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ノカノ歌 睦月の俳句

初御空夜明けに鳥の低く啼く

 元日の朝に目を覚まし、そろそろ初日の出の時間だな、起きようかな、と悩むベッドのなかで聞いた鳥の声。

初茜ビルの白壁染めてゐる

 東の窓から見える景色はそんなに開けていないが、高い建物の白い壁が染まっていくのは美しかった。

新春や母の写真に報告す

 正月の顔出しに、実家へ。おととしの年末に逝った母に、近況を伝えた。

羊羹がひとり織りなす福笑い

 封を切ったら顔があった!

曇り空どこからか焚き火のにおい

 実家からの帰り道。新年の清浄さのなかに香った煙が印象的だった。

初春や推しが目の前の良席

 最前列で推しを見てきました。

凍る朝猫とストーブの取り合い

 首振りストーブの左半分は猫のもの、右半分は私のもの。

枯葉踏む靴音が呼ぶ幼き日

 大人になるとわざわざ枯れ葉を踏みに行くことはないけれど、たまたま踏んだときの感触は何だか懐かしい。


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