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「ニューズブック」の今後について

はじめに

「ニューズブック」は、株式会社学研プラスと地方新聞社がアライアンスを組み、各新聞社の良質なコンテンツを電子書籍として全国に届ける出版レーベルです。

各地の新聞社には、新聞記者が丹念に取材し記事にしてきた良質なコンテンツが数多く存在します。その地元の新聞読者を中心に読まれてきた深く下げられた地域の情報を、地域文化や地方創生、観光、高齢化問題などあらゆるテーマに沿って一冊ずつ電子書籍化しています。 

自ら立ち上げたプロジェクトですが、次のステージに上がるための卒業的な意味で、この5年を振り返ったまとめ記事を書いてみました。

ebook47プロジェクトとしてスタート

2014年初頭、ブックビヨンド(現学研プラス)社の織田さんから「地方コンテンツを電子出版するプロジェクトに参加しないか」とお声がけを頂きました。

その話を聞いた瞬間に、ローカルメディアラボの牛島さんに協力頂ければ実現できるのでは?と考え「地方新聞社との連携はいかがですか?」「いいね」ということで「ebook47プロジェクト」としてニューズブックは始まりました。

地方新聞社の記事を電子書籍する

「地域の良質なコンテンツを全国に配信する」というebook47プロジェクトコンセプトを「地方新聞社の良質な記事を電子書籍にする」という具体的な企画に落とし込み、レーベル名もロゴも提案を採択頂きました。

ニューズブックロゴ

地方行脚の日々

牛島さんの協力で営業を開始しました。当日新聞社前で集合、商談後に、オンラインで即時営業報告を、翌朝ホテルで朝食とりながらミーティングして解散という流れで、地方新聞社の皆様には地酒、郷土料理とともに歓待頂き、出版編集者として新聞社の現場を中から間近に見るという、とても得難い経験をしました。

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33社の地方新聞社にアプローチし、21社を訪問し、この5年のプロジェクトで最終的に14社に参画頂き、38アイテムの販売につなげることができました。もっとたくさん大量に作ることを想定していたのですが、これは次の展開での課題のようです。

プリント・オンデマンドは電子書籍

電子書籍を作るプロジェクトのニューズブックですが、派生したものがあります。初期ラインナップの発売当初より、「紙の本はないのか?」といった問い合わせが寄せられているとの声を聞いて、やっぱりそうくるよな、そのうち時代が追いついてくれば…と忸怩たる思いがありましたが、Amazonのプリント・オン・デマンドが本格的にスタートして、新聞記事→電子書籍→プリント・オン・デマンドの実践例を作ることができました。

AmazonPODは、金風舎でも積極的に展開していますが、実践して強く思うことは、これは実質的に電子書籍だということです。技術的なことでもあるので、このことを世間一般に体感的に理解してもらえるのには、あと数年必要だろうと思ってます。そして、ようやく今度こそデジタルと紙の連携をどうとらえていけばいいのかが、皆さんにもわかってくると思います。

地方の書店の状況を見ることができた

東京で大書店に日参できる環境だと絶対にわからないことでした。もう10年以上、右肩下がりの斜陽状況にあるので、いまさら書店が少ないことを嘆くことはありませんが、版元営業を経験したかった身としては、全国の街で書店を巡ることができたのは役得でした。

また一軒の本屋もない地方の町で、電子書籍のことを話をする機会を頂けたのですが、そこで金風舎の電子書籍を買ってくださった方がいたということに未来をみた気がしました。

スマートフォンは書店であり本であり、それとAmazonのペーパーバックの本や書店販売の単行本は併存できるし、そうなるようにしていかなければならないと考えています。

今後の展開について

ブックビヨンド社が学研プラス社に転換するタイミングで、ニューズブック事務局を運営していたデジカルとローカルメディアラボ社の2社で合弁会社を設立させました。

設立する際には、地方自治体や事業会社などのコンテンツを電子書籍にする仕事を作っていこうと考えていましたが、福島民報社さん経由でその先鞭ともいえる案件を手掛けることができました。

現在、ニューズブック参画新聞社の1社と、新しいステージでのプロジェクトがスタートしています。

引き続き、このローカルメディアコミュニケーションズLLCにて、電子書籍を活用した情報発信をサービスを展開していこうと考えています。

ニューズブックラインナップ

ニューズブックとしての新刊企画はここで一段落としますが、既刊本の発売は継続されます。



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