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東京都若年被害女性支援事業のおかしなハンコ 平成31年度の事業計画書Colabo編


はじめに

前回記載しました「東京都若年被害女性支援事業のおかしなハンコ 平成31年度の事業計画書編」の続きになります。

前回は東京都若年被害女性等支援事業の平成31年度の事業計画書・請求書のおかしなハンコについて取り上げましたが、対象はライトハウスとBONDプロジェクトでした。
しかし、平成31年度東京都若年被害女性等支援事業の委託団体は
・Colabo
・BONDプロジェクト
・ライトハウス
の3団体なんですよね。

平成31年度 委託契約締結の決裁書から

前回はライトハウスとBONDプロジェクトは出てきました、Colaboは出てこなかったですね。
何故出てこなかったのか、その内容と東京都福祉保健局の対応について今回は記載したいと思います。
今回はおかしなハンコは出てきませんが、平成31年度の東京都福祉保健局の東京都若年被害女性支援モデル事業の対応のおかしさを示す内容ですので、最後までお読みいただければと思います。

Colaboの令和元年度の開示資料

(1)Colaboの令和元年度の事業計画書

では、まずはColaboの令和元年度(平成31年度)の事業計画書を見ていきましょう。

令和元年 Colabo事業計画書

ライトハウスやBONDプロジェクトのように複数のハンコが押されていることはないので、一見問題なさそうですが、日付を見てください。
起票日:2019年8月15日
収受印:1.8.19

事業計画書を8月に提出していますね。
ライトハウスやBONDプロジェクトが事業計画書を提出したのは6月でしたよね。 なんか遅すぎやしませんかね。
委託契約期間が平成31年4月1日からですから、

平成31年度 委託契約締結の決裁書から

既に4か月半経過しています。
委託契約期間の1/3以上が終わってから事業計画書を提出していることになりますね。
しかも、Colaboの事業計画書の承認決裁はColabo単独。

平成31年度 Colaboの事業計画書の承認 決裁書

何故ライトハウスとBONDプロジェクトと分けたんでしょうね?

平成31年度 他2団体の事業計画書の承認 決裁書

普通に考えれば、Colaboだけ事業計画書が提出されなかったんでしょうが、なんで、東京都福祉保健局はそんなこと許しているんでしょうね。

しかも、このColaboの事業計画書承認の決裁書には、何故か委託契約書が添付されていて、事業計画書が添付されていないんですよね。

事業報告書の承認決裁に委託契約書が添付

意味不明ですね。
私が持っているpdfがたまたまなのかな・・・。

(2)事業計画書はいつ出さなければならない

正確な日付は明示されていませんが、東京都若年被害女性事業の仕様書に

若年事業仕様書 7事業計画書の提出

「受託者は契約締結後速やかに、都が定める様式により事業計画書を作成し、都の承認を得ることとする。」とあります。
委託契約の契約についての決裁書は3/29に決定、4/1に施行

平成31年度 東京都若年事業委託契約締結決裁

実際に委託契約は平成31年4月1日に契約しています。

平成31年度Colabo委託契約書

4/1から事業開始なので、本当は事業計画も完成していないとおかしいですが、一方で事業計画書の作成が委託期間内に含まれるので、この日から事業計画書を作成しないと正確には契約違反になるので、実態として4/1作成完了は困難でしょう。
ただ、速やかにという言葉から、一般的には少なくとも4月中には作成が終わっているイメージだと思います。
感覚的には2週間程度かな。

BONDとライトハウスは下記の前回のnoteで記載した通り

6月に事業計画書が承認されていましたが、Colaboがなぜか含まれていないのが不思議ですね。
3月にBONDのおかしなハンコを見つけた時に、なんでこのBONDプロジェクトとライトハウスの決裁にColaboが入らず、しかも2団体だけ手書きの宛先を書くというおかしな決裁書になったのかを以下のように勝手に推察していましたね。

今の判明している状況からだと、一カ所違うところがあって、6/14の所は
 BOND6/10、ライトハウス6/12に事業計画書収受
 →6/14速攻承認
なのかな。

ともあれ、Colaboは事業計画書を8月に提出という重役出勤ならぬ重役提出をしていて、東京都としてもこれを許しているというのが、なんともおかしいですね。

(3)バスカフェスペースのための借用協定書の決裁

他にも、この事業計画書の遅れに関連しておかしな書類があります。
Coalboはバスカフェ開催にあたって新宿区と渋谷区からバスカフェの開催スペースを借用しているのですが、そのスペース借用の協定書の決裁を確認すると、

スペース借用の協定書締結の決裁 左:新宿区 右:渋谷区

新宿区分は11月、渋谷区分は8月に決裁をとっていますね。
そうすると、委託事業開始の4月からその日まで、何を根拠に東京都は新宿区と渋谷区からバスカフェの開催スペースを借用したんでしょうね。

Colaboが事業計画書を提出していて、その事業内容が承認されているなら、そこから派生してバスカフェの開催スペースを借用するという手続きに入るのが本来のあるべき姿と思いますが、これをすっ飛ばして借用していますよね。
もちろん、この期間(4月~8月)にColaboはしっかりバスカフェ開催してますね。

Colabo  平成31年度第1四半期 実施状況報告書

実際、バスカフェの開催スペースを借用するための決裁の通信欄を見ると、渋谷区が8月から、新宿区に至っては11月から、4月まで遡って適用していますね。

借用決裁 通信欄拡大 上:新宿区 下:渋谷区


つまり、この間は何か正式ではない方法で借りていたということになり、延いては、ナニカ他の力が働いていると考えるのが普通じゃないすかね。
まぁ、「前年度と同様にいったん継続させて下さい」という口添えがあったんでしょうね。書類上はNGだと思いますが。

あと、渋谷区の決裁見ると、Colaboから事業計画書を受領する8/19よりも前に、起案から決定しているけど、これこそ「何を根拠に決定した?」になるんですが、大丈夫なんかなこれ。

スペース借用の協定書締結の決裁 渋谷区

通信欄を見ると、どうも根拠として事業計画書ではなく、協定書案を根拠にしているようですが

スペース借用の協定書締結の決裁 通信欄拡大 渋谷区

協定書の作成って事業主体である東京都、またはスペースを提供する渋谷区が作るものと思いますが、なんでColaboが協定書案を作成しているんでしょうね。

(4)実施状況報告書

事業計画書の遅れの影響か解りませんが、この年度の実施状況報告書もおかしな提出状況になっています。

Coalbo平成31年度実施状況報告書 左:第1四半期 右:第2四半期

平成31年度第1四半期実施状況報告書 
 起票日:2019年10月18日
 収受印:1.10.23
平成31年度第1四半期実施状況報告書 
 起票日:2019年10月18日
 収受印:1.10.23
第1四半期と第2四半期の実施状況報告書を同じタイミングで提出していますね。
なんで、第1四半期の実施状況報告書がこんなに遅れているんですかね。
事業計画書が遅れたから?
ならば、尚更のことですが、もっと早く提出する必要があったでしょうし、前述のバスカフェスペースの借用は事業計画書提出の前の8月から東京都福祉保健局を動かしているのに、こちらは一体どうなっているんでしょうね。
事業計画書同様、東京都福祉保健局はまたこれも良く許したな、という印象ですね。

(5)支払いに関する書類

それから、概算払いに関係する書類として、請求書があるのですが、請求書そのものは特に問題はないですねと言いたいですが

平成31年度Colabo請求書と支払金口座振替依頼書


概算払いの際に請求書の明細となる事業計画書の決裁などは、通常会計管理局の審査済印押されるのですが、Colaboのだけはそれがないんですよね。

平成31年度 Colabo事業計画書承認決裁

BONDプロジェクトとライトハウス事業計画書の決裁には審査済印がしっかり押されていますね。(右下)

BOND・ライトハウス事業計画書の承認の決裁

Colaboの事業計画書に審査済印がない状況は、明細を確認しないで支出したことになりますね。
前述しましたが、Colaboの事業計画書の別紙って

平成31年度Colabo事業計画書承認決裁とその添付資料

何故か、事業計画書ではなく、委託契約書が添付されているんですよね。
委託契約書に事業所要額の明細なんて付いていませんから、これでは福祉保健局は会計管理局に事業の詳細を明示できていませんね。
でも、何故か10月に概算払いの決裁が下りていますね。

平成31年度Colabo概算払い決裁

概算払いも実施されているようですが・・・

Colabo概算払い 支払命令兼予算差引確認書

支払日が判らないですね。
支払日は支出命令書に記載されるのですが、その支出命令書が開示資料に含まれていないんですよね。
書類の管理も含めて福祉保健局は大丈夫なのかなコレ。
私が持っている開示資料がたまたまそうなのかもしれませんが・・・。

※2023年8月21日追記
別の開示資料に支出命令書はありました。 
ご指摘の通り後から開示された資料に入ってましたね。

支払日は令和元年11月12日ですね。

平成31年度 若年事業Colabo概算払い 支出命令書

受付印・執行済印が11月なので、事業計画書の決裁には令和元年11月の審査済印が、無いといけないですが、前述の通りそもそも審査済印が無いですね。
※追記ココまで。

まとめると

話が長くなったので纏めましょう。
①仕様書では事業計画書は「契約後速やかに」なのに、事業開始から4か月に提出、何故か東京都には許される。
②他事業者と比較しても2か月遅れで事業計画書を提出。
③事業計画書を提出していないのに、バスカフェのスペースは抑えてもらう。
④事業実施報告書(第1四半期)は3か月遅れで提出、また何故か東京都には許される。

この状況を見るに、Colaboは何か特別扱いされているというか、東京都側が相当配慮しているように見えますね。
本来の事業手続きを超えた、ナニカ他の力が働いているように見えるのも無理はないかなと私は思います。

加えて前述の(5)の事業計画書が会計管理局で審査済印が無い状況を鑑みるとお金の支払いまでナニカ配慮されているように見えますので、これまでの東京都福祉保健局の対応を見ると、このColaboの事業計画書も本当に令和元年の8月に提出されたものなのかな?と疑ってしまいますね。

今回のWBPCの問題を見るにつけ、仕様書や東京都の事務手続きに対して、相当な配慮しているところが、東京都福祉保健局の若年被害女性支援事業の暗部を示しているのではないかなというのが、垣間見れるたかと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか。
前回の平成31年度(令和元年度)の東京都若年被害女性等支援事業の事業計画書の収受印が何故3つ押されていたのか、とは少し話がズレましたが、収受印が3つ押されていたのと同じくらい、Colaboの事業計画書周りで不思議なことが起こっていますね。
つまりは、3団体全てにおいて東京都福祉保健局はおかしな対応しているということが解ったかと思います。

表面上の事務手続きの矛盾の話ではなく、こういった一見考えるとおかしな東京都福祉保健局の配慮が、東京都若年被害女性等支援事業の暗部の問題として更に深堀する必要があると思われます。
そして、こういった問題を是正していかないと、せっかくある制度も形骸化して結果「腐敗の温床」になるということを一都民としては見ていかないといけないのかなと思う次第です。

前回の繰り返しになりますが、これを東京都が必死に隠そうすることではなく、おかしかったところの膿は出し切って、是正し、必要であれば規則の改定をして、都の事業の運用をメンテナンスしていくことが、東京都に一番求められていることであり、「公金が本当に正しく使われているのか?」の問いに対する、最大限の回答だと思われます。
という所で、今回のお話はここまでにさせていただければと思います。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。

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