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シリーズ後半戦!懐古厨をギャフンと言わせる『ロックマンX アニバーサリー コレクション Vol.2』で見つけた暗闇の先の微弱な光

 「ロックマンXシリーズ」は『X4』まで、と言うような風潮があるが、実際に後半期のナンバリングタイトルは触ったことはなかった。アニバーサリーコレクションをいただいたこの機会に、『X5』以降の凋落ちょうらくっぷりをこの目で確かめるため、暗闇に足を踏み入れた。

あったぞ、光が。

 前半戦はこちら。

最初からフルアーマーという感動ーー挑戦的な新システムの『ロックマンX5』

『ロックマンX5』とは

 『ロックマンX5』は、2000年11月30日プレイステーション専用ソフトとして発売された作品。しゃがみという地味に新しいアクションが追加された。ビックリすることに、最初から「フォースアーマー」というアーマーを装備した状態でスタートができる。ちなみに、アーマーの名前は「Force」ではなく「4th」。「4番目に手に入れたアーマー」を示しており、『X5』では『X4』のアーマーのレプリカを装備しているいや、本物どこやったのよ

さ……最初から、アーマーを……!!

いきなりラストステージに殴り込める、斬新なシステム

 ゲームのストーリー上、16時間以内に落下してくるコロニーを破壊しなければならないことになる。ステージをクリアして、砲台の強化パーツを集めて、命中率を上げてから破壊するのが定石だが、いきなりぶっ放してコロニーを破壊することで序盤からラストステージに乗り込むことも可能となる。ちなみ、命中結果は前ステージのクリア後に確定しているため、発射する前にセーブ → 失敗したらロードしてもう一度発射ということを繰り返しても結果は変わらない。結果を変えるにはステージをクリアするしかないという無駄に不親切な作りには閉口。

なかなか当たらない

扱いが謎の新キャラと挑戦的な新要素

 ダイナモという敵側の新キャラが出てくるが、ちょいちょい邪魔をしてくるだけで、それ以外は何も関係してこないという謎っぷり。めちゃくちゃ強そうで、曲者っぽい雰囲気があるのに……。なんなんだ、こいつ……。
 時間の概念の他に、ボスのレベル要素があったり、複雑めんどうなシステムを詰め込んだ挑戦的な作品に仕上がっている。Xシリーズだけでなく、初代ロックマンシリーズファン向けの演出も用意されており、昔からのファンは「おっ!」「ふぁっ!?」と思わされるのでぜひともプレイして見てもらいたい。

ネーミングセンスが微妙なエックス隊長

同じステージを2回クリアしないといけない悪魔のシステムの誕生ーー残機数上がりまくり問題の『ロックマンX6』

『ロックマンX6』とは

 『ロックマンX6』は2001年11月29日プレイステーション専用ソフトとして発売された作品。最初から「ゼロセイバー」を装備したエックスが特徴的。即死ポイントが非常に多く、トゲ地帯で先の地形が見えないようなシーンもあり、嫌がらせ行為のよる難易度の底上げっぷりが目につく

先が見えんがな

許されざるシステム

 各ステージには一般レプリロイドが助けを求めているので、彼らを「レスキュー」すると1UPや体力回復すことに加えて、特定のレプリロイドからは強化アイテムをもらうことができる。ただ、のんびりしているとザコ敵に殺されてしまい、二度と「レスキュー」ができなくなるというシビアさもある。全レプリロイドを「レスキュー」するトロフィーがなくて、本当に良かった(3人くらい死んだ)。

名前は元ネタがあったりするらしい

猛省すべき、悪魔的で最悪なシステム

 本作では通常ルートとは別に特殊ルートが用意されている。特殊ルートに進んだ場合、ボスとの戦いはないため、再度最初から進み直さないといけない完全にクリアするには、8ステージをそれぞれ2回ずつクリアしなければならない。しかもそれなりに難易度も高く、面倒臭さやイライラポイントが非常に高い。アクションゲームの爽快さはなく、シンプルに面白くない。開発期間が短いということもあるようだが、「アクションゲーム」というものを考えさせられた

なにがしたいんだ

3Dへの挑戦ーーシリーズに終止符を打ちかけた破壊と滅亡の申し子の『ロックマンX7』

『ロックマンX7』とは

 『ロックマンX7』は、2003年7月17日プレイステーション2専用ソフトとして発売された作品。新キャラのアクセルが登場し、敵キャラのレッドは大塚明夫ボイスという豪華さ。しかし、これはハッキリ言うが、シリーズ史上最低の大失敗作「ロックマンX」というものを次の世代に受け継ぐために新要素として3Dのアクションが追加されているが、これが「ロックマンX」というものを台無しにしている。ステージ中に3Dと2Dが切り替わるような挑戦的な仕組みはおそらくシリーズのファンは求めてないし、3Dアクションの視点が非常に見づらいせいで、難易度が異常に上がっている。また、相変わらず即死ポイントが多い。

アクセルやレッドのキャラはそこまで悪くない

苦痛を伴う、ありえない操作性

 操作性としてはLRボタンが視点の操作で、スティックで特殊武器の切り替えという「それ逆ちゃうんか!!??」とツッコまざるを得ないボタン配置。今は右スティックで視点操作というのが主流かと思うが、当時は操作性については模索していたのだろうか。操作性の悪さは視点が逆さになる仕掛けがあるステージでも強烈に発揮される。この仕掛けも「なんでOKしたんだ」と疑問にしか思えないような操作性で、普通にクリアするだけでも苦痛なレベル。マジでありえない

『X1』のステージが3D化してるのは良い

「レスキュー」の呪縛

 『X6』で追加された「レスキュー」は、全キャラを「レスキュー」するというトロフィーを引っさげて本作にも登場

クソクソの実の能力者かな

 本作からは2人1組でステージに挑むことになる。前作と同様に「レスキュー」したときにパワーアップチップが手に入るが、パワーアップさせる対象はステージに入るときに選択した2人のどちらかしか選べない。さらには1人を最高まで強化するのに12個のパワーアップチップが必要なのに対して、最大で16個しか手に入れることができないというシビアな仕様。うーん、能力者??

128人のザコを助けないといけない

最悪ずくめの凄惨な作品

 ゲーム本編以外ではセリフの間もおかしく、Youtuberのぶつ切り編集のようなテンポの会話劇となっている。素人目線になるが、ここは溜めて言うべきだろうという部分も止まることなくセリフが続く。その違和感は最後まで続き、もやもやとしたままエンディングを迎える。最弱のラスボスに最悪のフィールドテンポも悪く、正直言って久しぶりに心底最悪のゲームと出会ってしまったと思わざるを得なかった

……ってかダイナモはどこへ???

長い長い4時間だった

シリーズ最高レベルのアクションの再生ルネサンスーーしかし激ムズの『ロックマンX8』

『ロックマンX8』とは

 『ロックマンX8』は2005年3月10日プレイステーション2、Windows対応ソフトとして発売された作品。前作と同様にグラフィックは3Dとなるが、アクションは2D横スクロールのみとなっている。ただ、見せ方を工夫することで奥行きのあるアクションを実現しており、「ロックマンXらしさ」と「現代に合わせた進化」を感じさせる作りとなっている。本作は『X5』〜『X7』の暗闇から、ようやく抜け出せたかのような出来で、途中でシリーズを離れてしまった人にもぜひとも触ってもらいたい一作に仕上がっている

アクセルも続投

「稼ぎ」が必要なメタル要素

 基本システムは過去作と同様だが、ゲーム中にお金のような概念の「メタル」を集め、「ラボラトリ」にて強化を行うシステムが追加されている。普通にプレイしていては絶対に全解放することはできない量のメタルが必要になるが、スティックやボタンを固定して、放置して稼ぐことができるのが救いか。寝てる間に30万メタルくらい稼げました

ででどん

相変わらずのシビアな高難易度化

 ステージの難易度は相変わらず異様に高いことに加えて、1度死ぬと「リトライチップ」を消費して再開するシステムとなったため、かなりストレスが溜まる仕様になったのが残念なポイント。難易度設定によるが、NORMALでは最大で5個までしかリトライチップを保持できないので、5回ミスったらステージ選択からやり直さないといけないという鬼仕様。ボス前まで行っても、リトライチップが尽きれば最初から。キツぅ。

トゲに触れたら即死ゾーン

なぜか捨てられない面倒臭さのあるシステム

 一部のボスは特殊ステージを経由することになるが、正気とは思えない長さで、通常ステージと同様に難易度が高い。また、通常ステージの途中にあるザコ敵ラッシュやとにかく攻撃を避け続けるギミックなど、どれも「いつ終わるんだ」と思ってしまうような長さで搭載されている。ゲームのシステム上、決まったキャラや特殊装備がないと取得できないアイテムがあり、複数回挑む必要があるのだが、その際にも必ず通らねばならないことになり、めちゃくちゃに面倒臭い。

……ってかダイナモはどこへ??????

メタル稼ぎをしてたので、プレイ時間が水増しされている

全作品共通の優良ポイントはコマンド入力で隠し要素が解禁ができる親切仕様

 『X4』以降の作品に実装されているが、隠しコマンドを入力することで最強のアーマーや隠し要素を最初から解禁した状態で始めることができる仕様がある。本来なら、エンディング後にこっそりと教えてくれるものだが、今ではインターネットの悪い人が堂々と教えてくれる。どの作品でももちろん大活躍で、私は大いに活用させていただいた。こだわりがなければ、最初から使って攻略することをおすすめする。「アルティメットアーマー」の着心地が良すぎる〜

OPステージから超強力なアーマーで無双できる

最後まで変わらない最悪ポイントはボスラッシュのカプセルの配置の悪さ

 初代ロックマンシリーズから続く伝統として、終盤でのボスラッシュが存在するが、一向に改善されないのがボスのカプセルの位置。パッと見で全体が見えないし、なぜか異様に入りにくい配置になっている。また、1体倒すごとに回復アイテムが用意されるようになっているが、いちいち取りに行かなければならないのも非常に面倒臭い。『ロックマンX7』では3Dで奥行きもあることから、手前から奥まで探し回る羽目になった。初代の頃のような簡素でわかりやすい配置でいいのよ

こちらのページから拝借しました。

『ロックマンX8』はやっておけ!! 他のは自分の手でシリーズの落ちぶれっぷりを感じたかったらやればよい

 『ロックマンX8』は難しいですが、本当に面白いアクションゲームとなっているので、非常におすすめです。地味に音楽も良い。欠点も目立ちますが、過去作と比較しても、トップクラスに良くできた作品だと思う特定の条件を満たすことで戦えるボスの演出には、思わず唸ってしまった。ネタバレになってしまいますが、動画を貼っておくので興味があればご覧ください。

 『X5』〜『X7』は興味があれば触ってみると良い程度。欠点が本当に多い作品たちですが、シリーズの歴史を感じたいのであればぜひ。ただ、プレイをしないなら「クソ扱い」はやめてもらいたいなと思う。どの作品でもそうですが、自分でプレイして、自分で感じたことを、自分の言葉で伝えてもらいたいと思ってます

未プレイで「クソ扱い」するやつには「はっしゃ!!!

 『X8』は本当に良かったので、今からでも『ロックマンX9』が出てくれたらめちゃくちゃに嬉しい。ロックマンのメトロイドヴァニアとか、どうよ?

な・ん・ど・で・も! 蘇ってどうぞ

 それでは。

 おわり。

……ってかダイナモはどこへ????????

結構辛かった……

大変参考にさせていただいた攻略ページ

 トロフィーを取得する際に、かなり助けていただいたページを共有させてもらいます。比較的わかりやすく、トロコンを狙うのであれば必見です。


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