見出し画像

白毫寺、開化天皇陵、入江泰吉写真美術館、志賀直哉旧居、入江泰吉旧居、二月堂

今回の奈良の旅は3泊。一泊目は奈良泊。駅前にある開化天皇 春日率川坂上陵をちらっとみてから、お昼をすませて、

画像1

画像2

近鉄奈良駅前からバスで砥石町バス停まで。白豪寺に行くには一番近いバス停だけどそこから徒歩で15分以上歩く。とても暑くて手ぬぐいを首にかける。

画像3

買ったガイドブックには、境内へ向かう石階段の近くまで住宅が立ち並び風情が無いと書かれていたが、神戸なんかの街並みと比べると奈良らしい家も多くてそこまで腐すほどでも無い。奈良は町中に野仏やお地蔵様が大切に祀られていて信仰に近いと感じる。

画像4


白毫寺は春日山に連なる山の麓にあり、石段を上がっていくと

画像5

奈良市内が見渡せて眺望がすばらしい。

画像7

田舎らしい風情が心地よい。緊急事態宣言初期は何故か閉まっていて行けなかったお寺なのだが、開けていても会った観光客は三人ほどで閉める意味はあったのか。。。こんな時こそ開けて悪病退散を祈っていると薬師寺のお寺さんが言っていたのをぼんやり思い出していた。

画像6


この日、この後行った、入江泰吉写真美術館、志賀直哉旧居、入江泰吉旧居も緊急事態宣言初期は閉まっていて六月になってから開けたところだけどどこでも人はまばらだった。

画像8


入江泰吉写真美術館は、「聖徳太子1400年御遠忌記念 入江泰吉 法隆寺展」。聖徳太子の1400年にあわせての展示で楽しみにしていた。が、ここで写真とは、と考えさせられてしまった。法隆寺に行き聖徳太子展を見て、聖徳太子番組をNHKで視聴したりと最近聖徳太子巡りを盛んにしていたので、入江泰吉みたいな大家の写真でさえも確認をしているような気持ちになってしまう。あー、これ見た。これ好き。ここ行ったなあ。あそこで見たわと。そんな自分がつまらなかった。ルーブルでモナリザを観るような気持ち。知らないお寺の知らない仏のように感動できず、これは聖徳太子が空海と並ぶスターだからしょうがないと思う事にした。見たことのないような入江本があれば買いたかったのだけど、それもなくて少し期待はずれだったなぁ。ここ最近何度も美術館前を通って開いてなかったから恨めしく思っていたからかもしれない。私には写真の記録性を感じた展示となった。


美術館からしばらく歩くと志賀直哉旧居がある。

画像9

趣味人の憧れ、高畑サロンと呼ばれ、そうそうたる文化人が集った空間である。ここは素晴らしさに胸躍ったわ。流石大作家の家やわ。

画像10

プライベート空間も仕事場の書斎もそしてサンルームを含めた友人達が集うにふさわしい広々した今で言うところのリビングダイニング。

画像11

志賀直哉に招待されたい!w初めて連れて行かれた人はびっくりして憧れたやろうなあ。志賀直哉は子供も多く、子供部屋も広くて開放的。遊び場になってる部屋はコルク敷で騒いでもいいようになっている。

画像12


ここを建てた大工さんは藪内の茶室も作る数寄屋造の人で、茶室を作ることを提案された志賀直哉はお茶はよく知らないけど人が集まって話ができるような開けた部屋にするなら良いと言ったとのことで、茶室には珍しい開放感。お陰で奥さんと娘さんが素晴らしい先生を呼んでお稽古をすることになり、その時のお床のしつらえを志賀が担当することになり、それが楽しみになってとても良かったと羨ましいことが書いてあった。貴族やなあ!そしてよく客人がいないと思ったら茶室で昼寝をしていたらしい。なんかええよね。真の意味での数寄者やなあ。
私の実家にも、茶室が作られてたんやけど、全く使われずに最後は倉庫みたいになっていて、薄暗くて怖くて子供の頃居心地悪かったんよね。お茶もずっと習ってたのにお茶室でお茶をたてた記憶も一二度しかなく。。。最近色んなお茶室をよく見せてもらうけどもっとあの部屋を生活に組み込ませることができなたらどんなによかったやろうと悔やむわ。住んでた人の文化度の低さなんやけど、志賀直哉邸みたいにお茶室で昼寝とか出来たら最高やなぁ。大らかでほんまに気持ちの良いおうちやったわ。ほんと素晴らしい。これが文化だし高畑サロンもこの家があってこそ成り立ったもんなんだろうなと思ったわ。


そのあと行った入江泰吉旧居は志賀直哉邸から比べるとこじんまりした家だけどこちらは東大寺戒壇院のすぐ近く。

画像13

身軽にいつでも東大寺に撮影に行く入江泰吉が見えるような気がした。何かと工夫が凝らされていてこちらは職人の家だなと。暗室も試行錯誤して作られたんだろうなと思う。

画像14

あんな奈良の真ん中に住んでいたら誰にも負けない写真を撮れるはずだと思わせる。何度も何度も同じ被写体を飽きずに撮る事が大切なんやろなーと思う。思うがそれはほんまに難しいよね。奈良に住んでる入江泰吉と奈良に通って来る土門拳。この家を見ながらふんふんと考えた。

画像15


家を出たらもう5時前でどこのお寺も閉門の時間。しかし!東大寺の二月堂は24時間開いているのだ!知ってた?私も今回知ったんやけどw 5時を過ぎて誰もいないに近い二月堂。これもまた風情あり。

画像16

宿があるからこその旅人の余裕。。。なんて言いたいところだけど奈良も時短なので参拝後は東向商店街へ急ぐ。時短の旅人の夜は早いw

画像17

21.6.9

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?