日記(11/9)

 先月末、名古屋のシマウマ書房で『PLANETS SPECIAL 2010』を100円で購入した。特集は「ゼロ年代のすべて」。宮台真司×東浩紀×宇野常寛の「ポスト・ゼロ年代の「政治と文学」」という鼎談に始まり、脚本家の大森美香とアニメーション監督の谷口悟朗のインタビューや、漫画、映画、ドラマ、アニメ、ゲーム、小説、音楽を取り上げる「ゼロ年代カルチャー総括座談会」、また小特集で、お笑い、美術、演劇を扱う。奥付のスタッフ募集で「同人業界、ブログ論壇で目立ちたい人ではなく、雑誌作りに興味のある人を希望します」には笑った。編集長・宇野の編集後記での「ゼロ年代もまた豊かな時代であったに違いない」の言葉に、この時代に情熱をもって作られた雑誌であることが伝わった。なかでも舞城王太郎と阿部和重への宇野の言及に惹かれた。舞城の小説の舞台である福井県西暁町と阿部の山形県東根市神町。西暁町はフィクションだと思う。宇野はこれに東浩紀の「一回性の愛」や「広告都市・渋谷」を絡めてエレガントに論じている。相変わらず鼻につく文体ではあるが十年経っても一考に値すると思う。昨日は舞城の「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」を読んでいた。『スクールアタック・シンドローム』(新潮文庫)収録の90頁ほどの書き下ろし短篇。半分ほどで力尽きた。乃木坂46でしばし踊り、夕飯を食べ、横になっていたら深夜になってしまった。舞城の福井、阿部の山形、そして芥川の東京でなにか書けないかと思いながらこの2、3日無為に過ごした。明日は懐中電灯の電池を買いに行く。中日夕刊も。両替もしよう。生活はつづく。そして人生は……

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