マガジンのカバー画像

『長良川のアユと河口堰』

6
3/11発売『長良川のアユと河口堰』 本が出来上がるまでの過程や編集のこぼれ話などのエピソードをお話しします!
運営しているクリエイター

#編集者のこぼれ話

サカナクションと長良川|編集者のこぼれ話⑤

 『長良川のアユと河口堰 川と人の関係を結びなおす』の編集を担当しました、農文協 編集部の馬場です。第五話は本の帯の話。 *本連載の過去記事はこちら↓よりご覧ください* 大晦日の夜に届いた帯文 『長良川のアユと河口堰』の帯文(推薦文)は、著名なロックバンド「サカナクション」のフロントマンで、釣りを愛する山口一郎さんと、父で岐阜出身の木彫家である山口保さんによる合作です。  お二人に帯文をお願いしたのは昨年12月のこと。読んでみたいと言っていただけたので、ゲラ(校正紙)を

村上康成さんの傑作、長良川のアユ|編集者のこぼれ話④

 『長良川のアユと河口堰 川と人の関係を結びなおす』の編集を担当しました、農文協 編集部の馬場です。第四話は大好評の表紙画の誕生秘話について。 *本連載の過去記事はこちら↓よりご覧ください* https://note.com/nobunkyou/m/mefbddde2e597 幅広い創作活動 第一話でも少しお話ししましたが、本書の表紙画は村上康成さんにお願いしました。村上さんは、渓流魚のヤマメを主人公にした絵本『ピンク、ぺっこん』で鮮烈にデビュー。絵本、イラストレーショ

100年に一度の洪水と、日々の川の恵み|編集者のこぼれ話③

『長良川のアユと河口堰 川と人の関係を結びなおす』の編集を担当しました、農文協 編集部の馬場です。第三話は長良川流域の「水文化」の話。 *本連載の過去記事はこちら↓よりご覧ください* どんな川にも神様がいる 今年は辰年ですが、十二支のなかで唯一、神話世界の動物(神獣)であるのが龍であり、水を司る神、水神様として古くから信仰されてきました。2001年に公開され、第75回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞した、宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」にも、川の神(龍)が登場

子供でもアユが面白いように釣れた時代|編集者のこぼれ話②

『長良川のアユと河口堰 川と人の関係を結びなおす』の編集を担当しました、農文協 編集部の馬場です。第二話は子供時代のアユ釣りの話から。 *本連載の第一話はこちら↓よりご覧ください* 普段着のアユ釣り 1980~90年代、私は長良川水系で毎日のように釣りをして育ちました。『釣りキチ三平』が愛読書で、学校が終わると川へ行き、暗くなるまで竿を振りました。父が買ってくれた旧式の重たいカーボン製の長竿で、アユの友釣りもたくさんやりました。  友釣りは、ナワバリをつくるアユの習性を

長良川から切りひらく、川と人の未来|編集者のこぼれ話①

『長良川のアユと河口堰 川と人の関係を結びなおす』という本の編集を担当しました、農文協 編集部の馬場です。私は岐阜市の長良川の畔で生まれ、長良川水系で釣りや川遊びをして育ちました。最初に編集した本が、かくまつとむ著『野山の名人秘伝帳』でした。その後も戸門秀雄著『職漁師伝 渓流に生きた最後の名人たち』、千葉克介著・塩野米松解題『消えた山人 昭和の伝統マタギ』など、山河のなりわいをテーマにした本を企画・編集してきました。編集歴は16年ほどですが、今回の長良川の本には格別な思い入れ