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これ、なんだ?

この写真、何だかおわかりでしょうか。

浴槽です。
重度心身障がい者が入浴するときに使います。

車いすで入ってきた利用者さんは、まず左の青いベッドに横臥します。
このベッドは高さを変えられるので、低いところか浴槽の高さまで、
介助者が持ち上げなくて済むようになっています。
(介助者の腰痛予防につながります)

・・・ちょっと飛ばしますが、

この浴槽を見て、私は、

利用者さんが浴槽に寝転がったとき、真ん中の機械が下に下がるんだな、

と思いましたが、違いました。みなさん、そう思いませんか?


実は、浴槽が上に上がるんだそうです。
そうすれば、利用者さんは、そのままいられるし、
介助者はかがまなくて済みますよね。

介護には、いろいろな工夫がされているんですね。

先日、北海道で車いすを作っている現場を見学させていただきましたが、
車いすも、お一人お一人に合わせてオーダーメイドで作られているそうです。角度などはもちろんのこと、中に詰めるクッション材の硬さや材質なども、全部、一人一人、身体の部位によって変えて作るのだそうです。

心身が普通に動く、というのは、本当にありがたいことで、
そうでないときに、どれだけの人が関わって、どんなケアがなされるか、
それにいくら位かかって、その費用負担はどうなっているのか。

実際に見てみないと、気がつかないことがたくさんあります。
私自身もいつそういう物にお世話になるかわかりません。


さて、先日、
9月21日に、3年前から評議員として関わらせていただいている

社会福祉法人「青少年と共に歩む会」
の運営する4つの自立援助ホーム+ファミリーホーム(家庭で暮らせない子どもたちが暮らす)憩いの家のうちの一つの家と、


社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会、
重症心身障害児療育相談センターあけぼの学園

の見学をさせていただきました。

「青少年と共に歩む会」は、
森繁久彌氏、伴淳三郎氏、黒柳徹子氏、坂本九氏など
芸能界の錚々たるメンバーが長年運営協力しておられた団体で、
24時間テレビなどが始まるよりもずっと前、
賀川豊彦氏の流れを汲む慈善事業から始まったセツルメント活動に
端を発しています。

見学させていただいた憩いの家は、15歳以上大学生位までのユースが、
共同生活をしている場です。
さまざまな事情や問題を抱えた子どもたちが、
安心安全に自立していけるようにスタッフと共に暮らす一軒家です。

あけぼの学園は、
同じ世田谷で古くからつながって活動を続けてこられた親の会から始まった施設で、北浦雅子さんという「80年前、一人のお母さんであった活動家」の熱い想いが結実した場です。


夏前に、評議員会の後の懇親会に出席したところ、
著名な研究者や活動家、実践家が集合しておられ、
私よりずっとご高齢の皆さんが意気軒昂に
(私にとって)「歴史上の人物」についてさまざまにお話しなさるのを
びっくりしてうかがっていました。
みなさんの献身的な努力によって、維持運営されてきた場所なんですね。

その場で、
あけぼの学園長の青木建先生に、熱心に施設見学を勧められ、
今回の訪問となりました。

森繁久彌さんと伴淳三郎さんの壁画の前に立つ青木園長。

そもそも「歩む会」の活動を知らなかった私としては、
現場を見ないで評議会資料の細かな数値の報告を聞いていてもちんぷんかんぷんで、まずは現場を見せていただくことの必要性を感じていたところでしたので、渡りに船と、9月になったら是非とお願いしていました。

いろいろな特別支援学校や重複研などの見学経験はありますので
下のような光景は見慣れているのですけれど、
見学の都度、繰り返し、自分の意識の中に、彼らの姿を落とし込む必要があります。日常の中で、お会いする機会が少ないからです。

人が生まれて生きていくために必要な場。
それが確保できなくて苦心している子どもたちがたくさんいます。
その「児」が大きくなって「者」と呼ばれるようになります。
その人生を共にしてきた親たちがたくさんいます。
そのことに私たちは日頃、意識が向きにくいものです。

自分だったらどうだろう、とはなかなか考えられませんし、
目に見えにくいから優先順位は下がりがちです。
私たちが彼らや彼らを支える人たちの活動から学ばせてもらえることは多いのですけれど、それを知る機会も多くはありません。

憩いの家の松木さんも、あけぼの学園の青木さんも、
訪問する一人一人に丁寧に話をしてくださいます。
憩いの家は、さまざまな事情を抱えた若者たちの居場所なので、
公開はしていませんが、
あけぼの学園の青木さんは、この施設の存在を多くの皆さんに知ってもらいたいとおっしゃっていました。地元との交流を増やしたい、若者との交流を増やしたいとおっしゃいました。

ウェルカム!

だから、世田谷区にあるこれらの施設と活動のことを、ぜひ知ってほしいと思って、ここに書きました。お読みくださった方の中から、どなたかが、いつかあけぼの学園を訪問して下さったらいいなと思います。

いろいろな命があるということ、私たちは共に生きているということを肌で感じることがとても大切なのだと思います。
特に若い人たちに、是非にと思います。

見学に関心のある方へ。

あけぼの学園はこちらです。
社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会
〒154-0005 東京都世田谷区三宿2-30-9
TEL:03⁻3413ー6781
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