壁打ちの極意
GGAやっぱりすごい
昨日のGGAを見て、やっぱり胸が熱くなりました。
「私は、僕は、こんな世界を実現したい」という想いであふれていて、それが形になっている。こんなにもわかりやすく、人生が、世界が変わる瞬間を目撃できるというコンテンツは、GGAかBrekingDownぐらいではないでしょうか。16組のピッチを見ながら、どのプロダクトの発表もすごく、むしろ今回出ていたら点数的には私は入賞すらできていないわけで、1年でこうも進化した世界と、G'sのコミュニティが、創設者の児玉さんが目指したという、日本版Y Conbinator化してきているのを感じました。(Y Conbinatorについては下記の書籍読めばだいたいわかります)
壁打ちはピッチに出るという話
では、なんでそんな初期のヤムチャレベルのやつがこんなnoteを書くのかといえば、どの発表も胸を打たれた一方で、やっぱりたくさん壁打ちしたんだろうなってことがわかる人と、自分だけで資料作ってほとんど人に見せなかったんだろうなって人の差を感じたからです。もちろん、人に見せなくても素晴らしい発表をして入賞している人も過去にいると思いますが、個人的にはジーズのコミュニティを活用しないのはもったいないと思います。よりY Conbinatorに早く近づき、なんなら追い越してもらって、俺はG'sの卒業生なんだぜ!ってもっと自慢したい(すでに結構自慢しているけれど笑)という下心が半分と、半分はバファリンのような優しさで壁打ちについて書くことにしました。
壁打ち〜準備編〜
では、早速壁打ちをしましょう!え、どうやって?
まずはクラスの同期に見せるでもいい。G'sの先輩にTwitterでDMするでもいい。恥ずかしかったら、G'sのスタッフに壁打ちしてくれそうな卒業生を紹介してもらうでもいい。一人で突撃したくなかったら、同期の人見知りしない人に頼んで、壁打ち会を開いてもらいましょう。
その際に、ある程度資料の流れは整えておくといいです。また、壁打ちする際には、どこが悩んでいるポイントなのか、どこを重点的に見て欲しいのか、などがあると、相手も意見を言いやすいと思います。
壁打ち〜本番編〜
個別にお願いしている場合には、オンラインの場合は、zoomやmeetなどを自分から用意して、前日または当日朝には再度リマインドする。という新入社員的なムーブも大事だと思います。
そして、どこを見て欲しいのかしっかり伝えてからピッチを聞いてもらうとベターです。本番同様、なるべく5分で話す。もちろん最初から5分で収まることは少ないと思いますが、言いたいこと全部言うバージョンを作り、そこから削るしかないです。5分の感覚を体で覚えておくことは意外と大事です。
とにかくたくさんの人に見せる、いいと思ったらなんども見せる
とにかくたくさんの人に見せましょう。私はおそらく50人以上には見せて、100回以上プレゼンしてたので、5分間分の内容が全部頭に入っていました。ですのでカンペも用意しませんでした。もちろん緊張してしまう人もいると思うので、カンペ用意しておくのはいいですが、目線は観客を見る方が、場を掌握できるからオススメです。観客の反応を見ながらピッチできるようにしましょう!
そしていいアドバイスくれた人には何度も見せて、感謝を示しましょう!
壁打ち〜資料編〜
先に言ってしまうと私はそんなに壁打ちが得意ではないです!(きっぱり)そもそも自分の事業もまだうまくいっていないのに、意見するなんておこがましいのではないかと思っている節すらあります。。笑
しかし私も諸先輩方にたくさん助けていただいたので、苦手ながら恩送りでやっています。私の壁打ちスタイルは、その人のWhy me?を深掘りして本質を言い当てていく、とかでは全くなく、単純にフラットに聞いた人に伝わるのか、資料が見やすいのか、似たような競合他社とかだとこんなことしてましたよねーって事例をお伝えする、などに終始することが多いです。(そもそも頭が良くないから本質をすぐ見抜くとかできないです。)
ですが、何人ものピッチを見ていると、毎回言ってることが結構かぶることがあるなーと思い、その点はまとめておくことにしました。つまりこのnoteを読めば、私への壁打ちは基本的に不要になるはずです?(壁打ちDX!)
一番映るスライドは、最初と最後のスライドです。
これ毎回言ってるんですが、司会の方が、続いての登壇者は〜って紹介している間、ずっと映っているスライドは最初の表紙で、ピッチ終了後、次の登壇者に向けて画面が切り替わるまで映っているのが最後のスライドです。当たり前やんけ!ってことなんですが、意外とここのスライド、作り込めていない人が多いと思っています。
まず表紙。プロダクト名だけ載せるのは、もったいないと思います。一番長く写るので、どんなプロダクトなのか、パッとわかる商品説明もいれる。もっといえば、どんな世界を実現したいのかまで書かれている方が、私はいいと思っています。
そしてラストスライド。ラストのスライドはそのピッチの読後感を決める大事な時間です。ここでもどんな世界を成し遂げたいのか、ビジョンとかを書いた方が個人的にはいいと思っています。最初と最後に一番言いたいことを言う。大事なら、何度でも言いましょう。
キラースライドを決めておく
自分の中で、一番想いを乗せられる、キラースライドを1枚だけでも決めておくといいです。そのスライドに来たら、声色を変える。その前よりも、少しだけ大きく喋る。自分であらかじめ決めておけば、変えられます。想いを乗せられる1枚を作りましょう。
横型のスライドでは、人の視線は左から右、上から下
これも当たり前なんですが、意外にも、私の統計上は3人に1人の割合で発生する矢印問題。なぜか右から左に【左←右】で流れていくビジネスモデル。下から上に上がっていく矢印の流れ。海外の文化は知りませんが、日本人のDNA的には、横型のスライドの時は、左から右、上から下です。斜めの場合は左上から右下に向かってください。
※もちろん自社と顧客の双方で矢印出る場合などは、一部右から左、下から上の矢印も書かないといけないことありますが、矢印が一方向なのにこの向きはやめていただけると。。
写真や、イラスト、こだわってますか?
写真とイラストのトーンがバラバラな人や、画質が悪い人、意外と多いです。例えばプロダクトの中身が高級系でラグジュアリー感あるのに、「いらすとや」のイラストだと、トーンがちぐはぐして、安っぽく見えます。いらすとやは僕も大好きだし社内プレゼンではお世話になることもありましたが、あまりスタートアップのピッチでは見たことないのも、トーンが影響していると思います。あと、こだわるなら写真も買いましょう。フリー素材のサイトの文字が残っている人とか、画像悪すぎる人もいますが、こだわった方がいいです。著作権フリーではないネットで拾ってきたと思われる画像を使っている人もたまに見かけますが、注意してください。
また、写真の上に文字を入れる際に、直接文字を書いて、後ろの色味と被って読めないこともあるが、その場合は帯とか引いて背景透過にするか、文字に影とかフチをつけて読みやすくしましょう。
あとは、グラフをネットから拾ってきてそのまま貼り付けている人がいますが、色味を資料に合わせた上で、自分でグラフを作り直しましょう。手間はかかりますが、強調すべき箇所を強調できますし、手作りで色味を合わせるだけで、全然違った印象になります。
会場ピッチの場合、適切なポイント数は?
たくさんいいところを伝えたい、と思うがあまり、文字が増えすぎて、文字が小さくなっている人がいます。会場ピッチでは、28ポイント以上が、後方の人が読めるギリギリサイズと言われています。zoomでのオンラインピッチだと文字小さくても案外読めちゃうんですが、意識的に大きめにした方がいいと思います。
下って意外と見えない
文字を書く位置にも、できればこだわって欲しいです。
スライドの目線の話をしましたが、文字の位置も同じで、結論とかタイトルっぽいことを一番下に書く人いますが、個人的にはやめた方がいいと思います。一番言いたい結論こそ、一番上か真ん中に、大きく書きましょう。
「〜〜〜です。(原因とか分析)」つまり!「〜〜〜です!(結論)」の構成にしたいから結論の文字が下になってしまう。という人は、結論部分は次のページに1ページ入れて、ドーンと大きく書けば解決です。
ローカルに落とす
たまにいるんですが、Googleスライドの人とか、タブ切り替えて動画見せている人はいますぐローカルにパワポを保存して、動画もパワポ内に貼り付けつつ、デスクトップにも落としておきましょう。会場のWi-Fiを信じている人多すぎです!笑
G's ACADEMYのピッチである意味
他のピッチ大会と一番違うのは、GGAはサービス点(事業内容)と技術点の平均で決まると言うことです。技術点はプロダクトを作り込むしかないです。しかし、どんなに作りこんでも、それが伝わらないともったいないです。使用した言語やAPIのロゴが並んだ1ページで終わらずに、どんな工夫をしているのか、このAPIを使うことで何が解決できたのか、技術の工夫点を伝えることで、来場した企業の方々(半数以上はプログラミングわからない方々)にも伝わります。本質的ではないかもしれませんが、なんかすごそう!って思ってもらう方が、技術点は高くなるし、せっかく頑張って作ったプロダクト、もっと見せようぜってことです。
壁打ち〜事後編〜
ありがとうが一番大事。
これも当たり前なんですが、壁打ちしてもらったら、ありがとうございました!ちゃんと伝えましょうね。あと結果報告とかも、、ないと悲しいから。泣いちゃうんだから・・・
最後は自分で決める
一番大事なことかもしれませんが、壁打ちしてもらった意見を全て聞く必要はないです。私もどちらかというと、人から言われたことを鵜呑みにしてしまうタイプですが、資料がどんどん自分の気持ちから離れてしまう感覚になったことがありました。自分が本当にやりたいこと、叶えたい世界を実現するために有効なアドバイスかどうか、今一度考えてアドバイスを取り入れるか判断しましょう。最後は自分が想いを乗せて話せるかどうか、で判断するのが一番いいと思います。
あとはやるだけ
他にもたくさんあると思いますが、あとは他の卒業生とか、児玉さんとか、壁神様と呼ばれる長友さんあたりに聞いていただければ、大抵のことは解決できるはず。(よろしくお願いします!笑)
あとはやるだけです。少しでも多くの人が、壁打ち回数を増やして、納得いくピッチができますように。
そして、自分がやってもらって嬉しかったことは、後輩にもやりましょう。恩送り、ペイフォワード、目指せ!壁打ちマスター!
この壁打ちの積み重ねが、いつか日本版のY Conbinatorを作り、やがてG'sが世界一のエンジニアと起業の学校と呼ばれることを願っています。