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萩焼プロダクト「エヌ・ヨンヒャク(N▶400)」の秘話とアイテム紹介!

こんにちは、のぶちかです!

さて今回は知る人ぞ知る萩焼プロダクト「エヌ・ヨンヒャク(※以降、『エヌ』」について初めて詳細に記してみます。

ちなみにエヌは5月20日22時よりオンラインでの販売を開始予定なので、その前に予備知識としてよろしければどうぞ(笑)。

それではドキドキしますが早速いってみましょう!

「N▶400」とは?

「N」は「NEXT」。
「400」は「400年」。

400年以上の歴史がある萩焼の「次の400年に向けての新たな萩焼作り」という、果てしないスケール感のコンセプトのもとにJIBITAのぶちかが発起。

ディレクションをJIBITAのぶちかが担当し(←生意気)、製造を萩焼窯元天龍窯が行う事で2015年にスタートしました。

N・400 ロゴ

☝エヌのロゴ。

てっぺんの赤は日の丸の赤。
「日本の焼物として世界に行くぜ!」
という、意気込みだけは一丁前の意図が隠されています 笑(2015年当時)。


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☝指月山(左のポッコリ黒三角)

ロゴのアシメの三角形は、萩のシンボル代表「指月山」のアウトラインをイメージ。
「日本の焼物 <  萩の焼物」  として認知されたいという思いがこのアシメには込められております 笑。

のぶちかが見る萩焼業界

当時ののぶちかはこう考えていました。

「萩焼業界の衰退を再興したい」

しかし、

よく考えてみると、「萩焼」はそもそも美濃や有田、波佐見といった量産品をたくさん作る一大産地と違い、個人の作家が独自に活動する比率が圧倒的に多い産地。


土岐市 生産量グラフ

☝「土岐市美濃焼PR委員会」様によるセンス溢れる分かりやすいグラフ。 
  グラフを見ると焼物生産量において萩焼は圏外・・・。


その為、業界レベルで他産地に追いつく事は生産構造上、難しい。

ではその野望を達成する為にはどうすれば良いか?

個人単位の製造量ではなく多ロット生産できる状態を作り、もろさや変色という萩焼の特徴(≒デメリット)を改良し、磁器の様に多くのシーンで使ってもらえるオシャンティーなプロダクトを生み出す事。

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そして先ずは「エヌ」が先行して萩焼オシャンティー路線を開拓、浸透する事ができれば、良い意味で「昔ながらの萩焼でなければならない」という呪縛等により販売に伸び悩む作り手の解放のきっかけとなり、より自由に楽しく新たな萩焼作りをし始める作り手が増えるだろう(※古典的な萩焼が悪いという意味では全くありません)。

そうなれば今よりもっと産地としても注目を浴びる様になり、萩焼業界全体へも大きく波及していくだろう。

そう考えた訳です(2015年当時)。

職人軽視の産地で職人探し

幼少期から萩焼を見聞きしてきて、萩焼業界と他産地を比べた時に顕著な差を感じたのが「職人」の価値に対する捉え方でした。

つまり、

作家は偉い。 
職人は格下。

みたいな感覚が強いのが萩焼業界だなぁと。

一方、

京都やその他産地ではこの「職人」という言葉にはある種のリスペクトが含まれていて、場合によっては作家性も含めた意味合いで「職人」という言葉が使われるシーンにも度々遭遇するので、そのニュアンスの差に一時期「どゆこと?」状態になってました。

そこで改めて「職人」について考えてみたのですが、少なくともエヌの様な多ロットプロダクトを進める場合、「職人」こそが必要な存在だと気付く訳です。

ディレクション通りに具現化できるスペシャルな「職人」。

そんな「職人」が在籍していたのが天龍窯でした。


職人 兼子さんとの邂逅

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「萩焼は高い!」

そんなイメージを持たれている方も多い萩焼にあって、しかし広げるにはある程度安価でなければならない。

思えば当時はそんな風に考えていました。

その為には生産効率も上げないといけないし、それにはロクロ仕事では限界もあり…、

とそんなところに、エヌ立ち上げの相談に上がった天龍窯にはなんと型を作れる職人が在籍しているという幸運に巡り会った訳です!

前述の通り、

「職人軽視≒型物軽視」

な産地なので、そもそも萩は常に型職人不足…。

その中にあって型を作れる職人の希少性たるや!

その職人こそ兼子さんでした!

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☝型要塞の御自宅で型作りを御指南下さる兼子さん。

兼子さんが作る型は水ゴテ(機械ロクロ)用。

ロクロ比較での生産上メリットは、

・ロクロでは作れない細かい意匠も成形可能 → 例:ピューター写し
・ロクロがひけない人でも成形可能 → 短い技術習得時間で誰でも作れる
・粘土の削りカスが少ない → 原価圧縮
・成形時間の短縮 → 生産量向上

etc…

また、半自動半手動という工程上、仕上がりに若干の個体差が生まれる事で鋳込み型物と比べ手作り感が表れる点も大きなメリット。
当時は完璧なまでのマシンメイドにある種のチープ感を感じやすいのぶちかだったので、この手作り感の出る水ゴテ型はたまたまとは言えとても重要なポイントでした。

◆プロダクト紹介◆

「KIKUGAHAMA」

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萩のビーチ「菊ヶ浜」から命名。

ネーミングはかなり迷ったのですが、当初「萩から世界に!」と考えていたので(←もうあきらめたんかい 笑!)、萩色を全面に出していこうという事でこちらに☝

作った理由

「今までに無かった焼物を作りたい」と、ずうっと考えていた時期がありまして。

ある日、考えまくって寝落ちしたら夜中の2時半位にフッとイメージが沸き、起きてメモを取って、翌朝、兼子さんに相談しに行くと

「できるよ」

と即答(笑)。

ただその時は四角い形状での提案でしたが、「丸ならできる」という事で一瞬で言いなりに(笑)。

ポイントは、

手前から奥にかけて一方向に傾斜を付ける事で、釉薬の厚みによる差から一方向へグラデーションを生み、それが浅瀬から沖に向かって深くなっていく海の様な景色を呈するところ。

ちなみにガラス釉系はどこにでも散見しますが、それらのほとんどが放射状のガラス溜まり。

KIKUGAHAMAは一方向への傾斜を付ける事ができた事により、それらの性格と全く違う表現に辿り着きました。

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もうひとつ重要なポイントが器面のフラット性

ある時、フレンチのシェフに某作家のフラットな台皿を使って頂いていたのですが、凝ったスタイリングをする(例 アスパラを立てる等)場合に、

一見フラットに見えているものでもわずかなロクロ目や緩やかな凹凸がそのスタイリングの邪魔をする

というフィードバックを頂きました。

それから

「どうすれば完全なるフラットは実現できるのか?」

とずっと考えていると、

溶けた釉薬は液状化する為、ボディ表面の起伏に関係なく焼き上がりの表面だけは綺麗なフラットになる筈!

と思いつき、完成形を見てその仮説が正しかった事にとても喜んだのを書きながら思い出しました(笑)。

歩留り最悪 KIKUGAHAMA・・・

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☝釉薬の縮れやボディの割れが多発・・・


KIKUGAHAMAはとにかく歩留まりが悪い・・・。

例えば、

・釉薬が縮れる
・大貫入と共にボディまで割ける
・大貫入で手を切る
・各貫入の切れ目にガラスのトゲ状の物が発生
・焼成時に棚板が水平じゃない場合、器面焼き上がりも斜めになる

等々、何をどうしても歩留まりが20%以下という作り手にとっては恐ろしすぎるキラーアイテム(←意味違う)だったのです。

KIKUGAHAMAは嬉しい事に完成形を御覧頂いた多くの方々から沢山の受注を頂いたのですが、恐ろしい事にその受注のほぼ全てに納期遅延(最長1年超レベル 滝汗!)が発生しました。

その原因はもちろん歩留り…。

完品を確保する為に80%以上を廃棄しつつ、祈る様な思いで窯出し品の中から探し出し取り貯める…。

そうしてようやく受注量を確保して、みたいな事を繰り返している内に、

「これは一旦、製造中止にするしかない」

という決断から現在に至っております…。

また復活を果たす日は来るのだろうか・・・?

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ちなみにKIKUGAHAMAを御採用下さった飲食店様がこちらです(順序は御購入順です)。

「MAVO」
フレンチとのティーペアリングにおいてパイオニアである西村 勉シェフによる「MAVO」様。
現在、京都祇園から京都上弁天町へ移転。
料理、ティーペアリングのみならず、美しさへのこだわりと追及に傾けられる情熱が極めて高く、その美意識にのぶちかも強く影響を受けております。

「山地陽介」
日本の有名店及びフランスでの11年の修業の経られたオーナーシェフ山地陽介氏が京都祇園にオープンされたフレンチレストラン「山地陽介」様。
「人生を磨くと料理が磨かれる」という思いのもと、フランスにて出会った世界35か国の友と研鑽した料理は、いまだ終わりなく磨き上げられています。

「野菜フレンチSuzu」
オーナーシェフの鈴木宏和は、ホテルオークラなどで修業。その後、渡仏。一つ星、二つ星のジャン・リュック・ラバネルで腕を磨かれました。のぶちかは個人的に鈴木シェフの美しく透明感のある料理写真がとても好きで、それを通じ、美しさを見抜く眼に職種は関係ないという事を強く意識付けて頂きました。

「Smooth Wave」

☝中心から同心円に凹凸を付ける事で水面の波紋をイメージした皿。
施釉前のボディ凸部に指跡のエッジが出ない様に、マットで滑らかな質感の釉薬を施す。

本来はこちら、もっとサイズ展開や色展開をする予定でしたが未だこのワンタイプのみ…。


「鎬碗・鎬ボウル」

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☝高台の高さを低くそして径を小さくし、高台脇でラインを絞る事により和食器よりもスタイリッシュに仕上げました。

日本の飯碗の形状は高台が高めで、高台脇から垂直か撥高台(ばちこうだい)の様に開く物が多いのですが、その形状を飯碗以外に見立てて使うとどうもオシャレじゃなくなってしまいます(えっ!これごはん茶碗なのに!?的な)。

鎬デザイン

☝のぶちかのフリーハンドデザイン(笑)。
これに細かい説明を補足して兼子さんに具現化してもらいます。


しかしエヌの鎬碗の形状であれば設計が飯碗規格とは異なるので、例えばヨーグルト、グラノーラ、シリアル、サラダ、スープ等々、色々な見立てが効きます!

また、和洋どちらのインテリアにもフィットする点もおススメ☝

白いタイプは釉薬がスベスベサラサラなのでお米もくっ付きにくく、洗いやすくて特に女性に人気♪

また、白は一般的な白萩釉とは異なり貫入が入らないので(いわゆる『萩の七変化』が起こりません)、このままの美しさがずっとキープされます☝

ボウルは実はかなり大きくて、うどんの冷凍麺なら二玉入れても余裕です(笑)。使わない時はフルーツを入れて置いておくだけでも絵になります☝

☝鎬ボウル このうどん、麺が二玉入っています(笑)。

「ピューター写し」

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そして今回の販売のメインになるのがこのピューター写し。

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☝ねじり鉢巻きの兼子さんとピューターの型。型は本歌通りにバッチリ決めて下さいました。奥は天龍窯、中村社長。


さてここで補足ですが、ピューターの本歌は1800年~1900年代にイギリスやフランスなどで使われていたアンティークの錫製の器で、ピューター自体は錫を主成分とした低融点合金を意味し、そのデザインを意味する訳ではありません☝

ただ一般的に「ピューター」という呼称は本歌のアンティークピューターだけでなく、その写しのデザイン全般を指すものとして使われたりもします。

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☝本歌のピューター。傷だらけでもカッコいい…。

さて、写真の他にもカッコいいデザインのピューターは多数あるのですが、そのデザイン性に憧れて全国各地で写しを作られる作家や工房も多く、値段や雰囲気もピンからキリまで様々。

そんな中、エヌでは本歌に敬意を払ったオマージュとしての制作に向かう事を決め、色、質感、重量感等、総合的にチープな印象にならない様、留意。

200種類以上の釉薬テストを終え、その中から少しでもアンティークのイメージを損なわない色を探りました。

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☝テストピース達。
良い色が沢山出ると、逆にどれを選べば良いか分からないという沼へ入り込む・・・(笑)。

総釉が苦難の始まり…

型制作、釉薬調合まで順調に進んだピューター写しでしたが、フォルを本歌のデザインに忠実にありたかった事から苦難が始まりました…(笑)。

と言うのは通常、焼物は「高台」を付ける事で焼成がしやすくなったり形の変形を防いだりし易くなるのですが、本歌のデザインには「高台」が存在しません。

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☝本歌のピューター(錫合金製)。ベタ底で高台が無い。そもそも焼かないので付ける必要も無い。付ける必要が無いのでデザインの美しさを追求しやすい。よって美しい 泣。


更に本歌への忠実性を追求すると、※総釉(器物全体に施釉する事)にして土見せを作らない事が重要になります。

※施釉していない部分から見える土の色と釉色に差が出るとデザイン上違和感が生じる為、総釉が望ましい。

そこで、、、

のぶちかの主張は総釉。

兼子さんの主張は、ベタ底なら畳付きのみ土見せ(無釉)。総釉なら高台付き。

結局、兼子さんが折れて下さり、総釉でテスト(ありがたき幸せ~)!

しかし、この場合は童仙房(※焼成時に器と棚板が直接くっつかない様にくっつける粘土玉)が必要になるのですが、童仙房は焼成後に削り落とす為、その後は「目跡」という傷になります。

できるだけその傷は少ない方が良いのですが、いざテストに進むといくら童仙房の配置や個数を調整してみても、焼成時の熱で生まれる皿のヘタリ(「歪み」や「変形」)が解消されなかったのです…。

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☝目跡

度重なる失敗に兼子さんからは何度も「高台を付けましょう!」と提案されましたが、やはり本歌のデザインの美しさに魅かれていましたし、作りやすさを優先する事で本歌に対し敬意を払えないなら作る意味すら無いと思っていたので、どうにか変形しない目跡の配置を試し続けて頂き、ようやく完成に至ったのがこのピューター写しです 泣。

その意味でのぶちかにとって上の目跡の配置はただの傷ではなく、のぶちかのわがままを甘んじて受けて負けずに挑戦し続けて下さった兼子さんの執念の証しなので、下手すると器表面以上に価値を感じてしまう存在なのであります 泣。

それはさておき(←さておくんかい!)、

それ以外の点では敢えてラフに作っているのがこのピューター写しなのです。

例えば「施釉」。

これまでムラの無いカチッとした完璧な器作りをしてこられた職人兼子さんにこの事を理解してもらうのは並大抵の事ではありませんでしたが、とにかく「釉薬の掛けムラをワザと作って下さい」と、工業製品の様にカチッとした器に焼き上がる度にお願いしました(とても心苦しかったですが…)。

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☝敢えてお願いした釉の掛けムラ。

また、このシリーズはボディー表面に粘土が詰まっていない部分(シワ)が出る場合があります。

こちらは水ゴテ制作ではたまに出てしまう現象ですが、こちらもよっぽどでない限りオーケーを出しています(←生意気のぶちか)。

一方で兼子さんは当初、この様な現象が出ると「失敗した!」と慌てられ、のぶちかからオーケーが出る事をむしろ不思議がられていましたが、今はやっと慣れて頂きました(笑)。

余談ですが萩焼は「茶陶」にルーツがあります。

時代を大きくさかのぼると、豪華絢爛な「書院茶」から「侘び茶」に流行がシフトした時に、「侘び茶」の大きな鑑賞ポイントに「不完全な美」という価値観があったのです。

萩焼はその価値観をとても尊重してきた焼物なので、エヌにおいても「完璧」を追うのではなく、手作り感が見える器作りを行っていきたいと考えているので、掛けムラ、シワはむしろ見どころ。

ピューター写しにはそんな思いが込められています。

「ピューター写し」×「インスタグラマー」

お陰様で人気インスタグラマーさんにも多数御利用頂いているピューター写し。

せっかくなので使用例含め御紹介します!

☝先ずはのぶちかが敬愛してやまないオシャレダンディズム @pepe39 さん♪ 焼物しか知らなかったのぶちかに色々な事を教えて下さり、JIBITA立ち上げ当初から助けて下さったのはpepeさんでした 泣。
そんなpepeさんの素敵なインスタグラマー友達の皆様を御紹介頂き、ピューター写しは素敵に彩られました♪

まだまだ素敵に撮って頂いた写真があるのですが、兎にも角にも使用例としてのバリエーションが豊富で洋皿なのに和食やお好み焼きまでしっかりと包み込んでくれる皿だという事が良く分かります。

素敵に撮影して下さいました皆様、本当にありがとうございました ♪
おかげでピューター写しがイキイキとしております 泣!

エヌ・ヨンヒャクを通じて今、思う事

エヌは2015年ローンチなので、本来であればもっとたくさんのアイテムが生み出される予定でした。

しかし、現在はほぼ牛歩でしか進んでいません。

原因は本当に沢山あります。

ただひとつ言える事は、発起人であるのぶちかの力不足、これにつきるなぁ~と…。

例えば波佐見焼。

エヌを通じて色々な問題に直面し続けた訳ですが、それらを経験してから改めて波佐見のブランディング成功までのプロセスを知ると、色々と足りなかった事に気付く訳です。

ちなみにそれまではブランディングを成功した波佐見のアウトプットを見ても、単にオシャレで安くて機能的なプロダクトとしか見ていなかったのですが(←失礼千万!)、自分の目から見てそのアウトプットに魅かれるかどうかはエヌのブランディングを成功させる上ではどうでもよく、見るべき学ぶべきはもっと違うところにあった訳です…。

多くの人が関わる事柄においてちゃんと事を為す(ブランディングまで行かずともアウトプットし続ける)、という事だけでも大変なのに、ブランディングまで成功させる事がどれほど大変か、という事をエヌを通じて気付きました。

波佐見と比べエヌはブランディングに必要なノウハウ、人、物、環境が整っておらず、

「作れる時に作れるものを作っていく」

というフェーズから抜け出せなかったなぁと…。

物理的な面からしても、天龍窯の稼働状況は当時からブライダル、ギフト等のオーダーで常に窯はフル回転。

その合間を縫って兼子さんとその他の職人さん達が窯詰の調整をはかって、挑戦して下さいました。

そして兼子さんに至ってはエヌにかかる

・型制作
・釉薬調合
・焼成テスト
・スケジューリング
・全体調整

等々を、その他の通常業務をこなしつつおひとりで請け負っておられたのでかかる負荷はとてつもないものだったと思います。

エヌ用にチームを部門化できれば良かったのですが、都合上そうもいかず兼務を免れませんでした。

また、せめて兼子さんの型制作の技術を踏襲してくれる職人さんがおられれば良かったのですが、色々な事情により今後もその目途はまだ付いておらず…。

世界に向けて発信していくどころか展望も見えない状況になってしまっている事に、ド派手にぶち上げたはいいが「今後どうするねん?」というもどかしい気持ちがのぶちかの中に生まれていた事も事実です。

ただ、

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先日のGW中に行ったオンラインJIBITAまつり(インスタライブ)にてこのエヌについて御質問頂いた事をきっかけに、久し振りにエヌプロダクトのディテールに触れる機会を得たのですが、その説明に対して視聴者様からの反響が良く、それと共にもどかしかった気持ちが薄まると共に、エヌプロダクトの忘れかけていた魅力を思い出したのです。

「この子たち(エヌプロダクト)は全然悪くないじゃないか」

それに気付くと、やや頓挫中のプロジェクトとは言え今完成している子達に対しては愛を持ってしっかりと発信する機会を設けたい。

そう思うに至りました。

5月20日22時から改めてオンラインにて販売を開始、そしてその前にインスタライブにてちゃんとアイテム説明を行いたくなった理由はそういう経緯からです。

ちょっとシンミリしましたが、のぶちかは元気です!

そしてこのnoteを読んで頂きエヌに少しでも御興味を持って頂けた方は、ぜひインスタライブを御覧下さいませ!

のぶちか、猛烈に語ります!

★エヌ・ヨンヒャク アイテム紹介 インスタライブ日時
・5月20日 昼の部 12時30分~13時30分
       夜の部 21時~21時55分
※昼の部の方がアイテムの色味がリアルです☝また、夜の部も話す内容はほぼ変わりありません(たぶん…)。


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