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「こめつぶくん」から引退する話

 こんにちは。のぶぶです。
 今回は「こめつぶくん」について書きたいと思います。

「こめつぶくん」とはなにか

 そもそも「こめつぶくん」とはなんだ? という方も少なくないでしょう。
 「こめつぶくん」はスマートフォン用アプリであり、1回のプレイが数分で終わるカジュアルゲームの1つです。

※残念ながら、現在はAndroid専用のアプリとなっているようです。
 iOSの方は、Android端末を購入するか、iOS版のリリースをお待ち下さい。

 以下は、製作者のツイートです。


「こめつぶくん」との出遭い

 とあるDiscordサーバーで、いつもどおり知的な会話をしていると、1人のユーザーがこんなことを言いました。

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 このメッセージの直後に、とあるチャンネルに誘導されました。
 ここでは「製作者の思いとは裏腹に『これ、なんなん?』と思ってしまうような謎のゲーム」のことを「なんなんゲー」と呼称しており、その専門チャンネルに誘導されたのです。

※「なんなんゲー」の定義については諸説あります

 私が最初に「米粒」と聞いた感想は

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でした。
 私は「なんなんゲー」チャンネルに「米粒」の正体を探りに行きました。

「こめつぶくん」との接触

 「なんなんゲー」チャンネルでは、すでに「米粒」をプレイしたと思われるログが溜まっていました。
 奇妙なスクリーンショットに不安なコメントをするユーザーたちの姿。それらを尻目に、とりあえずインストールをすることにしました。
 端末のドロワーにあるアイコンを震える指で押し、初めて「こめつぶくん」を起動しました。

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※画像は最新バージョンのものとなっています。

 タイトル画面。踊る謎のキャラクターと軽快なBGMに圧倒されました。個人的には嫌いではない雰囲気。
 とりあえず「Start」を押してみる。ゲームが始まるが、なにもできない。どこを押してもなにもならないため、タスクキルをする。再度起動して「Start」を押す。変わらず、なにもできない。
 2度目のタスクキルをし、次は「Customize」を押しました。

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 メニューに赤い文字で書かれている通り、「はし」と「マナー」の設定は必須であるようだ。このゲームは、まず「Customize」から始めなければならなかったのです。私は早くも2つのライフを無駄にしていました。
 所持金の500円を使い、自由に各パラメータに割り振ります。自由度が非常に高いです。自由度が高すぎる弊害として、逆に何をすればいいのかわからない、という現象が起きます。そんなときは右下の「テンプレート」を押すことで、自動的に割り振りをしてくれるため、初心者はまずはこれを使うことをオススメします。
 ちなみに、この500円はなくなることがなく、お金を稼ぐ必要はないので安心してもらいたい。
 準備を整えた私は、恐る恐る「Start」を押した。

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 ついに始まった。
 これが「こめつぶくん」のプレイ画面。タイトル画面とは打って変わってのんびりとしたBGM。

 右側にあるボタンは、上から「おむすび」「こめ」「はし」を表す。ボタンをタップすることでそれぞれのアイテムを落下させることができる。

 とりあえず「こめ」を落下させ、お椀に溜める。

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 次は「おむすび」だ。

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 あ! バランス悪く積み上がった「こめ」の上に「おむすび」が落下したせいで「おむすび」がお椀の外に!
 なるほど。「こめ」や「おむすび」を山盛りにして、それらを溢れさせて人間の方に落として行けばいいってことね。完全に理解した。

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 なぜ……。「おむすび」が完全にはいったのに……!

 ロマンシング・サガ2のクジンシー戦ネタは置いておいて、「0つぶ」という無残な結果になってしまいました。
 このあと、私は気づきました。「はし」というファクターに。

「こめつぶくん」の完全攻略

 「こめつぶくん」を始めて約5分。ルールをちゃんと理解しました。
 「マナー」はいわゆるHP。「こめ」「おむすび」がお椀から飛び出して外に落ちてしまうと1つ減り、0になるとゲームオーバー。

※「はし」はお椀外に落ちても「マナー」は減らない

 「はし」は10秒間人間の口を開けさせることができる重要アイテム。山盛りになったお椀に「はし」を上手い具合に落下させることで「こめ」や「おむすび」を飛び出させ、人間の口に流し込むのです。「こめ」たちが人間の口にちゃんと入れば「マナー」は減りません。
 つまり、1度も落下させなければ「マナー」は1つあれば十分。
 ……だが、そんなのは通常の人間では不可能。お椀に溜まった「こめ」を「はし」の落下の衝撃で落とす、ということをコントロールするのは非常に困難です。

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 「こめつぶくん」を始めて17分。1位を取ることができました。そのおかげでたくさんの方から賛辞をいただきました。これにて「こめつぶくん」をアンインストールすることに……、ならないのです。
 男なら思うでしょう。

このスコア、どれくらい伸ばせるのだろうか――。

「こめつぶくん」と限界への挑戦

 1位を取ってからも、私は絶えずプレイを続けました。死ぬほど集中し、自分の人生をすべて捧げるつもりでプレイしました。きっと、プロのeSportsプレイヤーはこのような気持ちなのだろうと思いを馳せました。
 1位を取ってから8分後。ついに理論値を叩き出すことに成功しました。

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 ※理論値……理論的に算出された最高得点

 まさに米粒荒らし。
 ちなみに、私は昔から「ご飯は1粒も残すな」と教わってきたので実際に荒らしたことは1度もありません。
 「Customize」は「こめ0」「マナー1」「はし1」「おむすび48」という超攻撃的デッキ。
 「アグロおむすびデッキ」と呼ばれるものでした。

「こめつぶくん」と禁断の技

 理論値を出したことでさらに賛辞をいただくことになりました。
 次なる野望はランキング一面に自分の名前を表示させることでしたが、これも簡単に達成することができました。

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 ※13位の空白は自分の名前の入れ忘れなので、全て私の記録です。

 しかし、その裏では私は「こめつぶくん」の「」を見つけ、利用することで栄光を勝ち取っていたのです。
 以下の動画を見てもらうのが一番わかりやすいでしょう。

 製作者はアイテムの移動可能範囲を見誤っていたのです。さらには、「はし」を落下させない方法があり、落下させない限りは「はし」は消費されないのです。
 正しい遊び方にのみ目がいってしまい、イレギュラーなプレイ方法は考えていなかったのだと思います。

 罪悪感に苛まれた私はプレイ動画を公開することで罪を償うつもりでした。たくさんの批判や炎上を覚悟しました。しかし、幸いにも大きな騒ぎになることはありませんでした。
 この動画は瞬く間に広がりはしませんでしたが、製作者の目には入ったようです。以下はそのときの製作者のツイートです。(現在は削除済み)

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 そうだろうよ。
 やらかしちゃってるよ、あなた。

「こめつぶくん」の更新と再出発

 私の動画が公開され、「こめつぶくん」界隈では、簡単にハイスコアを出せるようになったと騒がれていました。
 数日後、「こめつぶくん」のアップデートが入りました。もちろん先程書いた「穴」の修正です。
 即座にアップデートし、アプリを起動しました。
 タイトル画面の下部には、こんなボタンが。

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 これを見たとき、申し訳ないですが、少し笑いました。
 肝心の中身はというと。

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 既知の障害の修正、そして「おにぎり」ナーフ。「アグロおむすびデッキ」の弱体化は間違いありませんでした。

※「Customize」では「おむすび」、お知らせでは「おにぎり」となっており、どちらの名称が正しいのか不明にですが、ここ以外では「おむすび」で統一させていただきます。ご了承ください。

 一番の注目点はここ。

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 ランキングリセット。おそらく全こめつぶくんユーザーが震撼したことでしょう。
 ランキングを確認してみると、書いてあった通りすっからかんに。

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 私は再び、1人の「こめつぶくん」プレイヤー、「つぶラー」としてプレイし始めました。

「こめつぶくん」とプレイヤースキル

 改めて、正攻法で「こめつぶくん」をプレイしてみると、これがなかなか難しい。スコアが伸び悩む日々を過ごしました。
 アップデートから3日ほど経過した際のスコアがこちらです。

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 自分がいかに「禁じ手」に甘えてきたのかが露呈してしまいました。約1週間前に「はい理論値」とドヤ顔で言っていた姿は、見る影もありませんでした。

「こめつぶくん」と確立されていく攻略法

 「Customize」でデッキを試行錯誤する日々の中、なんとなく攻略の糸口が掴めるようになってきました。
 初手は「こめ」を20粒ほど降らせてからのCWを作る。これで少量の「こめ」でつぶを稼ぎつつROFを完成させる。ここからは基本的にOLでつぶを稼ぐ。OL中はNFCを推奨します。FCをしてしまうとWFに余計な影響を与えてしまい、ROFが崩れてしまう危険性があるからです。この攻略法のポイントは臆さないことと欲張らないこと。そして「こめ」と「おむすび」のバランスです。

 CW(ChopstickWall)……「はし」を縦にして落とすことで壁を作り、お茶碗の右側に「こめ」を行かせないテクニック
 ROF(theRollingOmusubiFormation)……「おむすび」を落としたときに転がって口に入る状態のことを指す
 OL(OmusubiLoop)……「おむすび」を複数落とし、お椀から落ちる直前に「はし」をタップし、口に「おむすび」を入れることを繰り返すこと。基本的にはROFが前提である
 FC/NFC(FallChopstick/NotFallChopstick)……「はし」を落とす、もしくは落とさないことを指す。「はし」はお椀の中に3本入ると消える仕様なため、不用意に落とすと「はし」が消え、WCやROFが崩れる危険性が高いので状況を見極めてどちらかを選ぶ必要がある
 WF(WanField)……お茶碗のこと

 以上のテクニックを駆使し、「こめ50」「はし12」「マナー1」「おむすび32」の「コントロールおむすびデッキ」を完成させました。
 しかし、「おむすび」1つを口に入れた際のつぶ数が15から5に下方修正されるという「おむすびナーフ」がされた今、「おむすび」を主体としたデッキは効率が悪く、改良の余地しかない状態でした。
 従来の「おむすび」でつぶを稼ぐ方法はハイリスクローリターンとなっていました。1度に放出できる「おむすび」は多くて4〜5個。この場合、SHSROが発生することが多く、OHする確率が非常に高いため、安定を取るなら3個としたほうが良いと思われる。「コントロールおむすびデッキ」で「おむすび」をすべて口に入れられたとしても「5つぶ ✕ 32個=160つぶ」。ROF用の「つぶ」で多少稼げたとしても高スコアは期待できません。

 SHSRO(SuperHighSpeeRevolveOmusubi)……「おむすび」を同じ位置に複数個出してしまうと、複数の「おむすび」が重なり、超高速回転しながら落下する事象。この場合、落下後の挙動が不規則になり、不安定なプレイを強いられることになる
 OH(OverHead)……「こめ」や「おむすび」が勢い余って口を超えて鼻〜頭の方へ飛んで行ってしまい、「マナー」を失ってしまう事象

 ライフを100ほど使い、試行錯誤した結果、辿り着いたのは「アグロこめデッキ」です。「こめ320」「はし17」「マナー1」「おむすび0」と、思い切って「おむすび0」にし、「こめ」をメイン火力とするデッキを採用してみました。
 「おむすび」を4個口に入れるよりも、「こめ」を20個入れる方がより安全で確実です。攻略の基本は変わらず、「こめ」を降らせてからのCW。あとはできるだけ左端から「こめ」を大量に降らせてからの「はし」でつぶを稼いで行きます。「おむすび」よりも時間がかかるため、非常に忍耐力と集中力、そして連打力が求められます。人によってはもっと「はし」を減らして「つぶ」を多めにしても良いかもしれません。
 正直言って、自分には合わないデッキでしたが、このデッキのおかげでハイスコアを出すことができました。
 バグがちらほらとありましたが、条件が明確でなく、再現することができませんでした。詳しい再現方法をご存知の方、情報をお待ちしています。

 EWF(ExplosionWanField)……WFに許容量を超えて「こめ」「おむすび」「はし」がある場合に、WFを突き抜けてアイテムがWF外に出てしまう事象
 VC(VanishingChopstick)……口を開けようと「はし」を押した直後、「はし」がすぐに消えてしまう事象。おそらく私の操作ミスであるだろうが、これでハイスコアを取り逃すこともしばしばあった

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※2020/2/6現在のランキングです。

「こめつぶくん」からの引退

 初めて「こめつぶくん」と出会って約2ヶ月。スコアを伸ばす余地はまだありますが、個人的には一旦は満足するスコアを出すことができました。
 このnoteには、自分の手の内をすべてさらけ出した内容を書いております。これを読んでやってみようかなと思った方、既に「つぶラー」の方、是非とも参考にしていただき、より高いスコアを出せることを祈っております。
 また、新しいデッキやテクニックの情報があれば教えていただきたいです。
 このランキングが塗り替えられたとき、私は再び「つぶラー」として「こめつぶくん」と向き合おうと思います。
 その日が来るまで、しばしのお別れです。

 それでは。

「こめつぶくん」


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