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ツイキャスのゆるさについて

朧げな記憶だが、2018年から2020年までツイキャスが隆盛を誇っていたと思う。つまりスペースのサービス開始前だ。ツイキャス銀座というものが夜な夜な開かれていた。自分は個人事業主として小さな小さな版元の編集者ではあるが、いまの人間関係はツイキャスで築いたものが少なくない。スペースになくて、ツイキャスにあるもの、それは「匿名性」と「ゆるさ」だろう。ご存じのようにスペースはアカウントがすべて表示される。裏技で身バレしない視聴方法もあるとはいえ、基本的には記名性なのだ。加えてスペースは厳しく、ツイキャスは緩いと思う。なぜスペースはきついのか。私見ではスペースの排他性である。ツイキャスは匿名性の高い媒体なので、コミュニティの障壁がほとんどない。対してスペースは「界隈」の排他性が露骨に表出されはしまいか。むろんツイキャスのコメントやコラボで喧嘩はあったが、ツイキャスとスペースで意見衝突が起こることは稀だろう。問題はスペース特有の「空気」による排除であり、ツイキャス独特のゆるさは配信者の自由な息遣いと共に排除の「空気」を緩和させていた。
さて、いまのツイッターには新機能としてライブが実装されている。2020年7月からのPeriscope(ペリスコープ=屈曲光学式)でのライブ配信は2021年3月でサービス終了。2021年7月からOBS(エンコーダー=アナログをデジタルへ変換する装置)のライブ放送サービス開始(付け焼刃の知識なので説明不足あるかと)。自分は2023年3月9日(不確定)からライブを始めたと思う。同年3月15日に大腸内視鏡検査を受けた。結果は異常なしだったが、おそらく検査前のストレス(食事制限など)からライブに取りかかったのだろう。自分事とはいえ憶測の域を出ないけど。ライブの視聴は参加表明しない限り匿名が守られる(放送主の自分が認識していないだけの可能性も)。コメント機能もありツイキャスとの親和性が高い。現時点でライブ放送しているツイッタラーは少ない。ギガの負担があり、ストレージや通信料の懸念があるのが広まらない要因か。
以上、ツイキャスのゆるさを語るつもりが情報羅列的な文章になってしまった。ともかくコスパやタイパ、宣伝や紹介という商業中心の2020年代の価値観から2010年代末から2020年代初頭のツイキャスは対抗文化として見直されるべきだろう。そしてライブ放送はツイキャスの代替に成り得るのか。実践を通じ検証していきたい。

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