は俳句に詠まれないだろうなあ。句会に提出したら絶対突っ込まれそう。

猫耳を生やした雲や秋の暮
 小さな△が両端にある雲があったよ。

見つけたい小さい秋より大きいの
 暑いんじゃ。

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