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新型コロナウィルスに対するイベントの開催の検討

大型の展示会やスポーツやコンサートの中止など、新型コロナウィルスの影響が広まるなか、イベント業界にも少しずつ影響が広がり始めています。
東日本大震災直後のイベントの開催中止の時を強く思い出させる潮流になりつつあり、イベント業界の経済の影響が忍び寄ってきているのを感じます。

・海外からの講演者やVIPが来日を避けたため参加できず、やむを得ず開催を中止した
・スポンサーや大型の出展社が、不参加となり、収支の面から中止した
先週末まではこうした理由によるものでしたが、大手企業の在宅勤務への切り替えなどもあり、今週、少し様相が変わってきました。
弊社でも開催の延期や中止、規模の縮小やライブ配信への切り替えなどの対応が急に増えてきました。

上記の中止・延期の理由以外に、やはり主催者としての責任を考慮してのものが増えてきました。
・イベントの開催により、そのイベントが原因で感染が拡大することを危惧
・大勢が集まることでの感染拡大を避けるため

苦渋の選択でキャンセルとなった場合は、以下の対応が求められます。
まずは支出面の整理・キャンセルポリシーの確認
・会場費ならびに会場関連費
・機材や什器
・上記に伴う技術者
・施工物
・印刷やバッジなどの制作物
・講演者や司会者
・スタッフ
・ソフトに関わるもの(企画や打ち合わせに要した手数料など)
・交通費や宿泊費
さらに重要などは収入面の整理
・参加費
・スポンサー費や出展料

参加費を払い戻す場合は、レジストレーションのシステムで解決できる場合が多いと思いますが、それぞれのチケットサービスのフローを確認ください。
その場合の注意点は、
・一刻も早く参加予定者に連絡をすること(遠距離からの参加者も考慮)
・キャンセルの理由の明記
・延期なのか中止なのかを明確に
 (現状、延期時期を決定できないと思うので、いつくらいに判断をするのかを知らせることも重要)
特に、参加する予定だった来場予定者の名簿は、キャンセルを決めたあとでも一番重要な財産なはずです。次回開催がなくても、このリストのために開催を予定したイベントやセミナーも多いはず。

中止決定をするのではなく、下記の対応で実施しているケースもあります。
・懇親会や飲食の提供の取りやめ
・ドリンクの提供はすべてペットボトルでの提供(サスティナブルの観点からは逆行しますが)
・運営スタッフのマスク着用への理解
・入口付近での消毒液の設置
・サーモグラフィや非接触体温計の対応
などなど

また弊社でもすでに経験した例では、「LIVE配信に切り替える」という選択です。
直前でキャンセルした場合は、前出のような会場費や人件費は、ほぼ100%のキャンセル対応となるため、中止の場合はすべて支出のみが残ってしまいます。
入場料を徴収しているイベントの場合、参加者の来場を取りやめても、その代わりに限定公開でのLIVE配信を行うことで、参加費の払い戻しをしないで済みます。もちろん希望に応じて、LIVE配信では納得できない参加者には払い戻す必要はありますが、収入の確保がある程度できるはずです。
また用意していたステージの造作やAV・照明なども、多少の見直しや縮小は必要であっても、中継用に活用出来ます。
折角、企画しコンテンツを練り上げ、講演者にお願いをしたセミナーであれば、無観客(一部、プレスのみ公開という選択もあり)であっても、配信することでアーカイブとして残すことも可能です。
また展示会においてもバーチャル展示会としてVR技術も活用できそうです。
こうしたイベント×テクノロジーを活用することで、イベントで解決したかったことが少しでも実現できる方法を探ることも重要だと感じます。

最後に、実施することも重大な選択のひとつだということをお忘れなく。また実施を英断された主催者を非難するのではなく応援する世の中であって欲しいです。

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