見出し画像

熾烈を極めたルーキー競争!新人王は誰の手に?パリーグ編

 プロ野球レギュラーシーズンも10月9日終了時点で残すところあと1試合、天候も一週間前とはガラッと変わり、一気に秋を通り越して冬を感じる季節となりました。
 この季節のプロ野球といえば、選手の去就情報やドラフトの他にタイトルホルダーの話題がよく上がります。
 そこで、今回は2023年のパリーグ新人王を予想すると共に、新人王の選出条件などにも触れていきます。例年に増してルーキーの活躍が光った今季、皆さんは誰がその称号を手にすると思いますか?

新人王の資格条件とは?

 では、まず新人王を予想する前にそもそもの新人王有資格者となるための条件について書かせていただきます。

 新人王の資格条件は主に4つ。
 ①海外のプロ野球リーグ(メジャーリーグなど)に参加経験がないこと。
 ②1度支配下登録されてから5年以内であること。
 ③前年までの一軍での投球回が合計30イニングス以内であること(投手)。
 ④前年までの一軍での打席数が60打席以内であること(野手)。

 こうして見ると、意外と有資格者って多いんですよね。今のところプロ5年目で新人王を獲得した選手はいませんが、高卒なら23歳、大卒なら29歳、社卒ならそれ以上の年齢になっても新人王を獲るチャンスがあるのは驚きです。
 そして、これらの条件を満たせば、理論上ては日本人でなくとも、つまり助っ人でも新人王を獲ることができます(しかし日本に来る助っ人のほとんどはメジャーやマイナーなど海外のプロ野球リーグでの試合経験があるため、大抵は資格対象外となります)。

過去10年間のパリーグ新人王選手

 では、2013年からどのような選手がこのタイトルに輝いたのか見ていきましょう。

 2013年 則本昂大選手(楽天)
 2014年 石川歩選手(ロッテ)
 2015年 有原航平選手(日本ハム)
 2016年 高梨裕稔選手(日本ハム)
 2017年 源田壮亮選手(西武)
 2018年 田中和基選手(楽天)
 2019年 高橋礼選手(ソフトバンク)
 2020年 平良海馬選手(西武)
 2021年 宮城大弥選手(オリックス)
 2022年 水上由伸選手(西武)

 錚々たる面々ですね。則本選手や石川歩選手など2017年のプレミア12で躍動した選手や、源田選手など現在の日本代表を引っ張っている選手もいます。
 また、パリーグでは過去に「該当者無し」という結果になった年も。後でも触れますが、記者による投票で選出される新人王は、記者の方が相応しい選手がいないと判断した場合「該当者無し」に投票することができます。なんにせよ、その年のプロ野球を彩ったルーキーがいないというのは寂しいですね。

新人王の選出方法

 では、この新人王はどのようにして選ばれているのでしょうか。
 先ほども少し触れましたが、新人王の選手は、

 全国の新聞、通信、放送会社に所属しており、5年以上プロ野球を担当している記者の匿名投票

 によって選ばれます。記者は投票用紙に最初に挙げた有資格選手の中から1人を選んで記入しますが、新人王に相応しい選手がいないと考えた場合は「該当者無し」と記入することができます。
 そして得票数の最も多かった選手が各リーグ1選手ずつ新人王を取得することになりますが、

 ①最多得票数を得た選手よりも「該当者無し」の票数の方が多かった場合
 ②投票総数のうちの26%の票数を得た選手がいない場合

 に限り、新人王は選出されません。

 そして、MVPやベストナイン、ゴールデングラブ賞を決定する際にも話題となるのが匿名での投票制度。
 稀にではありますが、記者の方の中には匿名であることを利用し、一軍出場の無かった選手あまりにも出場数が少ない選手に投票する方もいらっしゃいます。
 本来ならば許されざる行為なので、話題性だけでなく実力や成績も考慮した上で投票してほしいですね。

筆者が挙げる候補選手

 さて、パリーグでは今季どんな新人たちが躍動したのでしょうか。簡単な成績と共に紹介させてください(成績は10月8日終了時点、満年齢、紹介順は順不同)。

オリックス

山下舜平太選手(21歳、2020年ドラフト1位)

16試合 9勝 3敗 0S 0H 95投球回 101奪三振 21失点 防御率1.61

小木田敦也選手(24歳、2021年ドラフト7位)

38試合 4勝 0敗 0S 7H 49.1投球回 37奪三振 16失点 防御率2.19

宇田川優希選手(24歳、2020年育成ドラフト3位)

45試合 4勝 0敗 2S 19H 44.2投球回 51奪三振 9失点 防御率1.81

茶野篤政選手(24歳、2022年育成ドラフト4位)

91試合 312打数 74安打 1本塁打 23打点 7盗塁 打率.237  OPS.560

ソフトバンク

大津亮介選手(24歳、2022年ドラフト2位)

46試合 2勝 0敗 0S 13H 40.2投球回 21奪三振 14失点 防御率2.43

西武

青山美夏人選手(23歳、2022年ドラフト4位)

39試合 0勝 1敗 3S 1H 45.2投球回 34奪三振 15失点 防御率2.96

蛭間拓哉選手(23歳、2022年ドラフト1位)

56試合 198打数 46安打 2本塁打 20打点 0盗塁 打率.232  OPS.573

楽天

荘司康誠選手(22歳、2022年ドラフト1位)

19試合 5勝 3敗 0S 0H 109.2投球回 93奪三振 43失点 防御率3.36

内星龍選手(21歳、2020年ドラフト6位)

53試合 4勝 2敗 0S 7H 55.1投球回 35奪三振 17失点 防御率2.28

渡辺翔太選手(22歳、2022年ドラフト3位)

50試合 8勝 3敗 1S 25H 47.2投球回 39奪三振 13失点 防御率2.08

ロッテ

友杉篤輝選手(23歳、2022年ドラフト2位)

64試合 185打数 47安打 0本塁打 9打点 9盗塁 打率.254  OPS.579

池田来翔選手(23歳、2021年ドラフト2位)

40試合 104打数 28安打 2本塁打 8打点 0盗塁 打率.269  OPS.731

日本ハム

加藤豪将選手(29歳、2022年ドラフト3位)

62試合 200打数 42安打 6本塁打 16打点 3盗塁 打率.210  OPS.614

奈良間大己選手(23歳、2022年ドラフト5位)

65試合 181打数 44安打 2本塁打 15打点 2盗塁 打率.243  OPS.650

筆者の新人王予想

 と、ここまでかなり前置きが長くなってしまいましたが、以上を踏まえた上で筆者は新人王を

山下舜平太選手

 と予想しました。他にもリリーフで50試合以上に登板した選手や打低のパリーグにおいて打率.260以上を記録した選手など魅力的なプレーヤーはたくさんいましたが、やはり大本命の山下選手が新人王を獲るのではないかと思いました。

 というわけで、今回はパリーグの新人王を予想してみました。ここでは紹介しなかった選手でも、将来性のある選手や一軍で数少ない出番を活かし鮮烈デビューを果たした選手も多くいます。これからのプロ野球界も明るいですね。
 近日中にセリーグ編も公開しますので、ぜひそちらも読んでいただけると嬉しいです。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

出典・画像引用元

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?