見出し画像

エコ不安って何?

「エコ不安」と聞いてどんなことを想像するでしょうか。
アメリカ心理学会(APA)はエコ不安(Eco Anxiety)を気候変動など「環境に関する慢性的な不安」と定義しています。2010年頃から使われるようになった言葉です。

エコ不安は○○症のような精神疾患の名前ではありません。けれども、この数年の間にエコ不安を感じる人、特にZ世代の若者の数が多くなってきたことで注目が高まっています。

エコ不安の増加

2020年に出されたアメリカ精神医学会の研究では成人の3人中2人は、気候変動について「ある程度」または「非常に」心配していると報告されています。

イェール大学とジョージメイソン大学の共同研究でもこれと似た数字がでています。この研究で注目されるのは、「非常に」心配している人の割合が4年で2倍と急激に増えてきている点です。

また、イギリスの医学研究誌 The Lancetの2021年の報告では世界10ヶ国、計1万人の若者(16~25才)の59%が気候変動を「非常に心配している」「かなり心配している」と答え、「少し心配している」も含めると、95%の若者が心配していると答えました。

台風の大型化や猛暑など、気候の変動を感じずにはいられない近年、気候変動に不安を感じることはごく自然であり、また必要な行動変化を起こすためにはある程度必要です。

その一方で「エコ不安」という名前で注目されてきているのは、気候変動に伴う環境の変化や、自然災害を経験したことからくる後遺症的な影響だけでなく、まだ起きていない変動への予期憂慮に伴う心の健康への悪影響がみられるようになったからだと言えるでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?