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ノカノ歌 葉月の俳句

鉄の竜朝の猛暑に項垂れる
 工事開始を待つクレーンが暑さに参ってるように見えた朝。

夏いちご摘まれることのないままに
 知らない人のお庭にあるプランターで、忘れられたいちごが干からびていくのを日々見ていた。

こいぬ座のゆらめきを手に夏の午後
 こいぬ座はは冬の星座だけども、「プロシオン」という、こいぬ座の一等星プロキオンを元ネタにした万年筆を使っている様子を詠みたかったので。ゆらめきはセーラーのインク「ゆらめく」です。しかも「凍空」だから完全に冬の構成なんだけど、季節は夏です。

八月や薄い味噌汁飲んでゐる
 減塩味噌汁のインスタントだから薄いと言えば薄いんだけど、ずっと飲んでいるのに薄いと感じたことはなくて、暑すぎて塩分が足りなくなってるんだなあというのを詠みました。

百日紅日に日に褪せていくを見る
 毎日通う道で目にするサルスベリの様子。「日」を敢えて重ねてみたけど読みづらいな。

行く夏や階段に蝉の羽根の落つ
 見たままです。夏も終わるな……(気温は30度超えが続く)。

稲光きみの町では大雨か
 ここから秋。遠くの雲が光っている。こちらは降っていないけど、そちらは大変そう。気をつけてね。

叶わない願い抱えて星流る
 ペルセウス座流星群。ちょっとエモに振った。

初秋や雨の気配の昼下がり
 台風の気配がしていた日。

雲だけがひと足先に秋模様
 空だけは秋ですね(気温は30度超えが続く)。

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