序文(下書き1)

マジカント4号 都市/革命

沖鳥 灯


いまコミュニティは劇化する


 本サークル「メルキド出版」は、2004年3月に結成され、同年7月に「メルキド」(2004-2014)を創刊した。当初は岐阜の友人と私の二人で作っており、2005年3号から実兄が編集に加わった。以降、6号まで外部の書き手は参加していない。7号はmixiで出会った西井氏との対談を掲載した。8号は西井氏と私が所属していたイメージフォーラム付属研究所同期生(1998年卒)次松氏の短篇を載せた。引き続き9号で西井氏に短篇で参加していただくも「メルキド」は10号で終刊となった。それから3年後、新創刊した冊子が本誌「マジカント」(2017-)である。創刊号と2号では、Pさん氏とhaikaino氏にご協力を願った。3号では幸村燕氏、ナナシイ氏などより多くの書き手が集まった。4号は企画の段階ではリニューアルして「芸術運動」という誌名だった。しかしせっかく創刊した冊子のナンバリングをできるだけ継続させようと改称した。今後は隔年で刊行する予定だ。詩と短篇の一次創作を編集方針とする。
 さて、今号は「都市/革命」というサブタイトルを付した。これは本サークルが外部との連携を強めるきっかけとなった早稲田大学の文芸サークル「山猫文学会」の部誌の体裁を借用させていただいたものである。私が2018年5月の文学フリマ東京で購入したこの部誌は「縦/横」というサブタイトルだった。その中の環原望氏「賭博者たちの部屋」、金村亜久里氏「透明」、胆鼠海静氏「探索」を読んだことによりメルキド出版のこれまでの3年間の活動が決定づけられたといっても過言ではない。翌年の2019年5月には環原氏「はじまりの時への幻視」を、続いて2020年4月に金村氏「獣・透明」を刊行した。そして同年5月の「マジカント3号」で胆鼠氏「グロテスク・グロテスク・ダライアンス」を収録した。ちなみに環原氏作品集の装画は山猫文学会の長岡銀市氏であった。
 だが残念なことに山猫文学会はコロナ禍のあおりを受けて現在において活動休止している。2022年5月刊行予定の本誌には先に挙げた方々では金村氏が参加することになっている。また詩で参加予定の雨澤佑太郎氏も山猫文学会のメンバーだった。本サークルのレーベル「次なる宇宙のために」では雨澤氏の詩集「晩年はいつも水辺にあって」を2020年に刊行した。
 本誌の暫定メンバーは11名である。
 

  


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