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週末のBloombergより

◆急激な利上げの後の景気減速に伴う目先のインフレ低下というサイクル的側面と、グローバル化の逆流やグリーンフレーションによる長期的インフレ押上げという長期トレンド的側面の見極めが重要になりつつある。

◆現在市場に織り込まれている利下げは、ペースとして特段ピッチが早いものではないが、今のところそれが始まるという具体的材料は乏しい(金融システムや雇用が相応に壊れ始める必要がある)。

◆短期金利5%超に対して4%割れの2年物米国債はショート検討の余地あり。逆に債務上限問題で変に売られている1-2か月物TBは買い(管理が厳しく手続きが非常に面倒な大手ファンドでは買いたくても手を出せない)。

◆インフレ高止まりの中、住宅・不動産、製造業の次に小売が萎えてくる可能性大。リセッション度合いの見極めには特に小売関連を注視しておくべき。


◆今週終わってみれば株も債券もほとんど横ばいだった(マーケットはともにショート気味で下がりにくい?)。EPSは今年前年比▲8%程度がコンセンサスで、今のところその通りの走りでボラも低い。

◆企業収益と株価上昇は一部の優良大型銘柄によって支えられており、他の多くの企業がこれまでの5%もの利上げや今後の貸し渋りで苦しくなりつつあることは覚悟しておく必要あり。

◆債務上限(市場が傷つくまで解決しないかも)、クレジットクランチ(兆候は明確で影響顕在化はこれから)、景気後退(深刻さ度合いが不明)という大きな「不透明要因」とこれから対峙することになるので、低ボラ状態が長く続くと考えるべきでない。

◆企業経営者は、近年常に多くの「不透明要因」に対峙しており、これまで何とかうまく対応してきた。こういった企業の対応能力を過小評価すべきでない。

◆今後の銀行監督に最も必要なのは、銀行に過度の負担をかけることなく、預金急減リスクを減らし(SVBでの異常な流出は完全に想定外で、誰も責められない)、FEDの流動性供給がどんな時でも迅速に機能するようにすること。


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