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生徒も知らない?学校のチェンジメーカーたち 【週刊新陽 #13】

「週刊新陽〜校長室から」今週は職員室からお届けします!

学校に通っていた経験があるのに、どうやって学校が運営されているかはみんな意外と知らないのではないでしょうか。

というわけで今号は、「学校のオペレーション・マネジメントを担う人たち」がテーマです。学校関係者でない方も、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

新陽高校の組織

こちらは、今年の新陽の組織図です。先生たちは4つのコースと8つの分掌それぞれのチームに所属。なお、図にはありませんが教科の所属もあります。

2021年度の組織R.001

高校の先生は大抵、教科指導をし、クラス担任を持ちながら、分掌業務を行います。

校務分掌とは、学校教育の目標を実現するため、校務を分担し協力して進めていく業務分担や校内組織のこと。

学校は、セクションごと独立している傾向が強いと言われます。それぞれが専門性をもって役割を担うには有効ですが、縦割りが過ぎると組織全体の最適化は図れません。

そこで、組織内を横断的につなぎ、様々なプロジェクトを円滑に進める潤滑油のような役割として、新陽にはCC(シーシー)というチームがあります。コミュニケーション・センターの略です。

新陽特有の"CC"は学校のハブ

これまでもCCはありましたが、今年はミッションをさらに拡大し、生徒を含む学校組織を縦にも横にも、さらに外部ともつなぐ学校運営のハブと位置付けました。

CCの担当業務リストがこちら。

1、学内業務円滑化関連:PJベース/#ハッシュタグ業務主管、全分掌・コースの補佐、複数分掌に関わる内容の調整、教頭の補佐、学内DX推進
2、研修関連
3、地域・企業連携
4、広報PR
5、部活動
6、同窓会

なぜこんなに広範囲をカバーするチームにしたか、それは学校業務の特性によります。

私から見ると、学校の業務のほとんどはプロジェクト。期限・予算・達成したいゴールなど、プロジェクトの要件が揃っています。チーム横断的なのもプロジェクトの特徴。一見ルーティンであっても、実は新規のプロジェクトが立ち上がっては終了、という繰り返しが学校を動かしているように思うのです。

それを、業務を細分化し各部に分配し担当を付けるというやり方にすると、仕事の偏りが生まれます。ボリュームや時期の偏りです。

働き方改革の観点からも、一人ひとりの個性(#ハッシュタグ)を活かしながら成長を促すためにも、各分掌の業務はその役割を果たすコアなものに絞ろうと考えました。

そして、プロジェクト的な業務を集めたのがCCです。

個人的には、カタリスト(Catalyst:触媒)のイメージです。何かと何かをつないで新しい価値を創造する、誰かと誰かをつなぎそれぞれの良さを最大限引き出す、そんなチームです。

ちなみにCCに向いているのは、自分で仕事を見つけたり創り出すことが好きな人。前例や慣習を疑ってみるクリティカル・シンキングも必要です。

ちなみに、CC長の高石大道先生は、カタリストそのもの!
その場に合わせて雰囲気まで変わるので「カメレオン」とか、人を繋ぐ加減が絶妙すぎて「コミュニケーションおばけ」とか、いろいろな異名がついています(笑)。

日中は面談やミーティングでスケジュールがほぼ埋まっているそうで、まさにコミュニケーションの中心にいます。

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全国の学校にCCを置くことをオススメしたいです!

盾となり伝道師となる教頭先生

CCがカタリストなら、教頭は学校のコントロールタワー

学校教育法によると、教頭の仕事は「校長を助け、校務を整理する」こと。細かく挙げたらきりがないほど多岐にわたり、これまた守備範囲が広すぎることに驚きます。

正直なところ私が校長を務めていられるのは教頭たちのおかげです。2人の教頭と、事務長がしっかりやってくれるので、学校運営が日々滞りなく進んでいます。

そして学校は、私が思っていた以上に毎日なにかが起きるのですが、たいていのことは教頭が対処してくれます。

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新体制になるときに、平中教頭と宮原教頭から「校長は最後の砦。問題は、まず僕たちが盾になりますから」と言ってもらったことは忘れられません。

『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』によると、優れたマネジャーは一人ひとりの個性に注目するとあります。既存の役割に人をはめるのではなく、それぞれの個性に合わせて役割や責任を作りかえる、ということ。

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教頭も、教員それぞれの個性を活かした仕事の割り振りを行い、成長を促し、さらに、校長がビジョンを語る(ときに妄想を語る・・・)のを、噛み砕いたり要約したりしてみんなに伝えます。

教頭はまさに、優れたマネジャーであることが求められると思います。

「新陽0年生」のための入試部

他の分掌が主に在校生向けなのに対して、未来の新陽生に関わる業務を担うのが入試部

生徒募集そして入試での選抜は、私立高校にとってかなり重要です。なぜなら、生徒が集まらなくては経営は成り立たないし、受け入れる子どもたちが学校に合うかが理念やビジョンの実現と直結するからです。

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入試イベントや広報、そして入学者受け入れの審査プロセスは、すべて受験生へのメッセージです。

どうやったら中学生に届くか、保護者や中学校の先生たちにわかりやすくお伝えできるか、入試部のメンバーそれぞれが自分の経験や意見を出しあって進めています。

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このチームを明るくしなやかに率いているのが入試部長の志賀先生。入試はビッグプロジェクトですが、部員それぞれの個性や得意分野を活かした役割分担で良いチームを作ってくれています。

先日のオンライン学校説明会でも、入念に準備し、チームワークよく完璧なオペレーションを回してくれました。

職員室こそ人物多様性を

新陽ビジョン2030『人物多様性』で目指すのは、お互いの個性を尊重し、その違いをエネルギーとして新しい価値を生み出すこと。

まずは教員がこのビジョンに向けて進んでいきます。

これまで学校の先生はオールマイティさが求められてきたような気がします。でも全員が平均点以上を目指すより、それぞれが得意なことで力を発揮した方が、創造性仕事の満足度も上がるのではないでしょうか。

今回は学校の裏方の一部をご紹介しましたが、他の分掌部門や事務、テーマ別に作られている委員会など、どれが欠けても新陽高校は成り立ちません。また別の機会にも、学校の運営を支える人たちについてお伝えできればと思います。

【編集後記】
「週刊新陽」を私の親も見てくれているようで、時々感想が送られてきます。
先日、記事を読んだ母から「展子という名前をつけるとき、広い視野を持ってのびのびとすすんでいく新しい女性になってほしいと願ったことを、ふと思い出しました」というLINEが届きました。
校長になった娘の姿はどう見えているのか、嬉しいような気恥ずかしいような。視野はまだまだ広いとは言えませんが、のびのびと育って進んでいることは確かです(笑)。


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