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みんな元気? はやく学校で会いたいね 【週刊新陽 #7】

こんにちは。札幌新陽高校の赤司です。

今年はずいぶん早い梅雨入りが西の方から順に発表されていますね。
この時期の札幌は、花冷えと初夏の日差しが交互に訪れるので、毎朝、着る服に悩みます。

今週もオンライン授業の新陽高校。校内はひっそり、ひんやりしていますが、教室から授業配信している先生の声が聞こえたり、画面の向こうから生徒の声が聞こえたりするとホッとします。

先生たちもテレワーク推奨で、校内でも密を避けるために分散して活動しているので、職員室で会うと「元気?」という会話が起きたりします。数日ぶりに顔を合わせるとやっぱりなんだか嬉しくて、これが生徒たちとなら尚更でしょうね。

はやく学校でみんなの顔を見たいです。


スポーツマンシップとは、リスペクト

マンガ「タッチ」のファンで、夏の甲子園のテレビ中継はつい観てしまうくらいは高校野球好きです。でもまさか、自分が野球のグランドの土を踏むことになるとは・・・。

5月14日、春季北海道高等学校野球大会札幌支部予選の当番校の校長として表彰と閉会式挨拶をさせていただきました。

当番校とは地域の大会運営を担う学校のことで、連盟校が順番に担当するそうです。当番校の教職員と生徒は、抽選会と大会(今回は5日間)の担当球場での試合が滞りなく行われるよう運営を担当します。

大会最終日に円山球場に行くと
・アナウンス
・スコアボードの操作
・ホームランボールの回収や旗の揚げ下げ
・受付
・駐車場案内
など、それぞれの持ち場できびきび働く、赤とグレーのユニフォームを着た新陽の野球部の生徒たちがいました。

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しっかり当番校の務めを果たしたようで、他校の校長先生や高野連事務局の方からは、「新陽の生徒さんたちのおかげでコロナで大変な中でも大会がスムーズに実施できました。」と感謝とお褒めの言葉をいただきました。

残念ながら新陽は初戦で負けてしまったので、他校をサポートする裏方として決勝の日を迎えることになった生徒たちの気持ちはどんなだったでしょう。正直、私には分かりません。

でも、大会運営への責任感、他チームへの敬意、そして野球が本当に好きなことは分かりました。

それは、選手宣誓した荒木くんの言葉からも感じることができます。

【選手宣誓】
新型コロナウイルス感染症で日常は大きく変化し、当たり前に感じていたもの一つひとつが、どれほどかけがえのないものなのかを痛感しました。
そして、野球を愛しているということを改めて実感しました。

日頃よりこの困難に最前線で立ち向かってくださっている医療従事者の皆様をはじめとし、多くの方々の支えにより、私たちがこの場に立てていることに感謝しています。

昨年の春季大会は中止となり、その事実を受け止めている先輩方の姿は今でも鮮明に覚えています。
まだ先行きが不透明な社会状況において、共に戦い喜びを分かち合える仲間たちと真剣に野球ができること、素晴らしい環境で野球に打ち込めることに喜びを感じます。

この機会が当たり前では無いということを理解し、野球を通じて私たちが社会に向けてできることは何かを見出すためにも、全身全霊でプレーすることをここに宣誓します。

令和3年4月21日
選手代表 札幌新陽高等学校 男子硬式野球部
主将 荒木慶翔

思い通りに練習できなかったり、無観客での試合やコロナ対策をしながらの大会運営は決して簡単ではなかったでしょう。ただ「先行きが不透明な社会状況において、仲間とともに野球ができること」を改めて喜び、その状況に感謝する貴重な機会となったのも間違いありません。

感謝をすることと感謝されること、互いのリスペクト、これこそがスポーツを通して学べる一番大事なことだと、生徒たちから教えてもらった気がします。

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《閉会式の後グランドを整備する生徒たち》

"中つ火"を囲む会

新陽高校では今年度から定例の職員会議をやめました

相談は日頃のコミュニケーションで。連絡や報告は非同期デジタルと朝の打合せで。そして、みんなが集まる貴重な時間には対話を、というわけで、職員会議でも教員研修でもない『中つ火を囲む会』を月1回行います。

中つ火とは、焚き火のこと。焚き火を囲む時のように、みんながフラットでくつろいで話せる時間にしたいと思っています。

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《中つ火というネーミングは、国語の髙橋先生より『一万年の旅路』からのアイデアをもらいました。》

初回の4月は、まずは足馴らしということで『#(ハッシュタグ)型の自分らしさ』と『多様ってなんだ?』をテーマに互いを知ることから。

対面とオンラインのハイブリッドで少々カオスな状況でしたが・・・、福田さん(*)の絶妙なファシリテーションのおかげで、ユーモア交えながらの2時間半はあっという間でした!

職員室でも、zoomの画面からも、始終笑い声が聞こえてきました。

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第2回目となる5月19日は、いよいよ『学習する学校(組織)』を目指した『中つ火』がスタート。

学習する学校(組織)』は、自律的でクリエイティブな学校づくりに向けて教員と生徒が学び成長するというコンセプトで熊平さん(*)と福田さんがデザインしているプログラムなのですが、まずは新陽でやってみよう!ということになりました。

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学習する学校コンセプト

学習する学校_OECD学びの羅針盤


今回は、マルチプルインテリジェンスMBTIという理論のツールを活用し、多様性を捉える力を磨くワークでした。

人数が多いときのオンラインの難しさは、遠慮したり譲り合ったりして自由に声が出づらくなることです。でも、ホワイトボードツールを使いながら、メインファシリテーターの熊平さんの朗らかさにも助けられて、和やかな雰囲気で進みました。

グループワークのJamboardはこんな感じ↓

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今回学んだのが「私も多様性の一部である」という多様性の心得。

多様性を尊重するという話では、「私と違うあなたを尊重します」と自分起点になりがちですが、そうではなくて「私もあなたも多様性の一部」というメタレベルの視点です。

2030年に向けて『人物多様性』をビジョンに掲げる新陽高校として、みんなで共有していきたい心得に出会いました。

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備考:『学習する学校(組織)』プログラムの熊平さんと福田さんについて。なお上記資料はお二人が作成されたものです。

* 熊平美香(くまひら みか)さん 昭和女子大学キャリアカレッジ 学院長 一般社団法人21世紀学び研究所 代表理事
ハーバード大学経営大学院でMBA取得後、金融機関金庫設備の熊平製作所・取締役経営企画室長などを務めた後、日本マクドナルド創業者に師事し、新規事業開発を行う。1997年に独立し、リーダーシップおよび組織開発に従事する。2009年より日本教育大学院大学で教員養成に取り組む傍ら、未来教育会議を立ち上げ、教育ビジョンの形成に尽力。2015年に一般社団法人21世紀学び研究所を設立し、リフレクションの普及活動を行う。昭和女子大学キャリアカレッジではダイバシティおよび働き方改革の推進、一般財団法人クマヒラセキュリティ財団ではシチズンシップ教育に取り組む。Learning For All等教育NPO活動にも参画。文部科学省中央教育審議会委員、内閣官房教育再生実行会議高等教育ワーキンググループ委員、国立大学法人評価委員会委員、経済産業省『未来の教室』とEdTech研究会委員などを務める。
* 福田竹志(ふくだ たけし)さん 株式会社リクルート ヒトラボ
1980年大阪天王寺出身。京都大学文学部入学、休学して世界一周ののち法学部卒。2004年株式会社リクルートにて新規事業立ち上げ(熊本・宮崎)、営業企画・経営企画や人事部長を務める。専門は1を10にする事業成長の伴走や人材・組織開発。現在は社内にR&D組織Hitolab.(ヒトラボ)を設立し、自治体や学校、他企業と「人と組織」に関わるプロジェクトを進行中。実家は道頓堀で100年続く寿司屋、2児の父。

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【編集後記】
この夏、新陽高校のウェブサイトやポスターをリニューアルする予定です。先日、デザイナーさんとカメラさんがロケハンのため来校されたので一緒に校内を探検。校長に就任して1ヶ月半、初めて入る場所もあってワクワクしました。建築を見て回るのが好きでこれまで様々な建物を見てきましたが、校舎って独特な雰囲気がありますね。
少し前にWe-Steinsの建築xSTEAMオンラインスクールで光について学んだせいか、窓の写真ばかり撮っていました。


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