«1995» (13)
僕が上智大学に行くと決めて暫くした頃、高校の保護者会で、西條(仮名)という同級生のご母堂が、僕の母に聞こえるような声で
「普通慶応受かったら慶応行くわよねぇ」
とおっしゃっていたという。
よその子の進学先を批評なさるのは勝手といえば勝手だけれど、手前の倅は受けた大学が早々に全滅し、更には翌年も全滅、すなわち二浪の憂き目に遭うのであった……
僕の母校には、妙なプライドで妙なマウンティングを試みる親を時々見かけたものだが、少なくとも自分の息子が僕と同じ大学に受からなければ、プラ