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ご報告 【週刊新陽 #109】

GW中の5月6日、札幌新陽高校の女子硬式野球部の活動中に、移動式防球ネット(品名:バッティングゲージ)が倒れて部員生徒1名が下敷きになり、頭部を打つ事故がありました。怪我をした生徒は意識不明の重体で、現在も病院で治療を受けています。

学校の管理下での部活動中に、あってはならない重大な事故が起きてしまい本当に申し訳ないと思っています。深くお詫び申し上げます。
なにより怪我をした生徒とそのご家族にはお詫びの言葉もありません。一日も早い回復を心から願うとともに、ご家族に寄り添ってまいります。また、女子硬式野球部の他の部員の不安や動揺を受け止め、全職員でサポートに取り組みます。

このことについて、5月12日に学校からリリースを出し、同日夕方に記者会見を行いました。あらためて、記者会見で出された質問への回答をここに記録しておきたいと思います。

学校Webサイトに掲載したリリース文

事故の概要

事故発生日時は、2023年5月6日(土)9時30分〜9時34分。

当日、新陽の女子硬式野球部(部員16名・5月6日時点、当日は15名が参加)は、いつも練習を行なっているニッセンレンエスコート真駒内球場が他イベントのため使用できなかったので、札幌大学グラウンドをお借りして練習準備をしていました。札大グラウンドを使用するのは今回が初めてです。

9時30分、練習の準備を開始。その時グラウンドには、顧問教諭3名と外部トレーナー2名、札大の職員の方1名が居ました。

防球ネット(札大所有:高さ2.9m・奥行6.0m・幅2.5m)は金属製のパイプにネットを張った構造でキャスターが付いており、人力で押して移動するタイプのものです。普段、新陽の女子硬式野球部が使わせていただいているニッセンレンのグラウンドにあるものと似たような形状で、ニッセンレンでは使い方や移動方法について指導した上で生徒たちが動かしていた、と顧問から報告を受けています。

それを5名の生徒が押して運搬していたところ、バランスが崩れて倒れ、部員生徒1名が下敷きになりました。その場にいた生徒と教諭ですぐに救助し、9時34分、顧問教諭が119番通報。その後、病院に緊急搬送されました。

救急要請した直後に生徒の保護者へ連絡、その後、教頭へ電話しました。教頭は連絡を受けて現地へ向かいました。なお、私は、教頭から報告を受けたとき札幌にいなかったので、その後札幌へ戻りました。

事故直後から警察が駆けつけ実況見分が行われ、現在も捜査継続中です。学校として捜査に全面的に協力しており、また今後、第三者委員会による調査が行われる予定であり、これら捜査・調査への影響を避けるため、事故の詳細や原因に関わることについては現時点では述べられません。(会見でも、運搬の経路や当日の現場のグラウンドの状況などについてご質問いただきましたが、回答を控えさせていただいた部分です。)

関係者への報告

怪我した生徒が病院に搬送された後、保護者の方と連絡をとりながら、管理職で情報整理を行い対応について相談。顧問3名へは病院、現場(警察)、他の生徒の対応をそれぞれ指示しました。

まず、女子硬式野球部の保護者へ、事故の報告と練習の中止について学校から連絡しました。(新陽ではBLENDという校務支援システムを利用しており、その保護者連絡機能を使用。保護者の方へはメールで届きます)。5月9日までは毎日、状況報告や説明会予定についてBLENDを介して連絡し、5月10日の放課後、対面とオンラインで説明会を実施しました。

この間、8日から9日にかけては、養護教諭やスクールカウンセラー、担任・メンターなどの教員が、部員生徒全員から体調や心情について聞き取りを行いました。その後もカウンセリングを継続し、5月12日からは臨床心理士の方が加わり相談体制を強化しています。

全校生徒の保護者には5月11日の放課後に口頭とBLEND配信で報告。全校生徒へは、5月12日の8時45分から全校放送を行い、事故についての報告と生徒へのメッセージを伝えました。

これら保護者や生徒への説明、外部へのリリースについては、怪我をした生徒のご家族と随時連絡を取りながらご意向を伺い、了承いただいた上で進めています。

上記の部員の保護者・全校生徒保護者そして全校生徒へは、すべて私から直接説明を行なっています。5月13日には学校のWebサイトに私自身のコメントを掲載しました。

教職員には、まず当日にミドルリーダー(学年主任やハウス長、分掌長)へチャットで情報を共有し、8日(月)の朝に全職員へ概要報告、夕方に臨時職員会議を開いて詳細を説明し、生徒たちへの対応等について確認。

また、関係省庁(北海道総務部教育・法人局学事課)へは8日(月)に電話でご報告し、翌日、報告形式などの指示をいただき、10日(水)に書面にて報告書を提出しました。

今後について

とにかく怪我をした生徒の回復を祈るとともに、事故の原因究明と再発防止に全力で取り組むため、なるべく早く第三者による調査委員会を設置するよう調整中です。

同時に、校内でも他の部活動や学校活動において、類似の事故を防ぐべく安全管理についての再確認と改善策を講じる準備を進めています。

記者会見を行った後、卒業生や連携先など新陽の関係者にとどまらず、多くの方から怪我をした生徒へのご心配とエールをいただきました。特に地元である澄川(すみかわ)には、日頃から新陽の生徒たちを見守ってくださり、女子硬式野球部を応援してくださっている方も多いので、町内会の方々から励ましの声をたくさんいただいています。皆様のお気持ちに深く感謝します。

皆様のお力も借りながら、迅速かつ誠実に対応していきたいと思います。

***

新陽の校長に着任してから発行してきた『週刊新陽』、先週はお休みしました。いつ再開するか悩みましたが、今週、まずは事故について書くことから始めることにしました。怪我をした生徒の保護者の方からも「学校は通常運転してほしい」と言っていただいたので、一日でも早い回復を祈りながら、みんなで穏やかな日常を取り戻すことが、怪我をした生徒への一番の応援となるのではないかと思っています。

(2023年5月17日現在 赤司展子)

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