東京都若年被害女性等支援事業のおかしなハンコ 令和3年度Colabo請求書編
はじめに
先日記述した「東京都若年被害女性等支援事業のおかしなハンコ 平成31年度事業計画書編」
に続いて、別の調査で開示資料を見ていたら他にもおかしなハンコが出てきましたのでこちらも見ていきたいと思います。
しかも、これは令和3年度なので、まさに今暇空さんが訴えている住民監査請求・住民訴訟の対象の文書になります。
先日の東京都の住民監査請求を受けての調査ではこのおかしなハンコの内容には触れられてはいませんでしたので、詳しく見ていきたいと思います。
開示資料の内容
まず、関係する開示資料の内容を確認していきましょう。
(1)Colaco令和3年度概算払い請求書
Colaboが事業計画書の承認を受けて、概算払いの請求書を提出した文書ですね。
見てわかる通り、収受印が3つ押されています。
記載の日付と合わせると以下の通り
起票日:令和3年10月29日
収受印:令和3年11月1日(訂正)→令和3年11月11日(訂正)→令和3年11月19日
となります。
なんでまた3つも収受印を押しているのか?というのもありますし、この前年(令和2年度)の実施状況報告などから、福祉保健局の文書は収受印は押されなくなっており、唐突に収受印が現れたので、違和感大ありです。
(2)Colabo支払金口座振替依頼書
請求書に添付する、払い込み先の口座を指定する文書ですね。
過去にColaboはこの登録が遅れて、支払いが遅くなったこともあるので確認しましたが、こちらは起票日が10月29日になっているので問題はなさそうですね。
(3)支払命令書
請求書を受けて東京都側がその支払いの内容確認・支払いの執行をする文書ですね。
こちらは色々記載日付が疑問のところが多いです。
とりあえず、認識できる日付を羅列すると
発行日:令和3年11月25日
受付日:①令和3年12月3日 ②令和3年12月6日
入力日:令和3年12月7日
執行日:令和3年12月13日
支払予定日:令和3年12月13日
まず、発行日が請求書の記載日(令和3年10月29日)から3週間以上経ってますね。
これは下図の通り福祉保健局内の決済が遅れていたので、そのせいですね。
それから、受付印が2つあります。
この受付印は、会計管理局が福祉保健局から提出されて書類を受け付けた、いわば収受印のようなものと思うのですが、何で2つあるんですかね。
ちなみに①令和3年12月3日が金曜日 ②令和3年12月6日は月曜日ですね。
そして支払予定日と執行日が令和3年12月13日で、通常はここは一致します。
後でこの日付がキーになるので覚えておいてください。
(4)Colaco以外の令和3年度概算払い請求書
では、他の団体請求書はどうだったのかを比べて見てみましょう。
若草:収受印なし
BOND:収受印なし
ぱっぷす:収受印あり(令和3年7月16日)
団体によって押されていたり、押されていなかったりしていますね。
若草・BONDは押されずに、ぱっぷすは1つ、Colaboは3つ押されています。
そもそも収受印は受け取った日付で一律押すものなので、押したり押さなかったりするものではないはずなんですが、なんででしょうね。
ここもキーになるので覚えておいてください。
開示資料から読み取れる収受印の推察
ここから開示資料を元に推察してみたいと思います。
支払の期限
ここで、東京都若年被害女性等支援事業の委託契約書を確認しましょう。
15条3項 「委託者は第1項による請求を受けた時は、その日から起算して30日以内に、代金を支払わなければならない」
つまり、「(東京都は)請求から支払いまで30日以内に済ませなさい」ということですね。遅れたら遅延利息支払いのペナルティ付きです。
なので、請求から支払いまでに30日という期限があることが委託契約書から読み取れますね。
WBPCの請求書と支払命令書を比較
ではWBPC4団体の請求書と支払命令書を比較してみましょう。
まぁ、一目瞭然ですが、まとめると
前述した「(東京都は)請求から支払いまで30日以内に済ませなさい」という支払の期限30日で線を引いてみると明らかですね。
起票日から30日以内に支払予定日を迎えている若草・BONDは収受印が押されていません。
でも、30日を超過しているぱっぷす・Colaboは収受印が押されています。
しかも、Colaboの収受印は訂正を重ねた上で最終的に支払命令書の支払予定日から30日以内に収まるように収受印を押しているように見えますね。
ぱっぷすも同様に支払予定日の前月の同日に収受印が押されていますね。
日数に直すと正確には31日ですけどね・・。
つまりは
収受印を押した経緯に対する推測
こういうことでしょうね。
若草・BONDは起票から30日以内に支払いまで行えたので特に収受印はなし。
ぱっぷすは請求書の起票日から支払予定日が35日なることが解ったので、本来押す必要のない収受印をあえて押して7/16に東京都が受け取ったことにした。
なので委託契約書の「委託者は第1項による請求を受けた時は、その日から起算して30日以内に、代金を支払わなければならない」には「収受したのは7/16だから、セーフ。」という解釈ですかね。(結局31日だけど・・)
また、Colaboも同様に請求書の起票日から支払予定日が45日なることが解ったので、こちらも収受印をあえて押して11/19に東京都が受け取ったことにして、30日以内の24日にした。
だから、「委託契約書記載の30日以内に収まっている」という解釈ですかね。
まとめるとこうなります。
さらにColaboに関しては収受印が11/1、11/11、11/19と3つ押されています。何で3つ押されているのかは、それに関わるようなルールがあるのか、今のところは決定的なものは私にはわかりません。
ただ、支払命令書を見ると、会計管理局の受付印が12/3と12/6に何故か2つ押されています。
さらに、発行日から受付まで1週間以上かかっていますので、会計管理局から書類の不備や不足があって、何回か突き返されたんですかね。
そんなやり取りがあったので受付印が複数押され、それに伴って収受印も何回か押し直す羽目になった。
そんな所ではないでしょうか。
そもそも収受印は
若年被害女性等支援事業で平成31年度(令和元年度)までは収受印は各種提出資料に押されていましたが、令和2年度から全く押されなくなりました。
平成31年度(令和元年度)までは収受印が押されていた各資料も、令和3年度はご覧の通り。
そして、今回みつけた「ぱっぷす」と「Colabo」の請求書だけ(赤線の所)収受印が押されています。
収受印は使用しないルールになっていると思われるのですが、突如現れた収受印という所で、怪しさ倍増ですね。
しかも、収受印の本来の目的である「収受した日付を証明」するためでなく、「委託契約書で取り決めたルールを逸脱しないように見せるため」に押されているように見えてしまうという、何ともお粗末な状態ですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。
先述までの東京都は自分達または事業の状況を取り繕うために、先述までに記載したような本来のルールを逸脱した事務処理が、常態化してしまっているんですかね。
さらに言えば、もし書類の不備や不足であれば、そんな本来のルールを逸脱した事務処理をせずに、もう一度請求日を改めさせて提出させればよいのに、何故か福祉保健局側があの手この手を使って問題にならないように対応していて、福祉保健局だけがやたらにリスクをとっているようにも見えますね。
このあたりがColaboまたはWBPCと東京都の間の力関係を垣間見ることができるポイントなのかもしれませんね。
暇空さんが今進めている東京都への住民訴訟の結果から、この辺りについても明らかになることを願いつつ、今回のお話はここまでにさせていただければと思います。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
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