見出し画像

新しい学びが生まれる場所 【週刊新陽 #4】

校長になり、あっという間に1ヶ月が経とうとしています。新陽高校の赤司です。光陰矢の如し。学校にいると時が過ぎるのがとても早く感じます。

さて「週刊新陽〜校長室から」、今週もお読みいただきありがとうございます!ゴールデンウィーク前の1週間(4/22〜4/28)は落ち着くかと思ったのですが、そう予定通りにいかないのが学校のようです。

ハイブリッド型教育の現場から

先週号で少し触れた新陽のハイブリッド型教育は実際どんな風に行われているのでしょう?今週は授業の様子を覗いてみました。

画像2

まずは総合コースの英語。クラスの半分が登校して対面で授業を受けています。投影している演習問題はファイルで共有され、生徒たちのPCでも見られます。リモートで受講している生徒たちに解説が見えやすいように、いろいろ工夫も凝らしています。

画像6

画像4

こちらは生徒同士がテレビ会議システムで繋がって、それぞれワークブックに取り組んでいる授業。
「英語の長文がぜんぜんわかんないっす」「英語は好きだけど、数学が苦手!特に方程式は意味不明で・・・」と生徒たちに声をかけられ、うれしかったです。

画像3

進学コースの(たぶん)物理の授業を覗くと、先生からの問いに前のめりに挑んでいるところでした。

別の日、探究コースでも(たぶん)物理の授業をやっていました。先生が教室の中を歩き回りながら座標軸を解説していると、ある生徒が「画面がミラーリングになってる気がします」とやさしく指摘。カメラがミラー効果の設定になっていて、リモート参加している生徒から見るとホワイトボードに書いてある文字が逆だったようです。

ちなみに「たぶん」が多くてすみません(笑)。物理、すごく好きな科目だったのですが記憶が曖昧で・・・もう一度勉強したい教科No.1です。

画像5

講堂で行われていたのは、2クラス合同で"進化”の授業。生物の系統図を見ると「実はクジラとカバは近い」らしい!
生物は高校時代一番苦手だった科目ですがちょっと興味が湧いてきました。

画像7

特進コースでは、国語の先生が古典の助動詞に込められたニュアンスについて話しているところでした。生徒たちは頷きながら聞いたり、ノートを取ったり、単語帳を引いたり。

画像1

時代が変わっても教科書はあまり変わらないようですが、新陽では一人1台PCを持って、ノートを取ったりGoogle検索したり、ファイルを共同編集したりしています。オンライン授業だけでなく、テクノロジーを活用した学びは幅広いと感じます。

最近ブレンディッド・ラーニング、という学び方が企業研修などで注目されています。ユームテクノロジージャパンの小仁聡さん著『新リモート時代の人材育成学 ブレンディッド・ラーニング』によると、"複数の学びをブレンドして新たな学びを構築することで、学習効果を最大化し、パフォーマンス向上につなげるもの"とあります。
キーワードは学びのDX(デジタル・トランスフォーメーション)。新陽高校でも学びのDXを進めていきたいと考えています。

GW明けは完全オンライン授業

先日、札幌市内のゴールデンウィーク特別対策として外出・往来自粛の協力要請が出されました。これを受け新陽高校は5月6日(木)から14日(金)までオンライン学習を実施することにしました。この期間は教職員もできるかぎり在宅勤務を推進します。

ハイブリッド型に取り組んでいるからこそ、新陽の先生たちは対面で一緒に学ぶことの大切さを知っています。なので完全オンラインにするか、とても悩みました。

新陽高校には、生徒、教職員など900名ほどが日常的に出入りしています。この900人の行動変容が街に与える影響は決して小さくないと思い、学校としてこの決断に至りました。

ただし、突然オンライン化した昨年の経験を活かして、今回はしっかり準備して臨もうとしています。教務部が作ってくれている『ハイブリッド型教育における授業規律について』というガイドラインにはオンライン学習に関する項目があり、新任の先生などへサポートも行なっています。

「生徒の数だけ学びがある」

新陽高校は2022年度にコース別学年制から、単位制となる予定です。

1年で取るべき単位数が決まっている学年制に対して、単位制になると学年に縛られず科目ベースで単位を取得していきます。つまり一人ひとりが学びを設計できるようになります。

さらに『生徒の数だけ学びがある』学校となることを目指して、新しいカリキュラム(新カリ)の準備を進めています。今週は、ゆるやかに語り合う新カリCafeが開催されました。

画像8


【番外編】小学生向けSTEAMオンラインスクールの校長

『週刊新陽』も第4号となったので  #複業する校長 としての活動も少しずつご紹介していきます。

2018年に創業したWe-Steinsでは、多彩能を引き出す『建築xSTEAM*プログラム』を企画開発しています。2020年に小学生向けオンラインスクールを開校し、現役のアーティストや建築家と遊びながら学ぶ場を作っています。

*STEAMとは:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(アート)、Mathematics(数学)の頭文字。各分野の知識や法則を統合的に用いる創造的活動・学習アプローチのこと。

4/11はオンラインスクール・シーズン2の最終回。全6回のレッスンの中で一人ひとりの個性・想像力・創造性・レジリエンスなどが発揮される場面がたくさんあり、名残惜しくもクラスを終えました。

画像9

画像10


【編集後記】
新陽高校で伝統となりつつあるYOSAKOIソーラン祭りの開催延期が決まりました。練習を重ね、揃いの法被で出場することを楽しみにしていたのに中止となった昨年の悔しさが生徒や先生たちの中でよみがえります。
コロナ禍となって1年超、こういったことが幾度となく起こり、生徒たちは本当に気の毒だと思います。でも「かわいそう」という言葉を安易にかけたくはないとも思っています。
新型コロナ感染症だけでなく、テクノロジーの進化や地球温暖化など、私たちは予測のつかない急激な変化の時代に生きています。この変化を新しい学びを創るチャンスとすることが、学校の役割のように思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?