見出し画像

親鸞総覧ランラン♪【五色園】

愛知県日進市。名古屋の東外れにあるこの街には知る人ぞ知る珍スポットがあるという…。彩色あふれたコンクリート像がわんさかとひしめいており、夜には動くとも言われているそうな…。(ファクトチェック未済)

今回は愛知県日進市にある親鸞聖人がテーマの宗教公園:五色園について紹介いたします!

片田舎の街から突然現れるコンクリート像たち

画像1

駅から五色園へ歩いた際の風景。間延びした感じがとても良い。

親鸞のテーマパークがある。(しかもデカい!)

この噂を聞いたのは5年以上前であるが、最初は驚いたものである。某ネズミが縄張りを張る夢のテーマパークや鉄道博物館のような企業ミュージアムならいざ知らず、親鸞聖人がテーマとなる歓楽施設というのはなかなか見ないものだろう。(あるとしても寺内のこじんまりとしたものではないのか…。)それが五色園とのファーストコンタクトである。興味をもってしまった私は、このテーマパークが名古屋から寄れる距離だと聞いたため、名古屋へ行くついでに訪問することにした。名古屋駅から乗り換えを一回挟み電車で約40分。芸大通駅に到着し、ここからバスで最寄り駅まで行くことができたが、バス時刻表の歯抜け具合を見て歩くことにした。

歩き始めるとすぐ気づいたが、この辺りは人通りが少ない。反比例して車の数が多い。さすがトヨタのお膝元。人より車が多く見かけられるこの街は、ピクサー映画『カーズ』の世界なら政令指定地区になりそうな土地であった。そんな片田舎の通りを歩くこと40分、ついに五色園の案内板を目にすることが出来た。

コンクリート像がいっぱい!

画像2

最初に現れたコンクリート像。親鸞幼少期のエピソードを再現しているんだとか…。親鸞は真ん中の小さい稚児である。

園内に入ると、一本の舗装道路が敷かれていた。それを辿る道すがら、異様な光景を目にしてしまった。着物姿で座る複数のコンクリート像である。何も知らなければ何かの集会と思うくらい、いきなりコンクリート像が眼前に出現したのだ。ここには百数体ほど、コンクリート像が設置されており、園内のメインの見どころである。そのほとんどは親鸞聖人の生涯を再現したもので、各設置個所には展示解説のキャプションがつけられている。(経年劣化のせいか、全く読めない所も…。)

画像3

仏像じゃないけど、誰かがお賽銭を置いていた! 目が怖い…!

ちなみに人間大に見えるこのコンクリート像だが、人間より一回り大きいサイズで作られているため、近づくとやや圧倒される。そして、小学生が所持する絵の具セットの原色のような鮮やかな彩色が俗物感を醸し出している。不気味さと目立ちやすさが同居したこの感じ、夜に見学したら憔悴して小水を漏らす自信が湧いてくるだろう。(夜は見学できないそう…ほっ。)

画像4

躍動感溢れる親鸞像。膝を支える木みたいなパーツが良い味を出している。

人より大きめなサイズ感と原色で構成された彩色によって、異様な印象を与えるコンクリート像であるが、実はこれが魅力への裏返しでもあると、見学するうちに気づいてきた。まず、ほとんどの像がどれ一つとして埋没していない。どの像も広い園内で「俺はここにいるぞ!」と言わんばかりの存在感を見せつけてくるのだ。このように感じるのは、像の大きさと彩色だけでなく、見ごたえのある造形が影響しているからであろう。走り抜ける親鸞像もその一つである。卍のフォームで駆け付ける姿、法衣のたなびき、への字に結んだ口と真ん中に寄った目の焦点など、躍動感が一目で分かる力強い造形である。これは見てて飽きないし、一緒に卍フォームで写真を撮りたくなってしまう。まさに「映え要素」溢れるコンクリート像がそこら中に散りばめらているのである。

まるで物語の世界に迷い込んだような…

画像5

若き日の親鸞像。俯瞰で見ると、緑あふれる風景と相性が良い。

これまで、この親鸞像たちの存在感が際立っていることを述べたが、不思議なことに景色の中で浮いている存在というわけではない。むしろ緑あふれる公園でこそハマっているという印象である。なぜなら、親鸞の生きた時代が緑であふれたことを想像すると、景観も像と合わさって親鸞の生涯を表していると考えられるからである。公園内を散策すると、親鸞の生きた鎌倉時代に迷い込んだ気分になれるのだ。

画像6

苗を植える親鸞。見学時期のせいか、荒野に耕す狂人に見える。

田植えをする親鸞も風景がマッチしていて良い。時期のせいか、ススキだらけの荒畑に苗を植えているやばい人にも見えてしまうが、自然を利用し、俯瞰で親鸞の生涯の一場面を表しているのは見事である。

画像7

田植え親鸞像の近くにいた藤木くん(出典:ちびまる子ちゃん)。夢に出てきそうな顔だ。

オススメのコンクリート像ベスト3

画像8

五色園内にあった遊具。私も登ってみたところ、塗料さびが凄かった。親鸞要素は確認できず。

ここまで、五色園内にあるコンクリート像の魅力について紹介してきたが、ここで私が特に気に入ったものをベスト3で発表していく!!


画像9

第3位 都落ち道中の親鸞。

第3位は都落ちの親鸞!都落ちとは言え、光が差したこの神々しさたるや!親鸞のファンになってしまいそうです(改宗不可避)!深い自然の山道を歩く姿は、都落ち後の親鸞の険しい道を表しているかのよう…。ただの公園かと思いきや、このような獣道を通らないと見れない像があるので、軽装はおすすめできません。ガチ勢は親鸞と同じ法衣で巡るのがベストでしょう。

画像10

第2位 親鸞に土下座!一緒に謝れば怖くない!

第2位は親鸞に謝罪像!親鸞を殺そうとするも神々しさのあまり許しを請うた山伏の像だそう…。土下座のフォルム、そびえたつ親鸞との対比が素晴らしい。山伏と一緒に土下座をするのも楽しみ方の一つだが、親鸞側に立って山伏を見下ろすのも気持ちがいい!どちらで楽しむかは、あなたの性癖次第となるでしょう。(私は土下座側が気持ちいいので、一緒に土下座しました。)

画像11

第1位 藤吉郎、蜂須賀小六と運命の出会い

いや、親鸞じゃないんかい!!!

なぜか親鸞のテーマパークに藤吉郎(秀吉の少年期。写真真ん中に座っている子ども。)と小六の出会い像があるという謎。親鸞とは関係ないが、像の数も多く、架けられた橋に像が多く乗っているという豪華っぷりである。

画像12

「なんだお前?」な顔が素敵な野武士さん。こっちのセリフじゃい!

中でも藤吉郎を見つめる野武士の表情が気に入っている。変なものを見る時の表情が良く表現されている。私もアルバイトでヘマをした際に、上司からこんな表情をされたので、この表情がよくわかってしまうのだ…。過去のトラウマを思い出した私は野武士の顔面に右ストレートをかましたのであった!(この文章には脚色が含まれております。)

五色園:こんな人にオススメ

さて、ここまで五色園について語ってきたが、最後にここへ来るのにオススメな人について述べて、この文章を締めるとする。それは『ポケモンGO』にハマっている人御朱印帳巡りを趣味にしている人だ。どちらも、収集の趣味と練り歩く必要があるという点で共通しているが、五色園はそんな人たちにとって楽しい園である。園内各地に点在する像は、全て見つけるには相当な時間が掛かり、場所によっては悪路に見舞われるが、その分見つけた時の感動は計り知れないものである。この感覚はまさしく、『ポケGO』と御朱印帳を趣味とする者も持っているのではないだろうか!

え?『ポケGO』と御朱印帳に興味があっても、親鸞に興味がない?

興味持てるように、私が念仏唱えるのでノープロブレム!是非、皆さんも行ってみてはいかがでしょうか!

...南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…

画像13

あらあら、こんなとこで寝ちゃって~の図。可愛い。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?