過去をやり直すために『Enter the Gungeon』で死にまくった話
ーー彼らには「始末したい過去」があった。これを読んでいる方も、消したい過去ややり直したい過去の1つや2つあるのではないでしょうか。ならば向かおう。この「ガンジョン」の最奥へ。
公式日本語トレーラー
お世話になった攻略Wiki様
攻略する上で欠かせないページとなっています。ゲームプレイを迷っている方、Wiki内の「銃」や「アイテム」の説明を読むだけでも楽しめる内容なので、そこで興味を持ってから始めるのも良いかもしれません。記事中の攻略Wikiとは、このページのことを指しております。大変お世話になりました。
Enter the Gungeon Unofficial JP Wiki
https://wikiwiki.jp/etgjpwiki/
『Enter the Gungeon』の世界
『Enter the Gungeon(エンター ザ ガンジョン)』は2016年4月5日にSteam、PS4でリリースされた見下ろし型2Dアクションシューティングゲーム。長い。
その中でもローグライクという分類になるらしい。ローグライクだかローグライトだかの定義はあまり理解してないが、たぶんこれを読めばわかるはず。『不思議なダンジョン』シリーズのような毎回変わるマップ、死んだらすべてが台無しというような要素を持ったゲームと思っていれば大丈夫だと思う。
銃を表す単語の「Gun」と、舞台となる迷宮を表す「Dungeon」を組み合わせた造語である「Gungeon」が示す通り、出てくる武器はほぼ「銃」となっているのが面白い特徴。それもユニークなものが200種類以上。武器やアイテムは色々な作品のパロディのようなものがたくさんあり、その元ネタを知っているとより楽しめる作品になっている。
『Enter the Gungeon』は、「ガンジョン」と呼ばれる迷宮の最奥にある「過去を始末する銃」を見つけ、過去を始末することが最終目標。難易度は人によって大きく変わりますが、基本的にめちゃくちゃ難しいです。
インディーゲーム開発スタジオの『DODGE ROLL(ドッヂロール)』にとっては、この『Enter the Gungeon』が初めての作品なんだとか。同スタジオの今後にも期待してしまう出来となっている。
公式ページも遊び心があって面白いので、一度はアクセスすると良いとだろう。公式ページはこちら。
個人的に結構好きなタイトル画面。かっこいい。
個性のある「ガンジョニア」
ガンジョンに挑戦する者たちは「ガンジョニア」と呼ばれる。プレイヤーはこのガンジョニアを操作して、ガンジョンの最奥を目指すことになる。ガンジョニアは初期状態で4人。条件を満たすことで、隠しガンジョニアが数人追加される。それぞれのガンジョニアは最初に持ってる武器とアイテムが違っており、それらの特徴を活かすことで攻略の糸口を掴むことができる。まずは自分にあったガンジョニアを探そう。
また、ガンジョニア毎に違った過去を持っており、条件を満たしてクリアすることで彼らの過去を見ることができる。そこで彼らがガンジョンに来た理由を知ることができるので、全員分見てもらいたい。
ちなみに、個人的にはブレットというキャラクターがお気に入り。単純に性能が強いというのもあるが、見た目も可愛らしく、始末するべき過去もユニークでとても良い。隠しキャラクターなので、プレイした際にはぜひ解禁させて欲しい1人だ。
たぶん一番使っているキャラクター
求められる「腕前」と「運」
このゲームには「レベル」という概念はなく、プレイヤー自身の「腕前」がものをいう世界となっている。なので、上手い人はすぐにクリアできるだろうし、下手な人はクリアまで1週間以上かかってしまうだろう。私は初クリアまで1週間かかった。
「腕前」以外に求められるのが「運」。楽にクリアできるかどうかは、ゲーム中に手に入る武器である「銃」の強さによるものが大きい。「運」が良ければ序盤から強い武器を手に入れることも可能となっている。入手方法としてはいくつかあるが、例を挙げるとこんな感じ。
・宝箱から入手
・お店で購入
・ボスを倒す
限られた武器入手のチャンスを上手く掴み取れる者こそがガンジョン攻略に近づくのだ。そうそう、宝箱を開けようとしたらミミックで死ぬ、という事故もまれによくある話。
「運」が良くても「腕前」が無ければ死ぬし、「腕前」があれば「運」が無くてもどうにかできる。両方が完璧なら、もう言うこと無しだろう。
「レンガ」のような形の銃で、弾が「緑のこうら」。見覚えがあるような……?
ローグライク × シューティング = 超難しい!
私自身、他のゲームでもそこまでやったことがないジャンル同士の組み合わせ。『風来のシレン』はテーブルマウンテン攻略がやっとだし、弾幕シューティングは『東方永夜抄』を一時期やってたくらい。どちらも後半になると集中力が切れて、雑なプレイになってしまう悪い癖が出てしまうゲームだ。
ガンジョンは基本的に全5層の構造になっており、それぞれの階層のボスを倒すと次の階層に進むことができる。その道中は「部屋」と「部屋」が短い通路で繋がっているようになっており、この部屋に入ると出入口は閉ざされ、出現する敵を全滅させなければ次に進むことはできなくなる。一部、敵が出現しない部屋もあるが、まれだ。
どんなに自分が非力な状態でも、死にかけていても、戦闘を避けられないのが非情で非常に辛いところ。手に入れた武器は、多くの場合残弾数が決まっており、無闇に撃ちまくれば弾が無くなりボス戦で苦しむ。逆に温存しすぎてボスに辿り着く前に死んでしまうなんてことも。このリソース管理というのがローグライクの楽しみの1つだろう。破滅までが楽しいのがローグライクの醍醐味だ。(某氏の言葉を丸パクリ)
こんな感じのマップが広がっている
何度も何度も繰り返し、幾度の死の果てに見える景色
ローグライクというジャンルの最大の面白さは「プレイヤー自身に貯まる経験値」だと私は思います。
1日目は2層まで進むのがやっと。2日目は3層目がやっと。そこから先は中々進めないけど、少しずつ良い感じに進めるようになる。5日目にやっと4層、5層に行けるように。でも、どうしても攻撃を避けられずに死んでしまう。敵の攻撃パターンを頭に叩き込み、強い武器を手に入れ、7日目にようやく1人目のガンジョニアでクリアができた。
敵の行動パターンや出現パターンはもちろん、宝箱の開けるタイミング、店での買い物のタイミング、買うアイテムの優先度、武器やアイテムの使うタイミング、立ち回り。自身の経験すべてが、ゲームプレイに反映されていく。これは面白い。私は音ゲーが好きなのですが、それと同様の面白さを感じました。
死因:ニブい反射神経
最高! レインボ〜〜〜〜モ〜〜〜ド!
ガンジョンには、ガンジョンに迷い込んだNPCがたまに出現する。特別な鍵を使用することで、閉じ込められているNPCを救出することができる。救出したあとは、出発地点となるエントランスにNPCが増えていき、新しいアイテムを解禁する手助けをしてくれたり、お願いをされたりする。そのNPCの中の1人がボウラーだ。
ボウラーを救出し、エントランスにある部屋の中にいる彼に話しかけると「レインボーモード」というモードに切り替えることができる。
七色に輝く文字
テンション高めのボウラーくん
「レインボーモード」は各階層の初めに虹色の宝箱が必ず出現するようになるモードだ。虹色の宝箱は通常は0.0333%という超低確率で出現する宝箱。開けると8つの武器やアイテムが手に入る。それが最初に必ず出てくるなんて最高ですよ!
しかし、メリットばかりではない。上記の超低確率で出現する虹色の宝箱と違って、レインボーモードの虹色の宝箱は8つのうち1つのアイテムしか手に入れることができない。更には最初の虹色の宝箱以外からは武器やアイテムを入手することができなくなる。上記の画像の選択肢で、ハッキリと「レインボーボックス以外から受け取るつもりはない!」と言ってますね。
そのため、宝箱を開けられるタイミングは各階層の最初に開けられる5回のみ。運が良ければ最初から強い武器で無双できるが、イマイチだと弱い武器でやりくりしなくてはいけなくなる。拾う前に武器やアイテムの性能の確認ができないため、経験と知識がないと余計に時間がかかることも。
私は攻略Wikiとにらめっこしながら、ほとんどのキャラをレインボーモードでクリアしました。使いこなせればクリア率をグッと上げることも十分可能。某トロフィーWikiにもあるが、最初はレインボーモード解禁を目指すといいかもしれない。
経験値が貯れば、当たりアイテムがわかるように。
この中なら”アレ”一択ですね?
良くも悪くも印象に残らない音楽
私はゲーム音楽というものが大好きで、ゲームをやる上で気になってしまうポイントの1つがBGMなのですが、個人的には『Enter the Gungeon』のBGMは特別印象に残るものが非常に少なかったです。決して、BGMの質が悪いという話ではありませんのでご注意ください。
『Enter the Gungeon』のBGMはとても質が高い。「ガンジョン」という迷宮を歩き回るワクワク感、階層が深くなるにつれて硬派になる空気感、ボス戦の強敵感、緊張感。しっかりと作られているのは間違いない。良く言うと「空気のようにそこにあるBGM」でしょうか。非常にゲームに馴染んでいて、邪魔にならならず、一切違和感がないBGM。BGMの在るべき姿の1つだと思います。
逆に言うと「印象に残りにくいBGM」。どこかで『Enter the Gungeon』のBGMが流れても、即座に思い出せる自信はない……。
演出を含め、エンディングはかなり好きですが、それくらいでしょうか。グサッと刺さるようなメロディがなかったのは、ゲーム自体の出来が素晴らしいだけにちょっと残念。
Spotifyにサントラがあったのでペタリ。
本当に、1曲1曲の質は高い。
素晴らしいローカライズ
「ローカライズ」とは、ある国の製品を他の国でも使えるように言語対応することです。つまりは翻訳ってことです。
『Enter the Gungeon』は元々は海外で作られたものなので、そこから日本語にしたものですが、これが素晴らしい。日本語はすごくややこしい言語で、ローカライズするには非常に苦労したでしょう。ローカライズされた方に感謝と労いを。お疲れ様でした。そして、本当にありがとうございます。
ちなみに、ローカライズは架け橋ゲームズという会社が担当していたようだ。他の担当作品も気になっちゃいますね。
素晴らしいローカライズの一例を挙げると、以下の武器です。日本語の武器名は「スズキ」。「51」という意味深な数字から察することができると思いますが、野球選手のイチローをイメージしていると思われる名称。また、武器の説明文では「あまり打ちすぎると、インターネット上で伝説を拡散されるので注意。」とある。
逆に英語の武器名は「Casey」。「Batting .50」というのも日本語版と全く違う。説明文も同様。攻略Wikiによると、英語版の元ネタは「アーネスト・セア作のベースボール・ポエム「ケイシー打席に立つ」に出てくる架空の登場人物「ケイシー」である。」とのこと。
見てわかる通り、日本語版は完全に日本向けに書き換えられているのです。これを見たときは猛烈に感動して、絶対に書いてやろうという気になりました。他の武器も全部確認しているわけではないですが、説明文、武器名のローカライズも見逃せないポイントとなっています。もちろん、NPCのセリフなんかも上手いこと日本語になってます。
攻略Wikiでは各武器の元ネタなんかも書いてあり、読み物としても楽しめます。
他の言語でも、いい感じに訳されてるのだろうか
人をめちゃくちゃ選ぶが、広く深い面白さが詰まった超高難易度ゲーム
トロフィーコンプリートまで、約3週間かかった。しかし、未だ見ぬ武器やアイテム、未知の要素がまだまだあります。完全に倒しきれていないボスなんかも実は残っています。キリが良いので、一旦「ガンジョン」から離れますが、またいつか潜り込むことになるでしょう。「彼」はまだ呼んでいるのだから。
プレイする際には攻略Wikiを片手にプレイすることをおすすめする。ゲーム中では語られない要素がたくさんあるので、正直攻略Wikiが無いとわからないことだらけだからだ。
苦難を乗り越えて、過去を始末したときは達成感に満ち溢れることができる、おすすめの1本。腕に自信のある方は、ぜひとも「ガンジョン」を訪れてみてはどうだろうか。続編である『Exit the Gungeon』にも、いつか挑戦したいものだ。
『Enter the Gungeon』 1500円くらい
(半額セールも割とよくやってるかも?)
Steam / PS4 / Switch / Xbox
時間がかかるものが多いため、結構覚悟がいるトロフィー
それでは。
おわり。
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