「仕事」・シナリオを書いてみる ①

はじめに


最近「仕事」について勉強しています。
文化人類学ですが。

「仕事」の捉え方の変遷というのはとてもおもしろく、
かつての捉え方の片鱗は、この片田舎にも残っているように感じます。

特にパブリックな仕事と、プライベートな仕事の価値観が、
現在とは全く逆だったというのが面白い。

家族に時間を使うこと、地域のために働くこと、これが「パブリック」で、
お金を稼ぐ仕事(我々にとっての一般的な仕事)が、「プライベート」だそうです。

またプライベートよりも、パブリックがある程度優先されるのは、
現在と同じなので自分のお金稼ぎよりも、家族や地域が大事、というのも面白い。
感覚と実態がマッチしているように思います。

私が地域の仕事として、山笠の諸々に時間を費やしているのは、
この仕事観の名残なのかもしれません。

この記事では、自分のしたかった「仕事」を擬似的にやっている話しを書こうと思います。里山飲み会のときに、話したかったことを仕方なくここに書いてみる、という作業でもあります。笑

1、仕事として演出家をやってみたいと思っていた


さて、少し自分に寄せた話しをしようと思います。

私は、現在、農家をしていますが、
・考古学で教授職につく
・ナショジオの記者になる
・演出家になる
といくつかの選択肢がありました。

この中でも「演出家」は、
自分の経験的に文脈はないものの、
自分が普段やっていること、やろうとおもうことはこれに近い感覚がありました。

ただ、舞台演劇ではなく、
社会の中でシナリオを書いて、その通りに進めていくので、本来的な演出家ではないのですが。。。

2、シナリオを書いてみることにした

私の住む地域には、300年ほどの歴史を有する伝統文化があります。

山笠というのですが、
端から見ると、半裸の男性が、大勢で1.5トンほどの重たいものを担ぎ、街中を駆け巡って、お酒を飲むという神事です。

私達は、これをとても大切にしています。
ちなみに、私はこの伝統文化の事務局長。
運営のマネジメント、資金調達、渉外、会計補助、後継者育成など行っています。

この伝統文化は、
例に漏れず尻すぼみが予測されています。

重いものを担ぐので、人が少なければ、物理的にできなくなりますし、
人がたくさん必要ということは、それだけ管理運営にも負担がかかります。

山笠の本番当日は、まだそこまで人手の減少はないのですが、
運営や準備となると、、、

この10年、やっている人は変わらず、新しい人も入ってきていません。

私は、山笠をまだしばらくは続けていきたいので、
いくつかのシナリオを書いてみることにしました。

3、シナリオの前に

どんなシナリオにせよ、
山笠が時代にフィットしながら持続するために必要なことがありまして、

① なぜ山笠を行うのか、問い直す。
→新規の参加者を誘うにせよ、子どもたちに参加してもらうにせよ、山笠を全く知らない方、地域の外側の方への説明が必要になります。誰がなんのために、どうなるために行っているのでしょうか。

② 運営体制の見直し。
→担い手の属性が変化していることを自覚し、参加者に合った運営方法を再構築する必要があります。負担の分散や、作業の効率化なども必要でしょう。
今後、運営を担う人というのは、地域本筋以外の人も入ってきます。そうなったときに、一つ一つに納得感がなくては、想いを込めて作業ができません。

③ 想い(熱意)を醸成する工夫が必要
→山笠は理屈ではなく、想いによって続いています。
「私達のものだ」と強く思える工夫が必要です。
それはおそらく新しいものを構築することに伴う、共有された負担感から生まれると考えています。
残念ながらここ数十年は、前の人がやっていたことを忠実になぞることに、神経を注いでいました。

シナリオは、これが起こるように描かなくてはなりません。

続く。


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