村積日記(5)
2021年2月23日
昨日は早起きして『花束みたいな恋をした』(2021、リトルモア)を観た。これはたまたま書店でノベライズを立ち読みしたとき「舞城王太郎」という固有名が目に飛び込んできて興味を持った。脚本の坂元裕二は『トライアングル』(2009、フジテレビ)の人かと思っていたらそれは水橋文美江の脚本だった。坂元の作品でいちばん好きなのは『あなたの隣に誰かいる』(2003、フジテレビ)だろうか。この話題は今月の『かか』読書会でも話してみたい。映画の登場人物がミレニアム世代なので1999年生まれの宇佐見りんとの関連がありそうだ。「萌え」や「推し」といったオタクカルチャーとの接点もある。サブカルチャー、ポップカルチャーの再定義の話などができたらいいが冗長になるかもしれない。
さて、映画の前には書店に寄った。事前の算段では漱石の新潮文庫『道草』『虞美人草』の予定だった。しかし結果は、中公文庫『戦後と私・神話の克服』(江藤淳)と『天使が見たもの』(阿部昭)、そして講談社文芸文庫『折口信夫天皇論集』だった。
帰宅して野菜スープと肉団子を食べた。それからフォロイーの文学&ゲームキャスを聴いたあと仮眠して、短篇読書会の円城塔『文字渦』と関連作の中島敦『文字禍』を読み、5月創刊の同人誌のために『ユリイカ』を読んだ。併せてラリイ・マキャフリイ『アヴァン・ポップ』とダグラス・クープランド『ジェネレーションX』を再検討したいがアメリカのサブカルチャーやポストモダンまで射程に入れるのは難しそう。とりあえずは松岡正剛『サブカルズ』に留めるのが妥当か。
いろいろと準備やイベントがあった2月がもうすぐ終わる。そんな中なんとか短篇をひとつ書き上げられたのはよかった。しばらく小説は書きたくない。家の仕事もひとつ片がついた。
これから風呂に入ってちゃんと寝て今晩の読書会に臨もうと思う。
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