初心者のソロ連句遊び②(歌仙・後半)
初心者のソロ連歌遊び(半歌仙)|noca (note.com)
こちらの続きです。
とりあえず手探りでいいから最後まで巻いてみよう! というソロ企画です。
慣れた方々からすればあれこれ間違ってるとか足りないとかがあるとは思いますが、初心者がはしゃいで遊んでるなあと優しく見守っていただければ幸い。
参考:やまぐち連句会様
http://www.local.co.jp/renku/1.html
(名残の表)
草餅を食べ終えた指みどり色
ウェットティッシュは常備している
もはや根付いたアルコール消毒
琥珀色のグラスから立つ香り
積雪がほのかに部屋を照らす夜
鍋焼囲み家族と笑ふ
故郷までの道のりは五時間
改札を走り抜け恋し人抱く
横たわるベッドは髪と同じ香り
小さな音で聞く気に入りの曲
虫の声月が見ているコンサート
明けに映るは粧いし山
(名残の裏)
通り過ぎちらり眺める紅葉狩り
巡りたい場所に○印
誰かの落とした栞を拾う
日にかざす指の間に風光る
初桜見つけ取り出したるスマホ
花の思い出君に届けん
歌意・作意
名残の表
一 春の句 独自
草餅を食べ終えた指みどり色
前句の「春の虹から零れた滴」を受けて、緑色の草餅が虹から零れたことにしました。
二 無季雑 独自
ウェットティッシュは常備している
指が汚れたので拭こう。
三 無季雑 独自
もはや根付いたアルコール消毒
店頭に消毒液があるのも、やるのもやらないのも自由で当たり前になりましたね。
四 無季雑 独自
琥珀色のグラスから立つ香り
アルコール消毒と言えば飲酒。わたくし最近ウイスキーをたしなむようになりました。
五 冬の句 季節を詠む
積雪がほのかに部屋を照らす夜
飲むのはやっぱり夜かなー。夜の雪って明るいですよね。
六 冬か雑 季節が続くと望ましい
鍋焼囲み家族と笑ふ
外は寒くて静かだけど、なかは温かくて賑やかです。
七 無季雑 独自 どこかで濃厚な恋句を二句続ける
故郷までの道のりは五時間
家族のいる故郷へ。乗り継ぎもあんまりよくないかも。
八 無季雑 独自 どこかで濃厚な恋句を二句続ける
改札を走り抜け恋し人抱く
故郷の恋人と再会。五時間長かったー。
九 無季雑 独自 どこかで濃厚な恋句を二句続ける
横たわるベッドは髪と同じ香り
きっと久しぶりの匂いでしょうね。
十 無季雑 独自 どこかで濃厚な恋句を二句続ける
小さな音で聞く気に入りの曲
「恋」の流れから分かれてにお気に入りの曲を寝入りばなに聴いてるっていうニュアンスのつもり。でも恋の続きにも見えるから、もっと離れたほうがよかったかな。
十一 秋の月の句 以前の秋の月と同趣同景に「ならないように」
虫の声月が見ているコンサート
虫の声っていいよね。人気のない草原を想像。
十二 秋の句 以前の秋と同趣同景に「ならないように」
明けに映るは粧いし山
月が沈み、夜が明けると、そこには紅葉した山の姿。
名残の裏
一 秋の句 考え込まず軽く穏やかにテンポよく
通り過ぎちらり眺める紅葉狩り
忙しいんでしょう、色づいた樹木を眺めるだけでも紅葉狩りってことでいいよね。
二 無季雑 テンポよく穏やかに
巡りたい場所に○印
観光地で紅葉狩り。あっちもこっちも行きたくて困っちゃう。
三 無季雑 テンポよく穏やかに
誰かの落とした栞を拾う
やっぱりその「誰か」もガイドブックを持っていたのかな。
四 雑か春の句 テンポよく穏やかに
日にかざす指の間に風光る
日にかざしたくなるような栞だったのでしょう。栞と風がきらきらと。
五 春の花の句 以前の花の句と同趣同景に「ならないように」
初桜見つけ取り出したるスマホ
見上げたらほころんだ桜を発見。写真写真。
挙げ句 春の句
花の思い出君に届けん
「咲いてたよ!」SHEREボタン。
楽しく駆け抜けてからあれこれルールを読み直すと、もっと詠むべき題材があったのでは……という気持ちに。
何より、ひとりでやると「思いがけない転じ」には絶対出会えないのがつまらんですね。転じる練習にはなるけど、見返すと名残の裏の部分なんて弱い転換しかできてないよね。風景つながっちゃってるもん。
などと反省点も多々ありますが、やってみて楽しかったのでいいことにします。
おつき合いありがとうございました。
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