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【人間観察】百億円って一万円札で何枚なの?

「百億円ってどれくらいあると思う?」

先日、久しぶりに逢った友人のS君が、唐突にそう言った。「ハァ~?」っと怪訝な顔の<やまのぼ>にS君は捲し立てた。「手数料として百億円くれるんだって!」S君はニッコリとしながら何度もそう言った。

S君はかつて<超一流企業>に勤めていた経験がある。その時、机を並べていた同僚が、現在その企業のトップになっている。

ある会合でその話をしていたら、何処からともなく近寄ってきた一人の男に頼まれたらしい。

「是非、その社長に会わせて欲しい!面談をセッティングしてもらえれば、その手数料として、あなたに百億円出そう!」っと言われたそうだ。

その男の差し出した名刺には、「○○○支援協会」とあり、先の戦争での戦勝国が支払うヤミの賠償金を、選ばれた一流企業に資金援助として、分配しているんだとか、どうとか言っていたらしい。

ところが、S君はその場で例の<M資金詐欺だ!>とピ~ンときたらしい。

「おたく様のような一流企業は、資本金の百倍の<この資金>を自由に使える権利がある。ついては手続きに、これこれの手数料がいるので支払って欲しい」って、その手数料を<クスネ>て、ドロ~ンする手口。

忘れた頃に出没すると聞く「M資金詐欺」の典型だ。

「もし手数料が百万円だったら・・・」

S君は少し間をおいて

「あの<詐欺師>の片棒を担いでいたかも・・・」

「・・・」

無言でS君の目を覗き込む<やまのぼ>に、「あまりにもデカすぎたよなァ~!百億円って・・・」と、S君は真顔でその話を締めくくった。


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