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自主大会開催の勧め

始めに

ノブナガと申します。
見た目も大体それを想像していただけたら50%程度は似ていると思います。
(地毛で丁髷を結っています)

この度、Tonamelのさとけんさん(@saxokenpunx)にお声がけ頂き、Advent Calenderにて記事を書かせていただくことになりました!
主催初心者が熟練者の中に放り込まれて恐れ多いですが、この場で発表出来る事に感謝です…!


と、なったは良いものの果たして何を書くべきかと考えまして、ポケカの界隈外の方にも役立つ可能性のある記事にしたいと思いました。
始めに断っておきますが、私自身イベントを開いた経験も浅く、文章を書き上げる力もあまりありませんが、何かの参考やきっかけになれば幸いです。

今回のテーマとして、
私が求める自主大会の形、大会を開くまでの流れ
についてを記したいと思います。
「大会を開こう」以降の項目は初めて大会を開く方向けに当たり前のことをただ並べているだけなので「振り返り&これから」まで飛ばしても大丈夫。

今年の変化、オフラインイベントの情勢

今年は世界中の人々が変化を余儀なくされた1年になりました。
生活様式、働き方に始まり、我々のような人と交流する大会などを趣味(あるいは仕事)にする者は、そういったコミュニティとの距離の取り方を個々人が考えさせられました。

昨年までのTCG界隈(注:ここではDTCGは除いて考えております)でのイベントといえば、オンラインも無い訳ではありませんでしたが圧倒的にオフラインでのイベントが多かったです。
例えばTCGを取り扱っている店舗様のスペースの一部をお借りしたり、レンタルスペースなどを自主的に借りての大会開催が主流であったと思います。

しかし、今年は流行り病の影響で趣味などの所謂「不要な密」を避ける流れが各国で意識されることとなりました。(※一部例外あり)
当然、TCGのジャンルはホビーに該当する為自主大会は勿論、公式大会なども行われなくなりました。3月後半〜7月までの期間はほとんど大会も無かった印象です。

自主大会とはそもそも何ぞや

私は今まで大会にはほとんど参加するだけの立場で、自主大会を開いた経験もありはしましたが知り合いを募るだけの所謂身内大会でした。
今年の公式、自主大会共に無い期間と向き合う流れで改めて、
「私が何を求めてTCGを遊んでいるか」
という一点を非常に強く考えさせられました。

私の中での結論は、
一、同じ趣味の仲間を増やしたい(その趣味の他でも集える友人関係の模索)
二、実力を磨く為により真剣に打ち込める仲間を増やしたい

という所謂エンジョイ勢、ガチ勢の考え方に至りました。
私にとっては二のガチ勢よりの思考ではあるのですが、勿論一のコミュニティも増やしたいと考えております。

どちらにも共通していることは、「今後とも続けて付き合いたい相手」を探していることです。なかまづくりです。
オンラインイベントでも出来ないことはないですが、ある程度コミュニケーション能力の高い方でないと難しいと再認識しました。
オンラインイベントのコミュニティ形成が難しい点は主に以下の三点です。

一、環境が同一でない為、そもそも設備に難があるパターン
二、基本的に相手の顔が見えない為、表情を伺えないパターン
三、膨大なオンラインのコミュニティよりも範囲の限られたローカルのコミュニティの方が必然的に濃度が濃くなること

本題からずれてしまう為、あまり深くは解説をしませんが私にとっては既に知り合いの仲同士の者でオンラインツールを用いるのは特段オフラインと差があるものではありませんでした。
その一方、新規コミュニティの設立とでも申しますか、新しい繋がりを作ることはほぼ出来ませんでした。

これはTCG界隈がまだオンラインで仲間を作る土台が不足している面もありますし、単純に私自身のコミュニケーション能力が低い面も大きいです。

その一方、オフラインイベントではその難点が最初から取り除かれているということになります。コミュニティ形成を目的の一つとするならば何段も目的に近づいた状態でスタート出来るのは大きな魅力です。

大会がない、ならば己で作るべし

でもそもそも大会がない訳です。
また、私の場合は3月半ばに東京から京都に引越しを行った関係もあり本当に知り合いが限られていました。(幸いなことに数人はいた)
その為、既存のコミュニティに参加するのはきっかけとなる大会がなく非常に困難でした。

そこで思いました。
地元のTCGショップと協力して地域で大会を盛り上げて行きたい。
そしてあわよくば知り合いを増やして行きたい。

結局人と知り合うにはきっかけが必要なのです。ならば作るしかないと。
密は避けるべきですし、間隔などを空ける事が出来るなど自分の中での大事な点を整理しました。
何も考えず適当に大会を開催するのでは店舗様にもご迷惑をおかけする可能性が高くなってしまいますし、築こうとしているコミュニティの評判を自ら落とす行動となってしまいます。
そんな事を考えている折に、とある一件のTCG取り扱い店舗様と知り合う事が出来ました。きっかけは関東にいた頃の共通コミュニティ(ポケカ)を持った友人です。生活圏としては初めての関西で、TCGショップを案内してもらっている最中の出来事でした。「大会開きたいと思ってるんですよね」と。

「じゃあ話してみようか」

単なる偶然から流れるようにそのまま店舗責任者の方と面談することになりました。何も準備してないし資料とかないんだけれど…!

結果から言えば、初めて店舗様のスペースをお借りして大会を行うようになりました。
「ビジュアル的に面白いからきっとすぐ人が集まるよ!」

ノブナガと申します。
見た目も大体それを想像していただけたら50%程度は似ていると思います。(地毛で丁髷を結っています)

ビジュアル強し…!
あとは細々と浅草で開催していた自主大会が実を結びました。
思いつきでもなんでも、「行動していた」という事実が役に立ちました。

そうして急展開ではありましたが店舗様のスペースをお借りして大会を行う運びとなりました。1ヶ月後に。…1ヶ月後に?

大会を開こう(ツール選定編)

普段参加している大会を思い浮かべてみました。
「まず、告知はizazinだな」
やっぱり大会告知といえばこのサイトだろうと。

TCG界隈においては最もメジャーな大会支援、告知サイトでこのサイトを利用しての大会告知やエントリーが主流だと思います。
事実、第一回の大会はセオリー通りにizazinを利用して告知しました。

告知の次はマッチングなど大会を運営するツールです。
TCGマイスターなど有名なツールはそもそも有料ですし、1回切り、あるいは月1などの回数ではとてもペイ出来ません。
「そういえばペアリングメーカーなんてものがあったな」

こちらのツールを使えば勝ち点計算やマッチングなどを自動で行ってくれそうです。オンラインペアリング機能は1ヶ月単位での有料になってますが、使い勝手向上を見込めば500円は安い物でしょう。

卓番号などの準備も必要でしたが、こちらも上記のペアリングメーカーさんで用意する事が出来ました。自主大会を開く側からして非常に助かります。

実際ほとんどの大会ではこの2つの組み合わせで大会開催が行われていたように思います。
ですが、ここでとある問題が浮かび上がります。

「運営一人で受付、大会を回すの無理なのでは…」

参加費を受け取って、マッチングツールに名前を登録して、を繰り返すと1時間で60人近くを捌くのに毎分1人のペースになります。手伝いを呼べる程知り合いがいない当時の時点では非常に悩ましい問題でした。(1人だけ手伝いをしてくださった方はいましたがそれでも回せる自信はありませんでした。)
また、結果報告時に列が出来ると密になってしまいます。それも欠点の一つでした。

自分でトーナメント用のツールを作ろうか(本業:SE,PG系の為アプリ、Webサービス開発)とも考えましたが流石に一月で安定版を出すのも難しいだろうと検討、断念を重ねる日々にとあるツールと巡り会うことになります。

それがTonamelでした。

最近では知名度も高まってきて、嬉しい限りなのですが当時はなかなか検索にも引っかからず見つけた時は「どうしてこれが見つからなかったのか」と思う程度には衝撃的な出会いでした。

おそらくこの記事を読んでくださってる方はTonamelさん(以下敬称略)の機能は概ね知っていると思いますが、開催する側の視点から今一度見ていただけると幸いです。

Tonamelのここが凄い!
一、大会参加受付とトーナメント表が対応している為スムーズに開催可能
二、マッチングが自動かつ結果報告をユーザーに委ねる事が可能
三、順位表などユーザ側からも気になる情報が確認可能

オフラインイベントに限っても以上のような特徴が見受けられます。
TCGペアリングメーカーとの比較記事もありますのでより詳しい事が気になる方はそちらも目を通してみてください。

最初は使い方や、エントリー、チェックインといった用語によって少し難しい場面もありました。ヘルプを読んでももう少し具体性があれば良かったな、という印象も受けましたが自分で仮大会を開きエントリーからの流れを理解する事でカバー出来ました。
(※初期参入ハードルがやや高く感じてしまったのでそこは改善されると嬉しいです!)

第一回当時は既にizazinでの受付を始めていた為、Tonamelのツールに移行するのは一手間必要でした。(大会エントリーURLをQRコード化し、読み込んでもらって改めてエントリーしてもらいました。)
ですが、第二回以降は完全にTonamelで開催した為更に楽になり、いよいよ運営を完全に1人で行うようになりました!

あとは商標権を始めとした権利周りは注意を払いましょう。
有耶無耶にしてるところも多いけれど続けていく上でどこか厳しくなると思います。(私は大会ロゴを知り合いのデザイナーに発注しました)

大会を開こう(集客編)

ツールが決まっても肝心の人が集まらないと大会としては盛り上がりに欠けてしまいます。
関西に知人が少ない状況でどうやって人を集めようかと考えました。

一、既に交流のある方に宣伝をお願いする
二、Twitterなどを通して情報の拡散を狙う
三、きっかけを探して知人を増やす方向を探る

ありきたりではありますが、ありきたりというのはそれでやっていけるから一般化しているものです。気を衒(てら)っても仕方ありません。堅実にいきましょう。
勿論店舗様の協力を仰いだり等、選択肢として取れるものは色々試してみました。何せ無名なので他の方のお世話にならなければ人が集まりません。

その他izazinやTonamelなど集客用のプラットフォームを利用している場合はそれらのサービスの中でも注目を集められるように画像の用意であったり、内容がわかるように箇条書きでも良いのでしっかり文章を記して大会のイメージを伝えることが大事だと思います。
特にこの御時世なので流行り病対策など、気にする方も多いですからどういった対策を取っているかなど具体的に書けると良いかと思います。

三、のきっかけを探して〜の項目に関しては少ないながらもやっていた自主大会であったり、オンラインコミュニティで知り合った中で地域が近そうな方に声をかける、といったことをしておりました。
出会いの場が限られているからこそその濃度が重要であり、それこそが私が自主大会を開こうと思った理由そのものでありました。

大会を開こう(当日編)

オフラインのイベントといえば、
一、事前エントリー(大会サイトなど)
二、当日エントリー(所謂受付)
三、参加費(参加賞)の受け渡し
を繰り返し、受付時間終了時に
四、一、が済んでおり二、が済んでない参加者の確認
五、四、で不足している人数分当日枠での参加者を通す
という流れが主流だと認識しております。

前項のTonamelを利用する事で一、二、四、に関しては一纏めに出来るので受付もかなり楽になります。おかげで参加者と簡単な雑談くらいなら出来ます!

気をつけておく点が、受付にきた参加者が既に枠に通っているかどうかの確認です。設定した枠を超えて受付した方、所謂キャンセル待ちの方を判別する方法は現状口頭で申請してもらう他は上から根気よく数えるしかありません。(方法があったら是非教えてください)
参加費、あるいは参加賞がある場合はその方が大会に参加出来ることが確定するまでは慎重に案内をしましょう。(2敗)(ただしその後無事参加出来た)

大会が始まってからは上記ツールなどを使っていれば特に問題なく進行出来ると思う為割愛いたします。

今回の主題は大会の開き方であって、Tonamelの使い方ではありませんからね。

大会を開いている間はなかなかコミュニケーションを取るのも難しいですが、受付や開始時、終了時や参加者の帰る際に挨拶が出来るだけでも嬉しい物です。気持ちの良い挨拶が出来ると参加者にも好印象を持ってもらえるでしょうし、自分が楽しさを感じられる瞬間ですね。

肝心のコミュニティの形成ですが、コミュニティ内に入るのではなく私自身が一つのコミュニティを築いてしまいましたが楽しかったので問題ないでしょう。

振り返り&これから

初めての店舗様での大会が8/15、記事公開日が12/16ということで4ヶ月前の流れを執筆しながら追体験してきました。
それまでほとんど関西で大会に参加など出来なかったことを考えると4ヶ月で多くの方々とお話しをしたり楽しい経験が出来たと感じております。
8月の第一回大会では50人だった参加者も徐々に増え、11月の第四回大会では77人まで増えました。私が特段した事はなく、徐々に大会であったり私自身が認知されてきた事が理由として挙げられると思います。

閑話休題。
コミュニティに属していない方こそ大会に参加したり、大会を開いてみてはいかがでしょうか?
何かが変わるきっかけは、行動に対する結果なことが多いはずです。自信がなかったり集まるか怖かったりするのは非常にわかります。私がそうです。

半年程前の時点では大会もあまりなく、今だからこそ出来る交流の場を設けることについて考えておりました。結果として皆が安心して参加出来る大会を自分が開催するという点に着地し、それを現在まで続けてきました。

今年の年末 12/26,27にも第5回、6回の自主大会が開催予定でした。(※執筆中に大阪府の自粛期間延長が発表された為中止となりました。)
こちらもTonamelの認定を受け、景品としてZONeの配布が出来る予定となっております。景品を用意して大会として設立しやすくしていただいているのもTonamelの大きな恩恵の1つです!

そして挑戦がまだ続きます。
来年1/23は憧れていた大規模大会の開催が決定しております!(今後の情勢は引き続き見守りながらになります)
その規模なんと参加者200人超え!!(予定では240人程度)
勿論自身が参加者目線に立った時に安心して参加出来るイベントであることが重要なので、各対戦テーブル毎にアルコールを設け衛生面に気を遣ったり、参加者が多いのでジャッジを用意しトラブルに対応出来るよう配備の方を進めております。

会場はみやこメッセの第一展示場を半面使用し、ソーシャルディスタンスが保たれるように配慮するなど、大規模イベントの開催に当たって打つべき手を可能な限り打てるよう努力しております。

イベント自体の成否も危ぶまれましたが、蓋を開けてみれば1日余りで参加者が定員を超え、あとは当日の運営の手際であったり後日に流行り病への感染が出ないかといった段階に進むことが出来ました。

私一人で手に負えないところまで大きな話に広がってはきましたが、半年前に考えていたことが変わらないまま、ここまで大きい規模になってきたことは非常に嬉しい結果ですし、励みになると思っております。
その信頼に応えられるように運営として出来ることを行う次第です。

余談ではありますが、大会の告知や自身の勉強を兼ねてYoutubeであったり、WordPressで大会用のサイトを作るなどしたりもしました。
熱意が余りまくった結果なのであまり参考にはならないかもしれませんが、大会を通してエンジニアとしてのスキルを磨けたりもしました。
(告知サイト部分はほぼオマケ)
今はちょっとペースを落としているので何事も程々で良いと思います。

終わりに

大会に参加するのは非常に楽しいです。

特に大会を通して知り合いが増え、別の場で遊ぶ機会が増えると趣味があって良かったと感じます。
大会が減ってしまった今だからこそ、ある意味大会を開く意義があるのかもしれません。
今はネームバリューが無くとも皆が大会に参加したいという意欲に溢れています。

大変な1年でありましたし、来年もきっとまだ大変な状態が続きます。
それを受け止めるのは大事ですが、受け止めるだけでなく自身の出来ることやしたいことを考えて向き合っていくのが趣味に生きる者としての課題であると感じました。
仕事でないからこそ、今出来ることが何か必死に考えたいものです。

答えは1つではありませんが、軽視することなく向き合って出した答えは例え間違っていても学びになると信じて結びといたします。

第一回大会(8/15)終了後の写真

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